第16代総選挙 (大韓民国)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
第16代総選挙
大韓民国
1996年 ←
2000年4月13日 (2000-04-13)
→ 2004年

国会299議席
投票率 57.2%
  第1党 第2党 第3党
  Lee Hoi Chang detail.jpg Kim Dae-jung (Cropped).png Kim Jong-pil 1999.png
党首 李会昌 金大中 金鍾泌
政党 ハンナラ党 新千年民主党 自由民主連合
前回選挙 139議席 79議席 50議席
選挙前議席 122議席 98議席 50議席
獲得議席 133議席 115議席 17議席
議席増減 +11議席 +17議席 -33議席
得票数 7,365,359 6,780,625 1,859,331
得票率 39.0% 35.9% 9.8%
第16代総選
Seoul-National.Assembly-01.jpg
国会議事堂庁舎(ソウル特別市汝矣島)
各種表記
ハングル 제16대 총선
漢字 第十六代總選
発音 ジェ シプニュク デ チョンソン
日本語読み: だいじゅうろくだいそうせんきょ
テンプレートを表示

第16代総選挙(だいじゅうろくだいそうせんきょ)は、大韓民国国会国会議員を選出するために、2000年4月13日に行なわれた韓国における選挙で、1948年5月の初代総選挙から数えて16回目となる。韓国では選挙回数を「第○回」ではなく「第○代」と数える。また名称も「総選挙」(총선거)ではなく、「総選」(총선)と表記するのが一般的である。

概要[編集]

国会議員の任期満了に伴って実施された選挙である。

1997年の大統領選挙で当選し、翌年大統領に就任した金大中大統領の「国民の政府」への中間評価として位置付けられ、2000年1月に新政治国民会議を改編する形で発足した与党新千年民主党(以下、民主党)と野党ハンナラ党との間で第一党の座をめぐる激しい選挙戦が展開された。また韓国の選挙史上初めて、候補者の前科記録や納税実績及び財産、そして兵役と言った記録の公開が中央選挙管理委員会によって行なわれ、市民団体による落選運動が広く展開されたことも注目された。他にも386世代(30代で、80年代に学生運動を経験した、60年代生まれの世代)がどの程度台頭するかにも注目が集まった。選挙の結果、ハンナラ党と民主党が共に議席を増やし、民主化移行後の韓国国会において初めて選挙を通じての2大政党の構図が出現することになった。

基礎データ[編集]

  • 大統領:金大中(民主党)
  • 改選議席数:273議席-今回の総選挙より、定数が26議席削減された。
    • 地域区:227議席
    • 全国区:46議席
  • 選挙制度小選挙区比例代表並立制。地域区は最多得票を得た候補が当選、全国区の議席は地域区の得票に応じて各政党に議席配分(詳細な仕組みは「第15代総選挙」を参照)。なお重複立候補は認められていない。
  • 選挙人数:33,482,387名
  • 立候補者数(地域区):1,040名
主要政党別立候補者数
党派 立候補者数
ハンナラ党 225
新千年民主党 225
自由民主連合 171
民主国民党 125
韓国新党 21
無所属 202
出所:中央選挙管理委員会歴代選挙情報システム。

選挙結果[編集]

  • 投票日2000年4月13日
  • 投票率:57.2%[1]
    • 総投票者数:19,156,515名
    • 有効得票数:18,904,740票

選挙人数と総投票者数、有効得票数は韓国中央選挙管理委員会の「歴代選挙情報システム」より引用

第16代総選挙党派別議席数と得票
党派 得票数 % 地域区 全国区 合計 %
ハンナラ党
한나라당
7,365,359 39.0 112 21 133 48.7
新千年民主党
새천년민주당
6,780,625 35.9 96 19 115 42.1
自由民主連合
자유민주연합
1,859,331 9.8 12 5 17 6.2
民主国民党
민주국민당
695,413 3.7 1 1 2 0.7
韓国新党
한국신당
77,498 0.4 1 0 1 0.3
その他の政党
기타 정당
352,293 1.9 0 0 0 0.0
無所属
무소속
1,774,211 9.4 5 5 1.8
合計 18,904,740 227 46 273 100.0

出典:自治体国際化協会海外事務所特集ソウル事務所 特集2「韓国の第16代国会議員総選挙」。中央選挙管理委員会「歴代選挙情報システム」。なお議席を獲得出来なかった政党(民主労働党・青年進歩党など3党)の得票は「その他の政党」として合算して掲載する。

解説[編集]

与党民主党は選挙前の98議席を上回る115議席(地域区96議席+全国区19議席)を獲得したが、第1党の座をハンナラ党から取り返すことは出来なかった。第一野党のハンナラ党は133議席(地域区112議席+全国区21議席)を獲得して第1党の座を死守し、過半数の137議席に後4議席にまで迫った。選挙前に50議席を有していた自由民主連合(自民連)は議席を大幅に減らして院内交渉団体の資格を確保するために必要な20議席をも下回る17議席(地域区12議席+全国区5議席)と惨敗した。

その他の政党ではハンナラ党から公認されなかった議員が中心となって結成した民主国民党(民国党)は2議席(地域区1議席/全国区1議席)に留まり、選挙前の10議席から議席を減らした。進歩主義左派系政党として21の地域区に候補を擁立して選挙に挑んだ民主労働党は、一部の地域区で接戦になったが、当選者を出すことは出来なかった[2](得票率1.2%)。

今回の選挙でも嶺南地方(慶尚北道・慶尚南道)と湖南地方(全羅北道・全羅南道)の地域主義に由来する政治構図がはっきりと出る結果となった。ハンナラ党は嶺南地方に割り当てられた65議席中64議席を獲得、民主党は湖南地方の29議席中25議席を獲得、残る無所属の4議席も民主党系なので、両党ともそれぞれ地盤としている地域で議席をほぼ独占した。一方、自民連の地盤であった忠清道と大田では、自民連が議席を減らし、ハンナラ党と民主党で議席を分け合う結果となった。ソウルを含む首都圏では民主党がハンナラ党を制した。

ハンナラ党=ハン、新千年民主党=民主、自由民主連合=自民
民主国民党=民国、韓国新党=韓国、無所属=無所

市・道別議席数
選挙区 党派
ハン 民主 自民 民国 韓国 無所
合計 227 112 96 12 1 1 5
首都圏 ソウル特別市 45 17 28 0 0 0 0
仁川広域市 11 5 6 0 0 0 0
京畿道 41 18 22 1 0 0 0
江原道  9 3 5 0 1 0 0
忠清道 大田広域市 6 1 2 3 0 0 0
忠清北道 7 3 2 2 0 0 0
忠清南道 11 0 4 6 0 1 0
湖南(全羅道) 光州広域市 6 0 5 0 0 0 1
全羅北道 10 0 9 0 0 0 1
全羅南道 13 0 11 0 0 0 2
嶺南(慶尚道) 釜山広域市 17 17 0 0 0 0 0
大邱広域市 11 11 0 0 0 0 0
蔚山広域市 5 4 0 0 0 0 1
慶尚北道 16 16 0 0 0 0 0
慶尚南道 16 16 0 0 0 0 0
済州道 3 1 2 0 0 0 0
出典[3]
太字の数字は当該地域で当選議席数が第一党になった党派
主要政党の市道別得票率
ハン 民主 自民 民国 韓国 無所
合計 38.96 35.87 9.84 3.68 0.41 9.39
首都圏 ソウル特別市 43.27 45.06 4.68 1.29 0.10 1.60
仁川広域市 41.71 40.61 12.12 1.23 3.17
京畿道 39.08 40.90 12.38 1.57 0.05 4.69
江原道  38.58 36.46 10.19 6.53 0.15 8.09
忠清道 大田広域市 23.28 28.45 34.30 0.93 0.93 9.92
忠清北道 30.63 31.32 29.49 0.66 1.83 7.06
忠清南道 17.40 29.99 39.19 1.14 6.47 4.89
湖南(全羅道) 光州広域市 3.29 69.89 0.31 0.41 26.10
全羅北道 3.59 65.44 3.38 0.21 27.39
全羅南道 4.11 66.37 1.60 0.48 27.45
嶺南(慶尚道) 釜山広域市 60.32 15.02 1.63 14.90 0.10 1.60
大邱広域市 62.89 10.93 10.23 6.24 0.01 7.50
蔚山広域市 41.70 9.58 3.08 3.95 24.44
慶尚北道 52.48 14.65 14.03 10.07 0.34 8.44
慶尚南道 53.72 11.82 3.26 6.25 0.20 21.91
済州道 44.23 49.41 0.64 0.44 5.28

出典:東亜日報監修『東亜年鑑』2000年版(東亜日報)の第16代総選特集、24頁の表「주요정당 시도별 득표상황」(主要政党市道別得票状況)。尚、空欄は候補者を擁立していない地域である。

386世代と女性の進出[編集]

党派別女性当選者[4]
党派 地域区 全国区 合計
ハンナラ党 1 5 6
新千年民主党 4 5 9
民主国民党 0 1 1
合計 5 11 16

前回の第15代総選挙で、30代の当選者は7人が当選しただけだったが、今回は13人が当選した。また、女性当選者は今回、全国区候補者の30%以上を女性候補とすることを政党に課したクォーター制が導入されたこともあり、地域区と全国区、合わせて16人が当選し、前回の選挙での女性当選者が9人を上回り健闘した。議席全体の割合で見た場合では6%弱でわずかであるが、1973年の第9代総選挙の12人・5.9%を上回った。尚、地域区での女性当選者の内、ハンナラ党の朴槿恵(大邱市)と民主党の秋美愛(ソウル市広津区)は再選であるが、地方区における女性議員が再選を果たしたのは、88年4月の総選挙以来12年ぶりのことである[5]

脚注[編集]

  1. ^ 自治体国際化協会海外事務所特集 ソウル事務所主任調査員 特集2「韓国の第16代国会議員総選挙」
  2. ^ ラテンアメリカの政治」の「民主労働党と政治改革」を参照。
  3. ^ 自治体国際化協会海外事務所特集 ソウル事務所主任調査員 特集2「韓国の第16代国会議員総選挙」
  4. ^ 東亜日報縮刷版。2000年4月号「16代総選当選者候補得票状況」(638~640頁)と「16代総選全国区議員名簿」(641頁)を参考にして作成した。
  5. ^ 春木育美『現代韓国と女性』新幹社、177頁

参考文献[編集]

関連項目[編集]