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選挙で使用される投票箱

(はこ、函、筥、匣、筐)は、物を入れるための容器のこと。

概要[編集]

箱は日常生活のあらゆる場面において、様々な素材・大きさ・性質のものが、様々な用途に利用されている。主には物の保管や輸送に利用される。容器自体で、一定の形状を保持できるものを「箱」と呼び、内容物により、形状が変化するものを「」と呼ぶ。この二つは共に基本的な容器の形状であり、それらは様々な側面で利用されている。

材料は、簡便なもの・商品などの余り再使用を前提としないパッケージとしてはで作られたものが多い。しかし繰り返し出し入れすることを前提としたものや、ある種の装飾性を求めるパッケージの場合などではプラスチックで作られる場合もある。形態は、直方体(ふた)が付いているものが一般的である。

密閉性が無く固形の内容物をまとめて運搬する用途の箱(例えばメッシュパレットやメッシュボックスなど)から、密閉性があり液体を入れる箱まで様々で、また内容物の性質にもよっても材質が吟味される。箱は物品を運搬・保管する上で便利な道具である。

形状と性質[編集]

一般的には、箱は直方体か立方体である。その形状から工学的に垂直方向や水平方向でに平行ないし直角に加わる力には強く、同じ大きさの箱構造を積み重ねることにも向く。また空間を隙間なく充填できることから隙間の効率的な利用にも役立つ。このことから、産業社会の発展に必要な物資(→資源)の輸送と保管に利用され、文明の発達に寄与してきた(→コンテナなど)。また、この形はそれぞれの面が直線だけで構成されているから、加工も簡単である。

ただし強度の点で言えば、から構成される構造、例えば球体の方が強い。そのため圧力と構造強度の関係から気体や揮発性のきわめて高い液体を高圧で封入する用途には向かず、その場合はボンベのような専用の容器が利用されている。

箱の種類[編集]

箱には様々な形状があるが、容器としては非常に簡易的かつ機能的である。

形式による分類[編集]

組立箱(組み立て式の箱)の形式には次のような種類がある。

A式箱
箱の上下に蓋の部分と底の部分があり、蓋を閉じるのに粘着テープ等を用いるもの。例示としてミカン箱が挙げられることが多い。木型(抜型)は不要。一般に他の構造よりも単価が安く強度にも優れる。
B式箱
箱の一部に差し込み式の部分を用いたもの。少なくとも箱の側面の一辺をホットメルト等で接着する構造となっている。通常は木型(抜型)が必要。蓋の部分を加工して爪掛け、ロック、取っ手などを付けたものもある。底も差し込み式の場合には粘着テープ等で閉じる必要がある。底が組み立て式となっている箱を特にロックボトムという。
キャラメル箱(サック箱)
蓋・底ともに差し込み式の箱。底抜けしないように底部にテープ貼りを要する。
地獄底(アメリカンロック式)
接着なしで蓋は差し込み式、底は組み立て式の箱。
ワンタッチ底
接着ありで組み立てる箱。
スリーブ箱
身がスライド式で蓋が筒状の箱。
C式箱(身蓋箱、トムソン箱)
身と蓋の分かれた箱。A式箱やB式箱とは異なり折り畳むことはできない。木型(抜型)が必要。紙の身蓋式の箱は、一枚の紙から接着することなく、型を抜き、組み立てるだけで作ることができる。紙から型を打ち抜く機械をトムソンと言い、それにより作られた身蓋箱のことをトムソン箱とも言う。
E式箱
身と蓋の分かれた箱で、それぞれ折り畳むことができるようにしたもの。
N式箱
接着なしの差込式簡易箱。
多当式(奴式)
上下左右の四方向に側面まで完全に開く方式で、薄く平たいものの包装に用いる。
巻き込み式(ベランダ式)
左右方向に側面まで完全に開く方式で、用途は多当式とほぼ同じ。

その他の分類[編集]

貼箱
紙を貼って加工した箱。高級な物に使われる。
化粧箱
装飾目的の箱の総称。
通い箱(通函)
輸送目的で循環して使われる箱。

箱の利用[編集]

素材については、日用品食料品の包装用途としての箱は、紙で作られたものが多い。外見で差別化を図るためには、形が六角柱形や半円形のもの、蓋の開封などに工夫を凝らした変形箱が使われる。高級品や贈答向けの商品などには木箱が使われる。漆器も高級品として使われる。強度が必要な箱にはアルミ段ボール紙なども使われる。 貯金箱金庫などの箱には錠とを付ける場合もある。

日本古来の箱[編集]

硯箱
  • こうり(行李
  • つづら(葛籠
  • 長持 - 家財道具や衣類を入れる、長方形をした蓋つきの木製の箱。嫁入り道具などを入れて運ぶ際は、両端の金具に棹を通し複数名で担ぐ。
  • 重箱
  • 硯箱
  • 千両箱
  • 賽銭箱
  • 箸箱

箱に関する慣用表現・固有名詞[編集]

生物[編集]

比喩としての箱[編集]

容器でなくても直方体に近い物を指して「箱型」と言うことがある。積木ブロックのような中まで均一の素材が詰まった直方体もしばしば「箱」と表現される。

その一方では建物や店なども「箱」と呼ぶことがあり、行政が何らかの利便性ないし利用されることに絡む(経済的な)効果を期待して建てる建築物を俗に「箱物」ないしその政策を「箱物行政」と呼ぶほか、イベント関連業界では興行用施設(イベントホールや多目的ホールなど)を「箱」と表現(演劇舞台関係では同じものを指して「小屋」ともいう)し、またディスコ・クラブを指して「ハコ」と呼ぶ場合もある。これは興行(イベント)という無形の状態や、それを見に来る観客などを収める「箱」だといえる。

関連項目[編集]