立ち食い

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立ち食い(たちぐい、立ち喰いとも表記)とは、顧客のための椅子を用意せずに立って食べる設備のみを持った飲食店の販売形式、またその飲食店で食べる行為のこと。

構内やオフィス街の一角など食事を手早く済ませたいニーズが多い場所に立地される。販売側が席を設けないことの利点として、混雑時に顧客の回転率を低下させないことがあげられる。また、店舗面積が立ち食い以外の形態をとれないという消極的な理由から立ち食いの形式をとる場合もあるが、客席を持たないことで面積あたりの収益率を上げる効果がある。

日本で最も一般的なのは立ち食いそば店であり、これは江戸において江戸時代から始まっており、寿司天ぷら(串揚げ)も同様に売られていた。その他にも焼き鳥カレーライスなどの作りおきができて調理に時間のかからない料理が提供されている。一般的には席のある店よりと比べて値段が安く設定されている。また、酒類を出す立ち飲み屋も数多く見られる。

店舗は狭い調理スペースとカウンターが設置され、客は専らカウンターに向かい食事をする。移動しない屋台に近いといえる。その他、セルフサービスの飲料水サーバーや食券販売機を併置して、店員の作業量を減らし早く食事を提供する工夫がなされていることが多い。

寿司屋の中には、看板の店名の前に「立ち食い」と書いてあるものの実際には立ち食いではない店がある。これは、屋台で立ち食いする形式が一般的だった江戸前寿司の名残ではないかともされ、北大路魯山人は『握り寿司の名人』にて

戦後、寿司が立ち食いから椅子にかけて食うようになった

と述べている。中京地方では現在でも一般的な表記である。

イタリアではバールと呼ばれる立ち食い形式で軽食を供する商売が一般的である。

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