社会保険労務士
| 社会保険労務士 | |
|---|---|
| 英名 | Labor and Social Security Attorney |
| 実施国 | |
| 資格種類 | 国家試験 - 厚生労働省 |
| 分野 | 法律 |
| 等級・称号 | 社会保険労務士 |
| 根拠法令 | 社会保険労務士法 |
| 公式サイト | http://www.shakaihokenroumushi.jp/ |
社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)とは、労働関連法令や社会保障法令に基づく申請書・届出書・報告書・審査請求書・異議申立書等の書類作成代行等を行い、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う事を職業とする為の資格。そしてそれを職業とする者。加えて、特定社会保険労務士としての付記を前提として、労働紛争に伴う裁判外紛争解決手続制度の代理業務を行う者。
時に略称として「社労士」や「労務士」とも呼ばれる。ラテン文字で社会保険(Syakaihoken)労務士(Roumushi)の各頭文字を取って「SR」とも置き換えられる。社会保険労務士の徽章は、菊の花弁の中央にSRの文字が付されている。(素材は、純銀の台座に純金貼りが施されており、中央SR部はプラチナ製)
目次 |
[編集] 業務
- 概要
- 労働及び社会保険に関する諸法令に基づき行政機関(主に労働基準監督署、公共職業安定所、年金事務所)に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、その他の書類を作成し、その提出に関する手続を代行すること
- 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、異議申立て、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張若しくは陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理すること
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律6条1項の紛争調整委員会における同法5条1項のあっせんの手続及び男女雇用機会均等法18条1項及びパートタイム労働法22条1項の調停の手続について、紛争の当事者を代理すること
- 地方自治法180条の2の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律1条に規定する個別労働関係紛争(労働関係調整法第6条に規定する労働争議に当たる紛争及び特定独立行政法人等の労働関係に関する法律26条1項に規定する紛争並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を除く。)をいう。)に関するあっせんの手続について、紛争の当事者を代理すること
- 特定社会保険労務士としての付記を前提として、個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が民事訴訟法368条1項に定める額を超える場合には、弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限る)に関する民間紛争解決手続(ADR法2条1号に規定する民間紛争解決手続をいう。)であつて、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を代理すること
- 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く)を作成すること
- 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること
- 詳細
- 企業からの依頼による、従業員に対する上記概要範囲における事務処理
- 個人からの依頼による、上記概要範囲における事務処理
- 行政協力という名目での下記 厚生労働省管轄下の公的機関での相談業務
- 業務形態
社会保険労務士の業務は、主として企業との顧問契約にある。企業の人事・労務諸問題に関する相談、社会保険・労働保険諸手続きの事務代理・提出代行、給与計算などが主軸となる。又、ファイナンシャル・プランナー資格やDCプランナー、DCアドバイザー資格を併せ持ち、年金・資産運用に関するコンサルタント業を主とする実務家や税理士、中小企業診断士、行政書士といった他士業資格を保有した上で多角的な活動を行う実務家もいる。最近では、労働トラブルの増加に伴い「個別労働紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、当事者を代理して具体的な解決策を提案するなど労使双方の諍いの解決に尽力する社会保険労務士(裁判外紛争解決手続制度の代理業務を行う場合は、特定社会保険労務士としての付記が必要)も増えている。
社会保険労務士の報酬は、規制緩和の一環として他士業者と共に自由化され、社会保険労務士の事務所ごとに異なる。
- 備考
1980年8月末日の時点で行政書士であった者は、社会保険労務士の独占業務に関わる書類の作成を行うことが認められるが、提出代行(行政機関への提出を代理すること)及び事務代理(書面の内容を自らの判断で修正すること)は認められておらず、使者(行政契約の場合は代理もあり)として提出できるのみでに留まる。又、特定社会保険労務士に認められる裁判外紛争解決手続業務に伴うあっせん代理も認められていない。税理士の行う付随業務(租税債務の確定に必要な社会保険労務士事務)についても、提出代行、事務代理並びあっせん代理は認められていない。 尚、アウトソーシング等を行う法人組織、経営コンサルティング会社等の社会保険労務士無資格者や、労務管理士などと称する社会保険労務士でない者が社会保険労務士業務を行えば、社会保険労務士法違反となる。又、有資格者社員の社会保険労務士開業登録をもって上記職務を行うアウトソーシング会社も見受けられるが、実態として指揮命令関係等が存在する場合は、「非社労士との提携」として、当該社労士は社会保険労務士法違反となる。
国家資格者である社会保険労務士は、社会保険労務士証票、都道府県社会保険労務士会会員証及び徽章など身分を証明するものを所持している。
[編集] 勤務社会保険労務士
社会保険労務士は、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することで、多企業からの依頼に応え、人事・労務管理の専門家として、従業員の採用から退職に至るまでの労働・社会保険に関する諸問題を処理し、更には個人的な年金等の相談に業として応じることができる。但し、これは開業登録を行った開業社会保険労務士に限ったことであり、一般企業に属する社会保険労務士資格保有者は、別途 勤務等登録を行うことで、勤務社会保険労務士として、所属する企業内を限定として人事・労務管理に従事することとなる。また、勤務社会保険労務士が、特定社会保険労務士として付記を受けた場合も、所属する企業に関連した裁判外紛争解決手続業務を行うに留まる。
尚、勤務士業登録が正式に資格として認められているのは、士業の中でも社会保険労務士だけであり、資格としての存在意義が企業経営と密接に関係していることの裏付けであるとも言うことができる。
開業社会保険労務士は、主に多くの中小企業、零細企業を対象として多角的に人事・労務管理業務を行う一方で、勤務社会保険労務士は、大企業の管理部門に所属し、企業内での人事・労務管理に専業従事する者が多い。
[編集] 社会保険労務士試験
- 社会保険労務士となる者
上記該当者は、全国社会保険労務士会連合会へ登録(実際には都道府県社会保険労務士会への入会手続きによって行われる)を経て、社会保険労務士と名乗ることが認められる。
- 試験
毎年8月の第4日曜日に実施。
試験の管轄は、かつて国であったが、現在は全国社会保険労務士会連合会が管轄して、社会保険労務士試験センターが試験事務を行っている。受験者数は、昨今の経済不況や資格の認知度の向上等により増加の一途を辿っている。それに加え、銀行業務検定協会が毎年3月の第1日曜日に行う「年金アドバイザー試験(2級、3級、4級が存在。1級は存在せず。)」を社会保険労務士試験の予行演習的試験として位置づけ、当試験を経て社会保険労務士試験に挑む受験者も増加している。
- 受験資格
- 大学卒業者、又は大学において62単位以上を修得済みの者
- 短期大学、高等専門学校を卒業した者
- 修業年限が2年以上、かつ総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者
- 行政書士や司法書士などの定められた資格を有する者
- 労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の常勤役員または従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
- 厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
など
- 平成22年度試験より、厚生労働大臣が受験資格を認める学校・他の国家資格が拡大された。そのため、司法書士や看護学校卒業者等にも受験資格がある。詳細は外部リンクを参照。
- 試験科目
- 労働法令
- 労働基準法及び労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(労働保険徴収法) - 択一式試験のみの出題(労働者災害補償保険法と雇用保険法それぞれの設問10問のうちの3問を占める)。
- その他法令
- 労務管理その他の労働に関する一般常識 (選択式試験のみ)
- 社会保険に関する一般常識 (選択式試験のみ)
- 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 (択一式試験のみ)
- 尚、「労働及び社会保険に関する一般常識」においては、以下の法令内容が問われる。
- 試験方法
完全マークシート方式、毎年8月第4日曜日
- 午前:選択式、設問が8題(1設問につき5問=合計40か所の穴埋め 合計40点)、制限時間80分(1時間20分)
- 原則、各設問のうち3問以上正解し、かつ総得点が28点以上でなければならない。以前の記述式に代わり2000年から実施されている。この方式は受験者の実力はもとより、読解力等の国語力、直感力、そして何よりも「運」と「駆け引き」の要素が非常に大きく関わってくる試験形態の為、年度によって正解率に大きな差が出るのが特徴である。各設問ともに5問中3問以上得点できない場合は足切りとなり、どんなに総合得点(選択式+択一式)が高い場合であっても足切りとなった時点で即不合格となる。但し、平均点が著しく低い場合は「2点救済」(稀に「1点救済」)といった設問別に基準点の条件緩和措置(救済措置)が採られ、合格に必要とされるボーダーが変動することも多々ある。故に選択式試験の1得点に対するウェイトは非常に重く、又 その出来栄えが午後の択一式試験へも少なからず精神的に影響を及ぼすことにも繋がる為、毎年 大多数の受験者を苦しめることになる。
- 午後:五肢択一式10問が7つ=70問(1問1点合計70点)、制限時間210分(3時間30分)
- 原則、各設問につき4問以上正解しなければならない。ここ数年間の合格基準点は2008年は48点以上、2009年は44点以上、2010年は48点以上である(このことから、いかなる状況下においても確実に合格に至る最低点は50点程度ということが分かる)。長文形態の設問を長時間に渡って解いていかなければいけない為、かなりの集中力を要する。直感力や運に大きく左右されることの多い選択式試験に比べ、こちらは法令と実務、そして一般素養知識に対する確固たる知識力と読解力とを問う試験となっている。各科目において選択式試験同様足切りがあるが、受験者の得点率により前出の条件緩和措置(救済措置)が採られることが稀にある。
[編集] 社会保険労務士としての登録
試験合格者は登録に際し、2年以上の実務経験を要する。社会保険労務士として登録しなければ社会保険労務士又はこれに類似する名称を用いる事はできない。(社会保険労務士法26条) 2年以上の実務経験を有する者は、「労働社会保険諸法令関係事務従事期間証明書」に事業主等の証明を受け、全国社会保険労務士会連合会に提出することにより社会保険労務士登録を受けることができる。但し、2年以上の実務経験がない者は、連合会実施による4ヶ月間の通信教育(途中、原則として3回のレポート課題を提出)と試験後1年前後を経て開催される(東京・愛知・大阪・福岡のいずれかに出席)連続4日間の面接講習(講義形式の座学)を受講する事により、2年間の実務経験に代えることができ、それを経ての登録となる。尚、社会保険労務士試験合格は終身有効である。
- 今後の社会保険労務士試験
2008年3月25日閣議決定の規制改革推進のための3ヶ年計画で、本試験の受験資格の見直し (2008年以降検討・結論) が行われることとなった。必要に応じ試験問題や試験制度全体の改革を念頭に置きつつ、受験資格の見直しについて速やかに検討を行い、結論を出すこととなっている。主な検討内容として、試験科目に日本国憲法、民法、民事訴訟法の3法の追加,2000年より続いている選択式を廃止し、記述式の復活による合格者の精査を強化する方向性も模索されているが、2010年時点では依然として明確な結論は出されていない。しかしその一方で、2009年の選択式試験では「労務管理その他の労働に関する一般常識」科目において、日本国憲法第28条(勤労者の団結権)からの出題があったり、2010年度選択式・択一式両試験における「労働基準法」部分では労働判例を中心とした出題がなされたり(判例に多用されている「公序に反する」を出題)と、少しずつではあるが、前述の検討内容通りの方向へシフトしつつあると言える。
| 回 | 年 | 試験日 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 昭和44年 | 11月9日 | 23,705人 | 18,611人 | 2,045人 | 11.0% |
| 第2回 | 昭和45年 | 8月1日 | 12,709人 | 8,144人 | 1,027人 | 12.6% |
| 第3回 | 昭和46年 | 8月6日 | 13,699人 | 8,641人 | 1,015人 | 11.7% |
| 第4回 | 昭和47年 | 8月2日 | 13,097人 | 8,530人 | 1,081人 | 12.7% |
| 第5回 | 昭和48年 | 8月2日 | 12,089人 | 7,486人 | 842人 | 11.2% |
| 第6回 | 昭和49年 | 8月2日 | 13,440人 | 8,297人 | 961人 | 11.6% |
| 第7回 | 昭和50年 | 8月2日 | 14,866人 | 9,143人 | 1,328人 | 14.5% |
| 第8回 | 昭和51年 | 8月3日 | 13,956人 | 8,973人 | 1,012人 | 11.3% |
| 第9回 | 昭和52年 | 8月2日 | 14,092人 | 8,810人 | 1,235人 | 14.0% |
| 第10回 | 昭和53年 | 8月1日 | 14,515人 | 9,251人 | 1,189人 | 12.9% |
| 第11回 | 昭和54年 | 8月2日 | 14,708人 | 9,348人 | 1,012人 | 10.8% |
| 第12回 | 昭和55年 | 7月31日 | 14,074人 | 9,406人 | 888人 | 9.4% |
| 第13回 | 昭和56年 | 7月28日 | 13,923人 | 9,692人 | 1,380人 | 14.2% |
| 第14回 | 昭和57年 | 7月27日 | 13,918人 | 9,818人 | 1,040人 | 10.6% |
| 第15回 | 昭和58年 | 7月26日 | 13,302人 | 9,309人 | 1,354人 | 14.4% |
| 第16回 | 昭和59年 | 7月24日 | 13,581人 | 9,646人 | 992人 | 10.3% |
| 第17回 | 昭和60年 | 7月30日 | 13,580人 | 9,450人 | 1,078人 | 11.4% |
| 第18回 | 昭和61年 | 7月29日 | 13,391人 | 9,474人 | 875人 | 9.2% |
| 第19回 | 昭和62年 | 7月28日 | 13,157人 | 9,173人 | 1,022人 | 11.1% |
| 第20回 | 昭和63年 | 7月26日 | 13,232人 | 9,354人 | 870人 | 9.3% |
| 第21回 | 平成元年 | 7月25日 | 14,081人 | 9,918人 | 1,237人 | 12.5% |
| 第22回 | 平成2年 | 7月31日 | 15,758人 | 11,063人 | 1,176人 | 10.6% |
| 第23回 | 平成3年 | 7月30日 | 18,760人 | 13,490人 | 1,298人 | 9.6% |
| 第24回 | 平成4年 | 7月28日 | 21,587人 | 15,984人 | 1,567人 | 9.8% |
| 第25回 | 平成5年 | 7月27日 | 25,672人 | 19,088人 | 1,867人 | 9.8% |
| 第26回 | 平成6年 | 7月26日 | 29,817人 | 22,693人 | 1,532人 | 6.8% |
| 第27回 | 平成7年 | 7月25日 | 31,989人 | 24,430人 | 1,754人 | 7.2% |
| 第28回 | 平成8年 | 7月30日 | 34,687人 | 26,513人 | 1,941人 | 7.3% |
| 第29回 | 平成9年 | 7月29日 | 35,978人 | 28,124人 | 1,991人 | 7.1% |
| 第30回 | 平成10年 | 7月28日 | 39,415人 | 30,816人 | 2,327人 | 7.6% |
| 第31回 | 平成11年 | 7月27日 | 45,455人 | 35,894人 | 2,827人 | 7.9% |
| 第32回 | 平成12年 | 8月27日 | 50,689人 | 40,703人 | 3,483人 | 8.6% |
| 第33回 | 平成13年 | 8月26日 | 54,203人 | 43,301人 | 3,774人 | 8.7% |
| 第34回 | 平成14年 | 8月25日 | 58,322人 | 46,713人 | 4,337人 | 9.3% |
| 第35回 | 平成15年 | 8月24日 | 64,122人 | 51,689人 | 4,770人 | 9.2% |
| 第36回 | 平成16年 | 8月22日 | 65,215人 | 51,493人 | 4,850人 | 9.4% |
| 第37回 | 平成17年 | 8月28日 | 61,251人 | 48,120人 | 4,286人 | 8.9% |
| 第38回 | 平成18年 | 8月27日 | 59,839人 | 46,016人 | 3,925人 | 8.5% |
| 第39回 | 平成19年 | 8月26日 | 58,542人 | 45,221人 | 4,801人 | 10.6% |
| 第40回 | 平成20年 | 8月24日 | 61,910人 | 47,568人 | 3,574人 | 7.5% |
| 第41回 | 平成21年 | 8月23日 | 67,745人 | 52,983人 | 4,019人 | 7.6% |
| 第42回 | 平成22年 | 8月22日 | 70,648人 | 55,445人 | 4,790人 | 8.6% |
| 第43回 | 平成23年 | 8月28日 | 67,662人 | 53,392人 | 3,855人 | 7.2% |
[編集] 歴史・沿革
戦後、いわゆる労働三法が制定され、労働者の権利が法的権利となる。さらに経済成長と相まって、急速に労使間の対立やストライキが頻発する。また、特に1960年代における日本経済の急激な成長により、税収や企業からの社会保険料が増加し、厚生年金・健康保険・労災保険・雇用保険も発展する。しかし、補償額の高度化・制度の複雑化を伴い、煩雑な社会保険の仕組みと申請・給付に係る事務手続きにより中小企業等では対応が困難となる。
これらに対応する専門家の必要性から、人事・労務・総務部門の業務を行う職業が発生した。当初、これらの請負業務を合法的に行いうる有資格者は行政書士であったが、狭義総務を除く人事・労務分野のより専門的な知識を持った人材が必要とされた。そこで1968年、社会保険労務士法が議員立法により制定された。制度発足時の経過措置として、行政書士が試験なく特認として社会保険労務士資格を取得し、およそ9,000名が社会保険労務士となる。
2007年4月の司法制度改革で、裁判外紛争解決手続制度の代理権が認められる。尚、当業務を行う場合は、厚生労働省指定の特別研修を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格した上で、特定社会保険労務士の付記を受ける必要がある。
2009年のリクルートの調査では取りたい資格の10位、ニーズが高まりそうな仕事の9位である。
- 1968年 - 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)制定
- 1986年 - 書類作成基礎事項表示権・他人作成書類審査権付与
- 1998年 - 審査請求代理権付与(審査請求の代理人は旧来より社労士でなくても資格は不要で、誰でも出来る。)
- 2000年 - 社会保険労務士試験事務を連合会へ委嘱
- 2003年 - 社会保険労務士法人発足、ADRあっせん代理権付与
- 2007年 - 裁判外紛争解決手続制度の代理権付与、特定社会保険労務士制度発足
[編集] 諸形態
社会保険労務士は、各人の状況に応じて下記の通り3つの区分に区分けされ、それに応じた登録を行う。 個人で事務所を開く「開業社会保険労務士(開業登録)」(社会保険労務士法人所属者を含む)。企業や団体に属し総務人事などの部署において、当該企業内に限定された社会保険労務士としての仕事を行う「勤務社会保険労務士(勤務登録)」。企業に所属しているものの営業、経理、専門職等 社会保険労務士業務と直接関わらない職種に従事している者や専業主婦、何れの企業・団体にも所属しないフリーランスを対象とした「その他社会保険労務士(その他登録)」。尚、全国社会保険労務士会連合会においては、「勤務」と「その他」を合わせて「勤務等」という表記方法を用いている。
主務官庁は厚生労働省で、もともと旧厚生省と旧労働省の共管とされていた。
業務を組織的に行うため、社会保険労務士が共同し、社会保険労務士法人を設立できる。社会保険労務士法人は、その多くの規定を商法の合名会社を見本とし、社員(出資者である無限責任社員のこと)たる社会保険労務士それぞれが、無限責任を負う形態であり、個人で別に社会保険労務士の事務所を登録できない。社員が1人になった場合、6か月以内に2人以上とならないときは、法人を解散する。
社会保険労務士法により、社会保険労務士、または、社会保険労務士法人でないものは、この名称及び類似する名称を用いることを禁じられている。社会保険労務士法人は、その名称中に社会保険労務士法人、という文字を入れなければならない。しかし、個人事務所には、名称に関する規定がないため、社会保険労務士事務所、社労士事務所、労務管理事務所、経営相談所、オフィス、事務所、コンサルティングなど多彩である。