神戸新交通2000型電車

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神戸新交通2000型電車
2000型(1次車)
2000型(1次車)
編成 6両編成17本(102両)
営業最高速度 ATC信号速度70 km/h
設計最高速度 80 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度 3.5 km/h/s(常用最大)
4.5 km/h/s(非常)
編成定員 300人
車両定員 先頭車48人
中間車51人
全長 8,400 mm
全幅 2,492 mm
全高 3,270 mm
車体材質 ステンレス鋼
編成質量 63.0t
車両質量 10.5t
電気方式 三相交流600V(鋼体複線式)
主電動機 かご形三相誘導電動機110kw×6=660kw
制御装置 VVVFインバータ制御IGBT素子
台車 前後進切替装置なし車輪ボギー台車
制動方式 回生ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(14段)
保安装置 ATC高周波連続誘導式2重系
製造メーカー 川崎重工業車両カンパニー
備考 (2次車)

神戸新交通2000型電車(こうべしんこうつう2000がたでんしゃ)は、神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)で運行されている新交通システム車両である。

概要[編集]

2006年平成18年)2月2日にポートライナーが神戸空港まで延伸開業した際に営業運転を開始した。2000型の形式称号は、2000年代の新型車両であることに由来する。 1981年昭和56年)の開業当初から同線で運行されている8000型と同様に、車両の製造元である川崎重工業車両カンパニーが開発していたKCV (Kawasaki Computer Control Vehicle) をベースにしたため、浮沈式転轍器に対応した案内輪を車両の両サイドに設置している。このタイプに対応している新交通システムの車両は、2000型と8000型のみである。8000型と同じく折り畳みはしご付きの非常用貫通扉を前面中央に配置し、側面中央に空気式ベルト駆動方式の開口幅1,400mmの両開き乗降扉を1つずつ配置している。制御方式には神戸新交通として初めてVVVFインバータ制御三菱電機製・IGBT素子・1C2M制御)が採用され、コンバータ装置とVVVFインバータ装置を1つのユニットにまとめた主変換装置(CI装置)により、加速時には、電車線から主変換装置を介して主電動機に電流を流すが、減速時には、必要なブレーキ力を演算して主電動機から主変換装置を介して電車線に電流を返す回生ブレーキを併用する。また、ATOによる自動運転では加速・減速ともに28段階のノッチ指令を出すことができる。普段は自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)で自動運転を行っている。このほか0.2秒ごとに運転状況を24時間記録する列車情報管理装置(KNT Train Information Management System)を搭載している。導入費用は1編成(6両)あたり6億円である[1]

8000型が老朽化していることから、2008年(平成20年)度以降は同型の置き換え用として2次車が製造された。

構造[編集]

車体[編集]

外装はステンレス鋼製で裾絞り形状の幅広車体。車体前面はブラックフェイス仕上げで3次曲線を用いたラウンドした先進的なデザイン、車体側面は無塗装にコーポレートカラーであり環境のやさしさと神戸の山並みをイメージした緑色と、海・空(空港)をイメージした2本の青色のライン、窓部分に薄い灰色の幅広帯を巻いている(第1編成(編成番号13)は乙種輸送時までは黒色系であった。また、川崎重工に展示しているポートライナーの模型でも黒色系である。)。8000型では非常用貫通扉横に配されていたロゴマークは、この車両にはない。上部端に換気口があるが、これは室内に冷房装置2基が全車両に収められている為その室外機である。

側窓は、運転席横の窓ガラスを除いて1枚の緑色の大型窓ガラスとなり、窓の開閉はできない固定窓となった。運転席横の窓ガラスのみ横2枚構造で、先頭側が横に開くようになっている(普段は鍵がかかっており開かない)。前面の窓ガラスは緑色の大型曲面ガラスを使用し、車体に合わせて流線形となっている。

車輪は前後両側案内操舵式の車輪ボギー方式を採用、8000型で採用されたウレタン充填ゴムタイヤから、乗り心地を重視して六甲アイランド線(六甲ライナー)用の1000型で採用された中子式チューブレス窒素ガス入りゴムタイヤに変更された。案内輪はウレタン充填ゴムタイヤになっている。また、集電装置は中間2車両を除いた4車両の先頭側の台車にあり、三相交流の為それぞれ3つついている。

ブレーキは、電気指令式の多段中継弁方式(14段)を採用。保安ブレーキ、駐車ブレーキ付きの空・油変換式ディスクブレーキも全車両搭載している。空気圧縮機は往復型単動2段圧縮を先頭車両のみ装備。駆動装置は全車両搭載だが、制御装置はM1・M3・M4、蓄電池はM2、ATOATCはM3、列車検知装置・列車無線装置・非常発報装置はM4の車両に搭載されている。ATOには定位置停止装置(TASC)が搭載されている。

車内[編集]

機器類の小型化によって8000型より車内空間が広がり、プラットホーム床面と車両乗降口の段差を最大でも50mmから20mmまで縮小されている。アイボリーの内壁、グレーのパターンの柄がある床が採用。荷物棚とフリーストップ型のブラインドや、スーツケース等を持った方の為に扉付近にフリースペースも設置されている。8000型と同じく乗降ドアの天井につり革代わりのパイプが設置されているが、形状が異なる。

座席はすべてクロスシートの2+1列で配置され、一人当たりの幅を 440 mm としている。配色は背もたれには神戸市の花である「あじさい」、座面には神戸市の木である「さざんか」の色をイメージした紫色系表地となっている。すべての手摺りにクッション材が巻かれているなど、安全対策も施されている。座席の取っ手や肘掛けはすべてヤマニシ製である。

交通バリアフリー法に基づいて製造されているため、落成当初から車椅子スペースを全車両ドア横に設置されており、インターホン型に変更された通話装置と非常停止ボタンを車椅子スペースに設置。また、全乗降扉上には3色LED式のフリーパターン車内案内表示装置が設置され、日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応、片側ずつ別の案内を表示させることも可能。扉開閉時には、その両隣の開閉予告灯が点灯しドアブザーが鳴動するようになっている(ドアブザーは六甲ライナーの1000型と同じタイプ。また、編成や車両によって多少音色が異なっている。)。自動放送は現在、日本語と英語の放送が行われている。

先頭車両には運転席があり、普段は無人運転を行う路線で走行する車両なので乗務員室等は無く、誰でも運転席に座ることができる。ただし運転台は鍵がかかっており開けることはできない。運転台は車両情報管理装置(TIS)が2つ、右側にワンハンドルマスコン、左側に操作ボタン類、その他の場所に連絡用無線機や車内放送用のマイク等が配置されている。

編成[編集]

編成番号13,14,15は1次車。

形式 2100型(Mc1) 2200型(M1) 2300型(M2) 2400型(M3) 2500型(M4) 2600型(Mc2)
編成
番号
1 2101 2201 2301 2401 2501 2601
2 2102 2202 2302 2402 2502 2602
3 2103 2203 2303 2403 2503 2603
4 2104 2204 2304 2404 2504 2604
5 2105 2205 2305 2405 2505 2605
6 2106 2206 2306 2406 2506 2606
7 2107 2207 2307 2407 2507 2607
8 2108 2208 2308 2408 2508 2608
9 2109 2209 2309 2409 2509 2609
10 2110 2210 2310 2410 2510 2610
11 2111 2211 2311 2411 2511 2611
12 2112 2212 2312 2412 2512 2612
13 2113 2213 2313 2413 2513 2613
14 2114 2214 2314 2414 2514 2614
15 2115 2215 2315 2415 2515 2615
16 2116 2216 2316 2416 2516 2616
17 2117 2217 2317 2417 2517 2617

1次車(2113F-2115F)[編集]

2006年の神戸空港延伸に伴う車両増を目的に製造されたグループ。下2桁の車両番号は当時在籍していた8000型の続番の為、第13編成から第15編成の3本。座席は2人掛けにボックスシートが採用されている。優先座席は一般の座席と同じモケットで、上部に優先座席と表記されたカバーがかけられている。このカバーは当初は座席と似た色であったが、現在は黄色に変更されている。また、当初補助席にはラッシュ時は使用出来ない事を示すプレートが無かったがのちに取り付けられ、補助席に金属の形があったがこちらものちに無くなっている。

2次車(2101F-2112F,2116F,2117F)[編集]

8000型の老朽取替えを目的に、2008年より製造されたグループ。第1編成から第12編成と第16・第17編成の14本が該当する。8000型は12本在籍していたが、神戸空港のアクセスになることやポートアイランド内での相次ぐ大学の開校などで旅客需要が増加しているために8000型よりも多く製造されている。

1次車との変更点は、外観は前照灯が角型から丸型HIDランプに、後部標識灯(尾灯)も丸型LEDに変更。屋根にはビードが付けられた。 内装は1次車から大きく変更されており、乗降扉床面が注意喚起を促す黄色へと変更。座席はボックスシートから扉方向に向く固定クロスシートに変更され(先頭車は先頭向き)、バケットシートになり、背もたれに角度がつくほか、2人掛け座席の頭部シートが分割されたりという配慮も増えている。固定クロスシート化による座席位置変更により窓ガラスのブラインドの分割位置も変更されている。また、シートの上部分には透明のカバーがかけられており、背面裏側ポケットに広告が入るようになったほか、利用者の少ない2人がけ座席上部の荷物だなを廃止しそこを広告スペースにするなど、広告スペースの拡大も行われている。優先座席のモケットは薄いオレンジ色に変更され、優先座席の存在が明確となったり、握り棒の形状が変更されているなど安全面での配慮も行われた。

また、消火器を収納する箱が突出していないこと、運転席の仕切りが鉄棒からベルトになったこと、運転台はモニタの内容が左右逆になりボタンの配置が若干変更されたことなどがあげられる。

画像[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ “初代ポートライナー「8000系」秋引退 無人運転28年”. NIKKEI NET (日本経済新聞). (2009年6月25日). オリジナル2009年6月30日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20090630014714/http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20090625c6b2503625.html 2013年8月29日閲覧。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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