第九軍団のワシ (映画)

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第九軍団のワシ
The Eagle
監督 ケヴィン・マクドナルド
脚本 ジェレミー・ブロック
原作 ローズマリー・サトクリフ
第九軍団のワシ
製作 ダンカン・ケンワージー
製作総指揮 テッサ・ロス
マイルズ・ケトリー
チャールズ・ムーア
出演者 チャニング・テイタム
ジェイミー・ベル
音楽 アトリ・オーヴァーソン
撮影 アンソニー・ドッド・マントル
編集 ジャスティン・ライト
製作会社 トレド・プロダクションズ
フィルム4
フォーカス・フィーチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 フォーカス・フィーチャーズ
イギリスの旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 太秦
公開 アメリカ合衆国の旗 2011年2月11日
イギリスの旗 2011年3月25日
日本の旗 2012年3月24日
上映時間 114分
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ゲール語
製作費 $25,000,000[1]
興行収入 $27,122,040[2]
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第九軍団のワシ』(だいきゅうぐんだんのワシ、The Eagle)は、2011年の歴史映画ローズマリー・サトクリフによる1954年の小説『第九軍団のワシ』(The Eagle of the Ninth)を基にジェレミー・ブロックが脚本化し、ケヴィン・マクドナルドが監督、チャニング・テイタムジェイミー・ベルが主演を務めた。

ストーリー[編集]

紀元140年。ローマケントゥリオ百人隊長)マーカス・フラヴィウス・アクイラ(「アクイラ」はラテン語で「鷲」を意味する)はブリテン諸島でローマの軍団を指揮している。彼は20年前に父親が率いていた第九軍団が消息を絶ち、軍団の象徴「ワシの黄金像」の行方が分からなくなっていたことから、一家の名誉を挽回するため、黄金像を取り戻そうと考えていたが、戦場で大怪我を負い、名誉除隊となってしまう。父方の叔父の家で療養生活を送っていたマーカスは、グラディアトルの競技時に命を救ってやったスコットランド人奴隷のエスカと二人連れで、黄金像を取り戻すためにスコットランドの高地へ行こうと決意する。

数々の試練の中、マーカスとエスカは互いにぶつかり合いながらも、2人の間には次第に篤い友情が芽生え、ついに2人は黄金像を奪い返すことに成功する。

キャスト[編集]

製作[編集]

主要な撮影は2009年8月24日にハンガリーで開始され[3][4]、10月にスコットランドへ移った。映画は1,500万ポンドの規模で製作され、第62回カンヌ国際映画祭で撮影前にして国外の配給権の売買が行われた[5]

マクドナルドは史実に忠実な描写を望んだが、ローマ人が対決した部族については、それがケルト人であったとされながらピクト人であるという説もあるため、妥協を余儀なくされた。たとえば、この部族はゲール語を話すが、ゲール語が普及したのは5世紀以降であるとされ[6]、当時話されていたのはピクト語英語版であった可能性が高い[5]。ゲール語を話すのはスコットランド人の1%で、有効な人材は6万人に限られた。ゲール語を話す9〜12歳の少年数人がシール族の少年役のオーディションを受けたが決まらず、2009年8月にグラスゴーで一般オーディションが開かれた[5]。最終的に役を得たのはベルファスト出身でアイルランド語の教育を受けたトーマス・ヘンリーである。

本作ではアメリカ人がローマ人、イギリス人が敵対する部族を演じている。これはイギリス人がローマ人を演じるハリウッドの因習の裏返しで、アメリカが世界の覇権を握る現代を象徴する狙いがあった[7][6]。ベルは出身のサンダーランドマッケム方言英語版を話し、スコットランド・ゲール語がピクト語の代わりを果たしている[8]

テイタムへのインタビューによると、出演者は役作りのために一日4〜5時間のトレーニングを課されたという[9]

公開[編集]

アメリカでは2011年2月11日、2,296館で公開され、週末3日間に$8,684,464ドルを売り上げてランキング4位に立った。2012年1月3日時点での世界興収は$27,122,040で、製作予算$25,000,000を上回る[2]

評価[編集]

本作に対する批評家の評価は割れている。映画のレビューを集積するウェブサイトRotten Tomatoesは141件のレビューを基に好意的な評価の割合を39%、評価の平均を5.3/10、批評家の総意を「『第九軍団のワシ』は心地よい昔ながらの冒険活劇の魅力を具えているものの、それはケヴィン・マクドナルドの鈍感な演出とチャニング・テイタムの中心的役割における退屈な演技によってかき消されてしまっている」としている[10]。有力媒体の批評から100点満点の加重平均値を導くMetacriticは35件の批評を基に55の値を示している[11]。CinemaScoreの調査によると、観客の評価の平均は「C+」だった[12]

シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは「伝統的な剣と盾の映画のエネルギーを呼び覚ます」といい、リアルな戦闘シーンと、CGIの濫用を避けたことを讃え、3/4個の星をつけた[13]

参考文献[編集]

  1. ^ Kaufman, Amy; Fritz, Ben (2011年2月10日). “Movie Projector: Sandler battles Bieber for top of the box office”. ロサンゼルス・タイムズ. http://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2011/02/movie-projector-just-go-with-it-adam-sandler-never-say-never-justin-bieber.html 2012年1月3日閲覧。 
  2. ^ a b The Eagle”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年1月3日閲覧。
  3. ^ The Eagle of the Ninth Starts Principal Photography”. ComingSoon.net (CraveOnline). (2009年8月24日). http://www.comingsoon.net/news/movienews.php?id=58320 2012年1月3日閲覧。 
  4. ^ Kemp, Stuart (2009年8月25日). “'Eagle of the Ninth' adds cast”. The Hollywood Reporter (Prometheus Global Media). http://www.hollywoodreporter.com/news/eagle-ninth-adds-cast-88039 2012年1月3日閲覧。 
  5. ^ a b c Pendreigh, Brian (2009年8月2日). “Hollywood searches for Gaelic child star”. タイムズ. http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/scotland/article6736146.ece 2012年1月3日閲覧。 
  6. ^ a b Linklater, Magnus (2009年8月3日). “Kevin Macdonald will bring to film pre-Celtic clash of the cultures”. タイムズ. http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/scotland/article6736860.ece 2012年1月3日閲覧。 
  7. ^ Rose, Steve (2011年7月20日). “Swords, sandals and a change of empires”. The Sydney Morning Herald (Fairfax Media). http://www.smh.com.au/entertainment/movies/swords-sandals-and-a-change-of-empires-20110719-1hmy8.html 2012年1月3日閲覧。 
  8. ^ Higgins, Charlotte (2010年4月22日). “Centurion kicks off British sword and sandals film wave”. ガーディアン. http://www.guardian.co.uk/film/2010/apr/22/eagle-of-the-ninth-centurion 2012年1月3日閲覧。 
  9. ^ Board, Josh (2011年2月15日). “MOVIE REVIEW: The Eagle”. SanDiego.com. http://www.sandiego.com/articles/2011-02-15/movie-review-eagle 
  10. ^ The Eagle (2011)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2012年1月3日閲覧。
  11. ^ The Eagle”. Metacritic. CBS Interactive. 2012年1月3日閲覧。
  12. ^ Kaufman, Amy; Fritz, Ben (2011年2月13日). “Box Office: Justin Bieber and Adam Sandler in close race for No. 1”. ロサンゼルス・タイムズ. http://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2011/02/box-office-bieber-and-sandler-in-close-race-for-no-1.html 2012年1月3日閲覧。 
  13. ^ Ebert, Roger (2011年2月9日). “The Eagle”. シカゴ・サンタイムズ. 2012年1月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]