秘密 (小説)

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秘密
著者 東野圭吾
発行日 1998年9月10日
発行元 文藝春秋
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 415
コード ISBN 4-16-711006-7(文庫本)
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秘密』(ひみつ)は、東野圭吾小説である。文藝春秋より1998年9月に刊行された。

1999年滝田洋二郎監督、広末涼子[1]小林薫主演によって映画化されている。

また、リュック・ベッソン制作、ヴァンサン・ペレーズ監督、デイヴィッド・ドゥカヴニー主演によるリメイク作『秘密 THE SECRET』(原題:Si j'étais toiThe Secret)が2007年にアメリカ・フランスにて公開された。日本は未公開。

2010年10月期には、志田未来主演によってテレビドラマ化もされた。

長らく大きなヒットに恵まれていなかった(ともに仕事をした編集者の結婚披露宴における東野自身のコメント「キャリアは二十年だが、十四年間売れなかった」[2])東野圭吾が、ブレイクすることとなった出世作である。第120回直木賞、第20回吉川英治文学新人賞、第52回日本推理作家協会賞(長編部門)にそれぞれノミネートされ、最終的には推協賞を受賞し、「無冠の帝王」などと呼ばれることもあった東野にとって、乱歩賞以来、つまり、デビュー以来のタイトル獲得となった。

キャッチコピーは『運命は、愛する人を二度奪っていく

あらすじ[編集]

杉田平介は自動車部品メーカーで働く39歳。妻・直子と11歳の娘・藻奈美との3人で暮らしていた。

1985年冬、直子の実家に行くために、直子と藻奈美の2人が乗ったスキーバスが崖から転落してしまう。直子と藻奈美は病院に運ばれたものの、直子は死亡してしまい、藻奈美は一時は回復不能といわれたにもかかわらず、奇跡的に助かる。しかしそれは、仮死状態になった娘・藻奈美の身体に、死んでしまった妻・直子の魂が宿っていたのだった。藻奈美の身体に宿った直子に、平介は戸惑いながらも周囲には決してバレないように生活する。

やがて月日はたち、娘の身体に宿った妻との生活に、次第に心のずれが生じてくる。そして直子は、医学部を目指して進学校とされる高校を受験し、見事合格する。奇妙な二人の生活が限界を迎えたある日、長らく消えていた藻奈美の意識が再びあらわれるのだった。

登場人物[編集]

杉田平介
主人公。自動車部品メーカーの生産工場に勤務するエンジニア。物語の設定当時がバブル景気に向かう時期であったため、多忙な日々を過ごしていた。直子との奇妙な生活にも徐々に慣れてくる一方で、肉体が藻奈美であることからそれまで直子としていたことができなくなったり、また、彼女の新しい恋に苦悩する。
杉田直子
平介の妻。転落事故によって死去するが、魂が娘の藻奈美に移ったことで藻奈美として転生する。小説中は直子の魂が宿った藻奈美を「直子」と表現している。藻奈美が生きられなかった分と自分の新しい人生が始まったことをきっかけに勉学に励み、医学部に進む。新たな青春の日々を過ごすがそのことで夫である平介の嫉妬を買い関係がぎくしゃくする。
杉田藻奈美
平介、直子の子供。直子が身を呈して守ったおかげで外傷はほとんどなく肉体は奇跡的に助かった。植物状態となった身体に直子の魂が宿る。
橋本多恵子[3]
藻奈美の小学校時代の担任教師。魂が直子に変わったことを当然知らない。
藤崎和郎
スキーバス事故の被害者の会のメンバーとして平介と知り合う。彼は娘二人を亡くしていた。
梶川幸広
スキーバス事故を起こし死去したバスの運転手。仕事熱心な性格。超過勤務をしていたことが事故の原因に。
根岸文也
幸広の息子。事故当時大学生。幸広を自らを捨てたとして憎んでいる。
相馬春樹
藻奈美(彼女に宿った直子)の高校時代の先輩。テニス部に所属し、彼女にアプローチをする。彼の行動により、平介がナーバスになり直子との間にいさかいが生じる。

ほか

この作品ができるまで[編集]

東野は、この作品を短編『さよなら「お父さん」』として書いたが、出来が気に入らずに長編として書き直した。没になった短編を見た担当編集者が、これはこれで面白いのではないかという意見を出した[4]ため、短編集『あの頃の誰か』に収録したという経緯がある。また、もともとは「笑える小説」として書いたつもりが、結果として「泣ける話になった」「笑いのスイッチを連打していると、関係ないスイッチがオンになってしまった」と『毒笑小説』文庫版巻末における京極夏彦との対談で語っている[5]

映画[編集]

秘密
監督 滝田洋二郎
脚本 斉藤ひろし
製作 児玉守弘
田上節郎
進藤淳一
製作総指揮 間瀬泰宏
出演者 広末涼子
小林薫
岸本加世子
石田ゆり子
音楽 宇崎竜童
主題歌 竹内まりや「天使のため息」
撮影 栢野直樹
編集 冨田功
配給 東宝
公開 日本の旗 1999年9月25日
上映時間 119分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 3億円
興行収入 4億円(配給収入
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1999年9月25日東宝系にて公開。原作とやや設定が異なり、藻奈美が高校生の時から物語が始まる。

原作者の東野も大学教員役で1シーンのみ出演している。

製作費3億円、宣伝費1.5億円、配給収入は4億円[6]

受賞[編集]

個人賞

作品賞

  • 第7回 フランス・ジュネーブ国際テレビ映画祭 グランプリ
  • 第2回 イタリア・ウーディネ極東映画祭 最優秀作品賞


キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

テレビドラマ[編集]

秘密
ジャンル テレビドラマ
放送時間 金曜日23:15 - 24:15(60分)
放送期間 2010年10月15日 - 12月10日(9回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
演出 唐木希浩(5年D組)
高橋伸之(テレビ朝日) ほか
原作 東野圭吾
脚本 吉田紀子
プロデューサー 横地郁英(テレビ朝日)
中川慎子(テレビ朝日)
太田雅晴(5年D組)
出演者 志田未来
佐々木蔵之介
石田ひかり
音声 ステレオ放送
字幕 文字多重放送
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2010年10月15日より、テレビ朝日系列『金曜ナイトドラマ』枠で放送された。同枠で東野の作品がドラマ化されるのは『名探偵の掟』以来2作目である。主演の志田未来は、『ハンマーセッション!』(TBS系)に続き、2期連続の連続ドラマ主演で、テレビ朝日のドラマ初主演作品となる。キャッチコピーは「秘密が、愛を、濃密にする。」。

舞台は原作・映画とも異なり、2007年夏・藻奈美が16歳の時から始まる。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 脚本:吉田紀子
  • 演出:唐木希浩(5年D組)、高橋伸之(テレビ朝日)、日暮謙(5年D組)
  • 演出補 : 伊藤彰記
  • 音楽:溝口肇
  • ゼネラルプロデューサー: 横地郁英(テレビ朝日)
  • プロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、太田雅晴(5年D組)
  • 企画協力:文藝春秋
  • 制作協力:5年D組
  • 制作:テレビ朝日

主題歌[編集]

サブタイトル[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 2010年10月15日 東野圭吾!! 伝説のベストセラー
心は38歳、体は16歳の妻
唐木希浩 10.1%
第2話 2010年10月22日 東野圭吾原作〜今夜16才の妻を抱く!! 8.8%
第3話 2010年10月29日 東野圭吾原作〜16才の妻、同窓会へ!! 高橋伸之 8.8%
第4話 2010年11月05日 東野圭吾原作〜私の記憶が消える日!! 8.8%
第5話 2010年11月12日 東野圭吾原作〜妊娠!! 唐木希浩 9.7%
第6話 2010年11月19日 東野圭吾原作〜許されない恋の始まり 日暮謙 7.9%
第7話 2010年11月26日 東野圭吾原作〜妻の恋人 唐木希浩 7.7%
第8話 2010年12月03日 最終章〜妻との永遠の別れ… 高橋伸之 9.5%
最終話 2010年12月10日 運命は妻を二度奪う…そして驚愕最終回!! 唐木希浩 11.2%
平均視聴率 9.1% (視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

脚注[編集]

  1. ^ 広末は文庫版の解説も担当している。文春文庫 『秘密』 文藝春秋 ISBN 978-4167110062
  2. ^ 奥田英朗 「解説」(集英社文庫 『黒笑小説』 集英社 ISBN 978-4087462845
  3. ^ 東野自身の長編小説 『時生』に、この人物の名がストーリーの展開とは無関係の部分で登場するという「お遊び」がある。
  4. ^ 「あとがき」(光文社文庫 『あの頃の誰か』 光文社 ISBN 978-4334748975
  5. ^ 「守れ、笑いの牙城。めざせ、「お笑い」ルネッサンス!」(集英社文庫 『毒笑小説』 集英社 ISBN 978-4087470130
  6. ^ 大高宏雄 「広末涼子とアイドル映画」『日本映画逆転のシナリオWAVE出版2000年4月24日、173頁。ISBN 978-4872900736

外部リンク[編集]

テレビ朝日 金曜ナイトドラマ
前番組 番組名 次番組
熱海の捜査官
(2010.7.30 - 2010.9.17)
秘密
(2010.10.15 - 2010.12.10)
バーテンダー
(2011.2.4 - 2011.4.1)