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『空ノ鐘の響く惑星で』(そらのかねのひびくほしで)は渡瀬草一郎/著のライトノベル。イラストは、岩崎美奈子。2003年12月-2006年10月、全12巻。電撃文庫刊。外伝も1冊発売されている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
- フェリオはアルセイフ王国の第4王子でフォルナム神殿に親善大使として滞在していた。そこで、フェリオは御柱(ピラー)から現れた女の子リセリナと出会う。リセリナはこの世界に適応するために教育を受けることとなり、フェリオは幼少からの友人のウルクと再会する。その後、御柱から新たな来訪者たちが出現し王と皇太子を殺害してしまう。
- 王と皇太子が殺害されたことで王宮は揺れる。王としての資質に不安のある第2王子レージクか、まだ2歳の皇太子の息のどちらを王位につけるかで政府は二分されてしまう。その葬儀の最中に、レージクに近い立場にあるものたちが暗殺されてしまう。ここから、反レージク派の人間たちがレージク派によって拘束されてしまう。
- 国を滅ぼそうと画策するレージクに対して、外務卿のラシアンらの反レージク陣営は王都を離れ、反抗姿勢を明確にする。一方、フェリオは捕われのウィスタルを救出しようと城に潜入するが、逆に正妃暗殺の嫌疑をかけられかけてしまう。しかし、クラウスの配下らの協力によって何とか王都を脱出し、リセリナとも合流することができた。
- ラシアン卿の領地にて着々と準備を進めるフェリオたちは、いよいよ王都に攻め込んだ。リセリナの助けや敵の裏をかいた戦術によってついに王都を奪還することに成功する。一方、イリスたち来訪者はカシナートと手を組み、目的であるリセリナへ復讐を画策し、ジラーハは同盟関係にあるタートムのアルセイフ侵攻に協力する。
- フォルナム神殿に滞在していたウルクはカシナートの不穏な動きを偶然知ってしまい、来訪者のシアの能力で記憶を消されてしまう。北方民族への協力やアルセイフとの友好関係からウィータ神殿によるフォルナム神殿の自治権の剥奪が行われ、そしてついに、アルセイフとタートムの間に戦端が開かれることとなる。
- ウルクが記憶を失ってしまったことにショックを受けるフェリオたち。その背後には来訪者の影がちらつく。フェリオは拘束されてしまったフォルナム神殿の神官たちを取り戻すためカシナート司教と交渉をし、ジラーハとの調停が結ばれることとなる。その矢先に、突然御柱から不気味な大量の屍の兵たちが現れる。
- 突然現れた屍の兵たちへの対処に追われるフェリオたち、際限なく現れる屍の兵たちに疲弊していく騎士たち。対処しきれぬ屍の兵に苦慮した彼らは御柱の機能を停止させる。そして、コウ司教は死の神霊の研究のためにラトロアの間諜にさらわれてしまう。イリスたち来訪者もその能力から請われラトロアに行くこととなる。
- タートムとの戦端は、シズヤ達の幻鳥のためアルセイフが追い詰められるも最終的に、北方民族の強力を得たフェリオの増援が決めてとなってアルセイフが勝利することになる。
- フェリオへの強い思慕の念から危険な状態に陥ったウルクもイリス達と決別したムスカの治療により記憶を取り戻す。
[編集] 登場人物
[編集] 主要登場人物
- フェリオ・アルセイフ
- アルセイフの第4王子。16歳。アルセイフの親善大使としてフォルナム神殿に赴く。幼少より剣聖ウィスタルから剣の指南を受けており、剣の腕も確かである。母は幼い頃になくしている。兄レージクによる強引な即位と逮捕劇に際して挙兵、反乱軍を指揮。ときに身分を省みず真っ直ぐに行動に出てしまうため、リセリナやウルクからは「危なっかしい」などといわれる。混乱真っ只中の王城に忍び込むなどの大胆な行動もとったことがある。恋愛に関しては王族の末弟であり、父と母が「あまり仲良く見えなかった」ため、人を恋することをどう理解していいかが分からない模様。その背景にはフェリオの出生、つまり母とウィスタル・ベヘタシオンの関係が大きく影響している。
- リセリナ・エリニュエス
- 御柱によって異次元から現れた少女。長い黒髪が特徴。自らの意思ではなく生存本能によってのみ昇華状態に変化する。昇華状態の時は意識がなく、敵対するものには攻撃をするが、フェリオにだけは懐いている。遺伝子操作が加わっており基本的な身体能力も高く、傷の治癒能力も高い。エリニュエス計画で生み出されたイリスのクローン。被検体の中の唯一の生き残りだったが、エルシオン博士に引き取られ養女となる。
- ウルク・ティグレー
- 神姫の妹。幼い頃にアルセイフに滞在していたため、その頃からフェリオとの親交があった。しかし、フェリオはフォルナム神殿でウルクと再会するまで、彼女のことを男性と勘違いしていた。空色の長い髪と瞳を持ち、芯の強い少女。カシナートとイリスの会話を聞いてしまったためシアの能力によって記憶を封じられてしまう。その記憶の復元は不可能と思われたが奇跡的にその記憶を取り戻すことに成功する。
- ウィスタル・ベヘタシオン
- アルセイフ王宮騎士団団長。"剣聖"と称される。ラバスダン王と親交が深く、ラバスダン自らウィスタルに士官を勧めた。元々は刀の使い手であったが、フェリオに自身の愛刀を授けたため、現在は騎士剣を用いる。元はラトロアの出身であったがそのことを隠していた。本名はウィスタル・エアルだが、現在は義父としていた師匠のオズマ・ベヘタシオンの姓を名乗っている。昔、北方民族と共に戦いをしたことがあった。
- ディアメル
- 王宮騎士団団員。フェリオと同じくウィスタルの愛弟子。南方の血を引く浅黒い肌、黒い髪の女性。すばやい剣撃を得意とする。何かとライナスティと漫才コンビのような会話を繰り広げる。
- ライナスティ
- 王宮騎士団団員。フェリオと同じくウィスタルの愛弟子。短い金髪。その剣は駆け引きが得意で、相手の注意を引く、引き分けることの達人。絵が上手い、細工物も得意、開錠ができるなどの様々な特技があり、そのすべてを把握している人間はいない。実はある国の臣下に下った王族の息子で、幼少時に名の知れた暗殺者に暗殺の技術をしこまれたため一流の暗殺者の動きをする。
- エンジュ・シェパード
- 狩人の少年、16歳。両親はおらず、狩りや弓矢の製作をすることで生計を立てていた。イリスたちが突然家にやってきたことから、来訪者たちと繋がりができる。ローム家の領民で、外務卿が反乱軍を立ち上げた際に兵に志願したことから、フェリオたちと知り合う。弓の腕は達人級。
- シルヴァーナ
- 神域の町に住む錬金術師。フォルナム神殿直属の間諜。北方民族の出身で、本名はユキノ。玄鳥「フウガ」を操る。シズヤに手引きされたタートム軍により住んでいた集落を全滅させられている。
[編集] アルセイフ王国
[編集] 王家
- ラバスダン・アルセイフ
- アルセイフ王国国王、50歳。公平で思慮深く臣下からの信頼に厚かった。好色ではない。王家の血筋というものにあまり執着しない。御柱から現われた来訪者、パンプキンに殺害される。
- マリーベル・アルセイフ
- ラバスダンの正妃。55歳。王の断崖での暗殺事件の後、主犯としてレージクに捕らえられ、投獄されていた際にシズヤに殺害される。
- ウェイン・アルセイフ
- ラバスダン王の長子。30代。猜疑心が強く決断力に欠ける。ラバスダン王と同じくパンプキンに殺害される。
- ラウナ・アルセイフ
- ウェイン皇太子の妻。27歳。2歳の息子アーベルトがいる。カリウス家と縁がある。マリーベルと同じく投獄されていた際に殺害される。
- レージク・アルセイフ
- アルセイフ王国第2王子。26歳。放蕩癖が酷く、性根が酷薄。幼い頃のタートムでの経験やレヴィーアが実の母でなく、ラバスダンの子でもないと知ってしまったことが性格に影響しており、アルセイフ王家に恨みを抱いている。タートムと組みアルセイフの亡国化を狙い、王の断崖での暗殺計画を実行。クラウスを自陣営に引き込み、皇太子の息派を次々に投獄する。反乱軍に破れ、シズヤに殺害される。
- レヴィーア・アルセイフ
- レージクの母で、ラバスダンの第2妃。王の断崖にて玄鳥によって暗殺される。
- ブラドー・アルセイフ
- アルセイフ王国第3王子。19歳。気弱で病弱。容姿はラバスダン王に良く似ている。内乱の真相を知った際にレージクの殺害を企てるなどの行動力もある。内乱鎮圧後に正式に王に就任、周囲を驚かせるほどの賢王ぶりを発揮する。
- ロデリア・アルセイフ
- ブラドーの母で、ラバスダンの第3妃。カリウス家と縁がある。王の断崖にて玄鳥によって暗殺される。
- フレイア・アルセイフ
- フェリオの母親。零落していた貴族の出自であったが、ラバスダン王に娶られる。フェリオを生んですぐに亡くなってしまう。容姿はフェリオに良く似ている。
- アスティナ・アルセイフ
- フェリオとリセリナの娘。他の子供と比べやたらと運動神経が良い。
- リグルス・アルセイフ
- フェリオとウルクの息子。他の子供と比べやたらと頭が回る。
[編集] 政府
- ダスティア・カリウス
- アルセイフ王国政務卿。60歳。王の断崖での暗殺事件に加わったとして投獄されてしまう。内乱後は息子のアゴールが政務卿の代理として、自身は休養を取りつつも半ば隠居状態になり、その後完全に引退した。
- ガートルード・サンクレット
- アルセイフ王国軍務卿。58歳。クラウスの父。王の断崖にて玄鳥によって暗殺される。
- ラシアン・ローム
- アルセイフ王国外務卿。真に国のことを考える清廉な忠臣で、王位継承問題に絡み中立を貫いていたが、レージクの強引な王即位や政務卿など重要人物の逮捕を理由に首都を出奔、反レージク陣営とともに自領にて反乱軍を結成。内乱沈静後は再び中立を貫く。
- クラウス・サンクレット
- サンクレット家長男、26歳。若い頃から交易会社を経営し、その規模は国内最大規模となっている。王位継承問題において初めはレージクを見限っていた部分があったが、王の断崖での暗殺事件からは一転してレージク陣営の中枢にいたり、反乱軍と対抗する。沈静後はレージク陣営の中核であったにも関わらず情状酌量が認められ謹慎処分を受けるに留まる。時期軍務卿の最有力候補。
- ニナ・サンクレット
- クラウスの義妹。18歳。レージクの許婚。王の断崖にて玄鳥によって暗殺されかけるが奇跡的に命を取り留める。兄クラウスは彼女のことを溺愛している。
- アトナーグ・サンクレット
- クラウスの祖父。現在は領地において療養中。
- ベルナルフォン・レスターホーク
- サンクレット家に縁のある軍閥の下級貴族。顔のにやけどを負っており右目を眼帯で覆っている。28歳、独身。クラウスの親友。内乱の再、挙兵したフェリオ達に従い反乱軍に参加。その際の貢献を認められ新設の役職、軍務審議官に任命される。その後タートム侵攻に対する増援部隊の指揮官に抜擢、幾多の協力を経て無事使命を果たす。
- ロセッティ
- サンクレット交易の社員で、クラウスの部下。非常に有能な商人。40歳。内乱の際のクラウスの異常さに気づき、彼の目を覚まさせるため反乱軍に参加、協力をする。ベルナルフォンとも親交がある。
- アゴール・カリウス
- ダスティア政務卿の長男。40前の小柄な男。父ダスティアがレージク陣営によって逮捕され、反乱軍に参加。内乱終結後は父親に代わって政務卿の代理を務め、後に正式に後任の座についた。
- マグナス・グレナデン
- 軍閥の一族。サンクレット家とは確執があった。反乱時はレージク陣営に協力。彼の父は、かつてフェリオの母フレイアを妾に迎えようとしたことがある。
- バロッサ・アーネスト
- アルセイフの老将。ザルク砦を守る。小太刀を用い、剣術の達人。ウィスタルとも親交があり、若い頃は彼と対等に渡り合った。外伝では庭師をやっていてアスティナとリグルスが城を脱走する時許可を出す役割をしている。
- ソフィア・アーネスト
- バロッサの娘、19歳。愛馬「ノクターン」を操る。父バロッサの組織したスパイたちを束ねており、隠密行動、武術の腕前は共に高いレベルにある。十二巻でブラドーの正妃になる
- オーグレット・サイロム
- エフリード砦の太守。非常に保守的。
- サンベル・フラナー
- タートム侵攻に対する増援部隊の副官。内乱の際にも反乱軍に加わった経験を持つ。彼の父はバロッサを高く評価しており、見識も高かった模様。
[編集] タートム王国
- モーフィス・ルメイシーズ
- アルセイフ侵攻軍の先遣部隊の武将。根は熱く勇猛果敢だが、普段は冷静沈着を装う。腕を骨折してもなお戦場に出るなど、使命感が強い。
- カルバイ・ウォーレンバーグ
- アルセイフ侵攻軍の総指揮を務めるタートムの大貴族。ラトロアの台頭を前にし、自国民をアルセイフの土地に移住させることを夢見る。
[編集] ジラーハ
[編集] ウィータ神殿
- ノエル
- ウルクの姉にあたる。神姫と呼ばれる、神殿勢力の象徴的存在。少々浮世離れした雰囲気を持つが、裏での糸の引き方も心得ている。
- カシナート・クーガ
- 名門クーガ家の長子。26歳にしてウィータ神殿の司教を勤める、大変な切れ者。信教監査院院主。ラトロアの台頭を受け、タートムと敵対する北方民族とフォルナム神殿の繋がりを絶つためにアルセイフを訪れ、来訪者と遭遇する。
- ヴェルジネ・ラティアス
- カシナートの補佐役の司祭。ウルクと同世代。
- マディーン・ティグレー
- ウルクの父。
- ビランチャ・カラムナスフ
- ウィータ神殿の司教。前信教監査院院主。"非情の調停者"と呼ばれる。かつては拷問吏を務めていた。
- シュタインベック・クーガ
- 大司教。カシナートの父。現在の神殿勢力の中で、最も大きな勢力を持つと目される。
[編集] 神殿騎士団
- ベリエ・バーミリオン
- フォルナム神殿騎士団団長、32歳。南方の神殿騎士団の中で育ち、ただ戦いを好む性格。屍の兵の騒動の再、フォルナムに来て以来の望みであったウィスタルとの死闘を繰り広げ、「楽しかった」と言いながら死亡。
- リカルド・バーゼス
- フォルナム神殿騎士団副団長、20代半ば。陰険で粘っこい性格及び剣術スタイル。リセリナをめぐって正体を隠したフェリオと戦い、敗北。以後復讐の機をうかがう。屍の兵の騒動の際、神殿を逃亡。その後、メビウス・フロンダイトに屍の薬を投与され刺客として御柱(ピラー)に転送される。
- トーラス・カントフェリ
- キャルニエ神殿騎士団団長。戦斧を用いる傭兵風の男。
- カルキノス・マリグ
- 神殿騎士。大剣を二本使う騎士風の男。
- レーヴェ・グレイスナイフ
- 神殿騎士。籠手を用いる金髪の女。南方の乱の鎮圧にあたっていた。フォルナム神殿を増援部隊の指揮官として訪れた。ベリエに代わり、フォルナム神殿騎士団長に就任。
- チェイニー・アルガレイ
- 神殿騎士。リカルドがウルクを襲う計画をフェリオたちに教える。故郷はジラーハで、戦乱を望むベリエを嫌っている。
[編集] フォルナム神殿
- レミギウス・バルトレー
- フォルナム神殿の最高位の神師。フォルナム神殿の責任者。
- コウ・シェルパ
- フォルナム神殿の司教。シャジールの民。身体を緑色の鱗で覆われ、金色の目をしている。シズヤに攫われラトロアへ連れて行かれる。
- エリオット・レイブン
- 13歳の少年で、フォルナム神殿の神官で、フェリオの世話役。少女のような顔立ちをしている。メイヤーに憧れを抱く。
- メイヤー・バルトレー
- レミギウスの孫娘で従者。
- クゥナ・リトアール
- フォルナム神殿の施療師。20代半ばの女性。リセリナの教育係を務める。
- エヴァ・ラコナー
- 70過ぎの、恰幅のいい女性司祭。セイラム第9教会の責任者。元はウィータ神殿の神官だったがフォルナム神殿に転籍する。地元の住民からの信任は厚くセイラム第9教会は通称"エヴァの教会"と呼ばれる。
[編集] 来訪者
- イリス・エリニュエス
- 来訪者。短い黒髪。バークライト大佐の養女。リセリナたちクローンの元となった遺伝子を持つ。スフィアを使って遠距離の攻撃を行うが、すぐにフェリオに破壊され使用不能になってしまう。義父をリセリナに殺されたことからリセリナを恨んでいる。この世界で重ねた罪の重さを意識して自ら思いつめるが、エンジュとの出会いにより徐々に変わっていき外伝ではフェリオ達が見れば別人だと思うだろうと言われるほどになる。
- パンプキン
- 来訪者。カボチャの被り物をしているが、それは来訪者の世界で作られた精密機械である。非常に細身で、人間離れした身体能力を持つ。いやに芝居がかった語り口調をする。バークライト大佐の護衛をしていた。就寝時であろうと被り物をはずすことは無く、いわく「我がこの被り物を外すときはまったく別な人生を歩むと決めたときであろう」との事。外伝では被り物をはずしておりまた、略称では無く本名の方を名乗っている。
- 2007年度版「このライトノベルがすごい!」人外?キャラクター部門一位を獲得。
- ガーゴイル
- 鎧に包まれた巨体で拳を振り回し攻撃するが、動きは鈍い。生物と機械の融合体。フェリオに斬られ、死亡。
- バニッシュ
- 来訪者。白皙の青年で、表情の変化に乏しい。その能力は名前の通り物質を消滅させることができる。イリスの護衛を務める。元いた世界に妻と子供がいる。イリス曰く唯一変われなかった人物。
- カトル
- 来訪者。姿は見えない。バークライト大佐の護衛をしていた。大佐の実験である投薬による昇華の被検者に志願、感情と言葉を失う。昇華の被検者になる前には妻と子供がおり、殺された妻と子供の復習を最初にする事と引き換えに昇華の被検者に志願した。十二巻で死亡。
- ムスカ・ブライトクロイツ
- 来訪者。通称、教授。その名前は筋肉を意味し、筋骨隆々とした容姿だが、来訪者の中でもっとも理知的。父親に被験者として扱われたため現在の体躯を持つ。エルシオンの助手をしていた。
- シア
- 来訪者。6歳ぐらいの金髪の少女。相手の無意識下における尋問や腕輪を使い記憶の消去を行うことができる。後にムスカの養女となり、アスティナとリグルスの教育係をやっていて脱走したアスティナとリグルスを追いかける姿は町の名物になっている。
[編集] ラトロア
[編集] ラトロア
- ハーミット・エアル
- ウィスタルの甥。前国家元首ルースター・エアルの3男。諸事情により国許を出奔し、アルセイフに至ってフェリオたちと知り合う。その後、シルヴァーナとともに再び祖国へ赴く。剣の腕は確かで、刀を使う。非常に生真面目であるが、予定外の行動につめられるのが苦手な様子。
- ルースター・エアル
- ウィスタルの兄。前国家元首だったが、暗殺される。
- リーブルマン
- ハーミットやダルグレイの師匠。優秀な研究者。
- ジェラルド・メイスン
- ラトロアの現国家元首。
- ユーディエ・メイスン
- ジェラルドの娘。姿の見えないカトルを精霊だと思い慕っている。盲目だったがシアの力で見えるようになる。
- ダルグレイ・バルトゥール
- ラトロアの政治家。ハーミットの姉シスカの夫。
- シュナイク・バルトゥール
- ダルグレイとシスカの息子。
- メビウス・フロンダイト
- ラトロアの秘密警察を束ねる、仮面の男。同時に、シズヤ達のリーダー的存在である。腕輪(うでわ)を使う為に頭を割って輝石のエネルギーを直接脳に届けている為いつ死ぬか判らない状態で、寿命を延ばすために世界を壊してでも地球(ちきゅう)に行こうとした。
[編集] 間諜
- シズヤ
- タートムの間諜をしているが、実際はラトロアの間諜。北方民族の出身。赤みがかった玄鳥「ホムラ」を用いる。光の縄を作り出す腕輪を使用する。二つ名は「傾城のシズヤ」。
- エイミー
- シズヤの部下にして妹分。エイミーは仮の名だが本名は不明。電撃を発生する腕輪を使用。
- アカツキ
- ラトロアの間諜。北方民族の出身。玄鳥「マイヒメ」を用いる。風刃と呼ばれる風の刃を生み出す腕輪で攻撃をする。
- リョガク
- 巨体の男。二つ名は「錬気のリョガク」。朴訥な性格で、リセリナたちの世界で「コアシールド」と呼ばれる腕輪を持つ。
[編集] その他
- エルシオン・エアル
- リセリナの義父。150年ほど前にフォルナムの御柱からこちらの世界に現れた。後にラトロアに渡り、エアル家の祖となる。もともと亡命者であったため、身の安全のために別名を数多く持っており、こちらの世界ではそれらを使い分け、研究者、芸術家、鍛冶師など様々な方面で目覚しい功績を残す。
- タケオミ・オオトリ
- タケオミ隊の隊長。
- アスナ・シロヤマ
- タケオミ隊の隊員。
- クロード・サイジョウ
- タケオミ隊の隊員。
- キリヤ・アイスナー
- 日系人によって構成された部隊のメンバー。隊長のタケオミはムスカとも親交があった。北方民族の租ではないかと推測される。
- バークライト・ディレン
- イリスの義父。大佐。軍事技術の研究を行う。投薬によって昇華を引き起こす研究を進める。その過程で様々な非人道的な実験を行うも、リセリナに殺される。
- オズマ・ベヘタシオン
- ウィスタルの剣の師匠で義父として共に各地を旅をしていた。シルヴァーナの父。故人。
- ゴーダ・トレイス
- 本名はカイシュウ。北方民族の出身、柱守。講談師もしているが、本職は錬金術師。かつては刀鍛冶も行った。若い頃、タートムとの戦争の際には、ウィスタルとも肩を並べて戦った。
[編集] 地名
- アルセイフ王国(アルセイフおうこく)
- 首都はセイラム。フォルナム神殿をその国土内に有し、土地は肥沃、民は温和である。
- 王の断崖(おうのだんがい)
- 首都セイラムから東にある王家専用の狩場にある崖。王が亡くなったときはここから遺灰を撒く伝統がある。
- ザルク砦(ザルクとりで)
- アルセイフ側のタートム国境に接する最前線の砦。規模は大きくなく斥候を目的としているが、内部はバロッサにより隠し通路などの様々な仕掛けが施されている。
- エフリード砦(エフリードとりで)
- 国境付近のザルク砦から幾分離れた地にある砦。アルセイフ守りの要。タートムがアルセイフへ進行する上で必ず通らなければならない場所に築かれているため、戦略上両国にとって非常に重要な砦である。
- ジラーハ
- ウィータ神殿をその中心とする大国。サンフェデルをはさんでアルセイフの西側に位置する。
- タートム王国(たーとむおうこく)
- アルセイフ王国の北に位置し、ザカード神殿を有する。そのため神鋼の生産や工業技術は高いが、農業には向いておらず、幾度とアルセイフ王国の肥沃な土地を目指して侵攻をしてきた。貧富の差が激しい。
- ラトロア
- 大陸の西方にある大国。首都、ラボラトリ。国家元首は選挙によって選ばれる。死の神霊の研究が行われている。
- タリク
- キャルニエ神殿を有し、ラトロアの南に位置する国。
- ビスターク
- ネディア神殿を有し、ジラーハの南に位置する国
- サンフェデル
- アルセイフとジラーハの中間に位置する小国で、ジラーハの属国的立場。大道芸を愛する国民性で、盛夏の祭りでは大会も開かれ、旅人が他国からも集まる。
- ソリダーテ大陸(ソリダーテたいりく)
- アルセイフ王国のある大陸。ほとんどの国がこの大陸上に存在する。神殿を中心に国が形成されている。
[編集] 用語
- 空ノ鐘(そらのかね)
- この世界に浮かぶ青い月のこと。形はいびつな球形をしており、3本の線が縦に走っている。毎年夏の入り口に鐘に似た音が鳴り響く。その時、空にはオーロラに似た光の帯が空を覆う。アルセイフ王家は空ノ鐘が鳴るとフォルナム神殿に礼拝する習慣がある。空ノ鐘はシャジールの民の故郷の星。すでに滅びてしまったがシャジールの民がその罪を忘れぬように空に投影されているもので、実際には存在しない。
- 御柱(ピラー)
- 宙に浮かんだ状態で屹立する巨大な柱。未知の素材でできている。リセリナの世界では魔術師の軸(メイガス・シャフト)と呼ばれていた。御柱ごと性質の異なった輝石を産出する。その原石はマテリアルコアと同等の性質を持つ。
- フォルナム神殿(フォルナムしんでん)
- アルセイフ王国に隣接する神域に存在する。地の神フォルナムを信仰対象とし、化身するときは樹木の姿をとる。教義はフォルナム教と呼ばれ神殿ごとに教義は異なるが、神姫の存在の認識については共通。
- ウィータ神殿(ウィータしんでん)
- 「ウィータ」とは「生」を意味し、対義語は「アービタ」「死」。
- ネディア神殿(ネディアしんでん)
- 水の神ネディアを信仰対象とする。
- ザカード神殿(ザカードしんでん)
- 火の神ザカードを信仰対象とする。
- キャルニエ神殿(キャルニエしんでん)
- 風の神キャルニエを信仰対象とする。
- 腕輪(うでわ)
- 高い技術力で作られた道具。光の刃を作り出す、筋力を増幅する、手で掴んだものを消失させるなど、様々な種類がある。マテリアルコアと呼ばれる、魔術師の軸を解析・コピーした物質をエネルギー源とする。
- 昇華
- 人の判断力を維持したまま感情や理性を抑え、同時に身体能力を飛躍的に上げる新技術。マテリアルコアから発生する化学物質を腕輪を介して脳に作用させ、昇華を引き起こすという方法が一般的である。基本的には、あらかじめセットした時間が経過すると元の状態に戻る。
- 地球(ちきゅう)
- リセリナのいた世界。この物語で語られる地球は舞台となる世界と異なる点がいくつかある。まず、この世界には御柱が5本存在するのに対し、リセリナのいた世界では魔術師の軸が1本のみが横たわった状態で発掘されているだけであり、また、空ノ鐘のような月は存在せず黄色く球形の月である。言語や文字も同一。また、地球とこの世界は時間の進行速度が異なり、地球の時間の平均900倍ほどの速さでこの世界の時間は経過する。
- 魔術師の災厄
- リセリナが転移する5年前にあった事件。魔術師の軸を中心として一都市、100万人が消失、行方不明になった。実際は、地球からこちらの世界へ来訪者として転移している。その記録は大昔過ぎてシャジールの民しかそのことを知らない。
- 輝石(セレナイト)
- 御柱が産出する特別な力を持った物質をシャジールの民が精錬することによって得られる。御柱の数と同じ5種類が存在し、産出地によってその効果が変わる。例えば、フォルナム神殿は大地を肥やす「大地の輝石」、ザカード神殿は火力を高め、神鋼を作る材料ともなる「火の輝石」など。
- 調停の摂理(ちょうていのせつり)
- ウィータ神殿の高位の神官が双方の言い分を聞き、その上で神官が争いを止めるために助言を行うこと。これを拒否することは神殿への侮辱、信仰への否定につながってしまう。
- 聖祭(せいさい)
- フォルナム神殿で毎年行われている聖なるお祭で、いろいろな祭事が執り行われる。それに伴い多くの礼拝者が訪れる。
- 神鋼(しんこう)
- 火の輝石と生命の輝石とを炉に用いて鍛えられた、特殊な金属全般を指す。輝石の量と質、職人の腕、またその製造方法から純度は大きく変化する。そのため、最高級品と粗悪品の差は大きい。他の輝石を加工の際に組み込むことによってごく稀に特殊な性質を付与することができる。二種類の輝石を使うため、必然的にウィータ神殿及びタートムにおいて最も流通している。なお、神殿騎士は神鋼製の武具を就任と共に支給され退任と共に返還している。
- 神殿騎士団(しんでんきしだん)
- ウィータ神殿から各神殿を守護する目的で派遣される軍隊で、それぞれの神殿の監視もまた行う。
- 名無し(ななし)
- 信教監査院に所属する特殊な間諜。ウィータ神殿のために働く。
- 守人(もりびと)
- フォルナム神殿が用いる間諜。
- 錬金術師(アルケミスト)
- 錬金術は最先端の学問であると同時に、失われた知識の探求でもある。過去には弾圧された時期もあった。大陸の西方を占めるラトロアは、錬金術を奨励、保護する国である。その知識を利することによってラトロアは大きく発展した。
- 死の神霊(アービタ・スピリット)
- 漆黒の球体。二千年ほど前にウィータ神殿の地下から持ち出され、現在はラトロアに存在する。御柱と同等の技術によって作られたと思われ、腕輪を所持したものが触れると何らかの作用を起こす。かつて五十対の腕輪を吐き出したことがあり、そのことから腕輪の力を「死の神霊」と呼ぶ場合もある。
- 北方民族(ほっぽうみんぞく)
- セブラズ山地の北部、アンゼ高原に住む民族。玄鳥を飼いならし自由に操ることができ、玄鳥は彼らにとって家族のような存在。タートム王国と対立しており、フォルナム神殿と繋がりが強く守人として協力をする。長老を中心とした合議制が取られ、他国の戦いに介入せず常に自衛のみに徹する。その祖先に迫害されていた少数民族と大昔の日系人である来訪者を持ち、身体能力に優れるものが多い。また、名前に日本語的な要素が強いという特徴がある。
- 玄鳥(げんちょう)
- 広くソリダーテ大陸に分布する鳥の一種、体全体は黒く知能は高い。セブラズ山地の奥に生息する種は最大でその大きさもアルセイフに生息するものとはかなり異なり、人が乗れるほどのものもある。
- シャジール
- その外見は蛇に酷似しており、さながら手足のある大蛇であり指も3本とヒトと異なる。寿命はヒトよりずっと長い。主に中央のウィータ神殿周辺に住み暮らしている。
- 来訪者(ビジター)
- 御柱を通って、リセリナのいた世界からやってくる人たちのこと。独特の技術や知識を持っている場合が多く、その存在は公にはされていない。こちらの世界からリセリナのいた世界には未だ行けたことがない。
- エリニュエス計画(エリニュエスけいかく)
- バークライト大佐が進めていた計画。詳細は不明。
- スキュラ
- クラウスが玄鳥に対抗するために作らせた武器。49本の矢を一斉に発射する。
- 屍の兵(しかばねのへい)
- ラトロアにある御柱から生成される屍の薬を用いることによって作られる意思なき兵。
- 反乱軍
- レージクとクラウスによるダスティア政務卿やウィスタルの逮捕に異議を唱え、強引に即位したレージクに反抗する軍。ラシアン外務卿やフェリオ、政務卿の長男アゴールが中心となる。
- サンクレット交易(サンクレットこうえき)
- クラウス・サンクレットが立ち上げた交易会社。はじめは蜂蜜などを扱っていたが、サンクレット家という信頼力から取引き範囲を吸収、拡大した。アルセイフで最大級の交易会社となる。
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