社会福祉士国家試験

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社会福祉士国家試験(しゃかいふくししこっかしけん)とは、厚生労働省の外郭団体、財団法人社会福祉振興・試験センターが毎年1月下旬に実施する国家試験をいう。社会福祉士として必要な知識及び技能について行う国家試験である[1]

社会福祉士はソーシャルワーカーの国家資格である。福祉に関わる資格は国家資格(社会福祉士・介護福祉士精神保健福祉士(以下、三福祉士))、公的(任用)資格(社会福祉主事任用資格児童指導員任用資格介護支援専門員など)、検定資格(福祉住環境コーディネーターなど)がある。

社会福祉士とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう(社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項)。

医療系国家資格では医師が最高資格であるのと等しく、福祉系国家資格では社会福祉士が最高資格である。

類義名資格の社会福祉主事任用資格は資格区分としては任用資格であり、国家資格ではない。社会福祉主事任用資格は指定された科目の3科目以上の履修で取得できるが、社会福祉士は一定の科目を履修した後に得られる国家試験受験資格を得て、国家試験を受験して合格した者のみ与えられる資格である。

目次

[編集] 概要

社会福祉士国家試験は、社会福祉士及び介護福祉士法第10条第1項の規定により指定試験機関として指定された財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する。社会福祉士試験に合格した者は、「社会福祉士となる資格を有する者」となり[2]、厚生労働省に備える社会福祉士登録簿への登録を受けた者が社会福祉士となる。

当資格は医師、弁護士のような業務独占ではなく名称独占資格のために無資格者でも医療ソーシャルワーカーを業とすることができ、また医療保険算定上においても職員の人員規定がなかったので、資格取得者を雇用しても雇用者側が一方的に人件費を費やすのみになり、『非生産部門』と位置づけられて地位も低かったが、昨今では医療保険点数の改訂にて後期高齢者退院調整加算等が創設され、保険加算のための人員配置基準となり、また地域包括支援センターにおいても職員の(主任)介護支援専門員保健師と並んで人員配置基準になっており、資格者を求める傾向または無資格者には資格取得を求める傾向が出てきた。 この国家試験受験するためには一定の条件を満たさなければ受験資格が得られない。

[編集] 試験科目

  1. 人体の構造と機能及び疾病
  2. 心理学理論と心理的支援
  3. 社会理論と社会システム
  4. 現代社会と福祉
  5. 社会調査の基礎
  6. 相談援助の基盤と専門職
  7. 相談援助の理論と方法
  8. 地域福祉の理論と方法
  9. 福祉行財政と福祉計画
  10. 福祉サービスの組織と経営
  11. 社会保障
  12. 高齢者に対する支援と介護保険制度
  13. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  14. 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
  15. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  16. 保健医療サービス
  17. 就労支援サービス
  18. 権利擁護と成年後見制度
  19. 更生保護制度

19科目であり[3]、指定科目(厚生省告示第200号)[4]と基礎科目(厚生省告示第201号)[5]とに大別される[6]

[編集] 指定科目

  1. 人体の構造と機能及び疾病、心理学理論と心理的支援、社会理論と社会システムのうち1科目
  2. 現代社会と福祉
  3. 社会調査の基礎
  4. 相談援助の基盤と専門職
  5. 相談援助の理論と方法
  6. 地域福祉の理論と方法
  7. 福祉行財政と福祉計画
  8. 福祉サービスの組織と経営
  9. 社会保障
  10. 高齢者に対する支援と介護保険制度
  11. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  12. 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
  13. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  14. 保健医療サービス
  15. 就労支援サービス、権利擁護と成年後見制度、更生保護制度のうち一科目)
  16. 相談援助演習
  17. 相談援助実習指導
  18. 相談援助実習

平成20年の法改正により指定科目は上記のように変更となり、平成21年の試験から変更後の科目に基づき試験が実施される(社会福祉に関する科目を定める省令 平成20年3月24日文部科学省・厚生労働省令第3号)。

[編集] 旧試験科目(平成20年度まで)

  1. 社会福祉原論
  2. 老人福祉論
  3. 障害者福祉論
  4. 児童福祉論
  5. 社会保障論
  6. 公的扶助論
  7. 地域福祉論
  8. 社会福祉援助技術論
  9. 心理学
  10. 社会学
  11. 法学
  12. 医学一般
  13. 介護概論

[編集] 旧指定科目(平成20年度まで)

  1. 社会福祉原論
  2. 老人福祉論
  3. 障害者福祉論
  4. 児童福祉論
  5. 社会保障論
  6. 公的扶助論
  7. 地域福祉論
  8. 社会福祉援助技術論
  9. 社会福祉援助技術演習
  10. 社会福祉援助技術現場実習
  11. 社会福祉援助技術現場実習指導
  12. 心理学
  13. 社会学
  14. 法学
  15. 医学一般
  16. 介護概論

[編集] 出題基準

平成14年7月5日、試験委員が試験問題を作成するために用いる基準として、法第13条[7]の規定により財団法人社会福祉振興・試験センターが定め、第15回試験から適用されている規定を次に挙げる。

  • 『社会福祉士及び介護福祉士試験事務規程』(昭和63年4月1日規程第1号)
  • 『社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士国家試験出題基準・合格基準』(同規程細則第1号)[8]
  • 『社会福祉士国家試験出題基準・合格基準』(同細則第1号別紙Ⅰ)[9][10]
  • 『試験科目別出題基準』(同別紙Ⅰ別添)[11]

その後バリアフリー新法の施行及び世界保健機関(WHO)の「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(ICD-10)(2003年版)準拠の適用等に伴い、基準の一部改正が平成19年7月19日に施行されている[12]

[編集] 科目免除制度

一部の科目は、精神保健福祉士と共通することから、社会福祉士・精神保健福祉士養成校や社会福祉・精神保健福祉系大学で指定科目を履修するなど、受験要件を同時に満たすことができれば精神保健福祉士と同時受験が可能である。精神保健福祉士である者については、精神保健福祉士登録証の写しを提出して申請することにより上記試験科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、心理学、社会学、法学及び医学一般の試験が免除される。

[編集] 社会福祉士専門科目(5科目)

  1. 老人福祉論(10問)
  2. 障害者福祉論(10問)
  3. 児童福祉論(10問)
  4. 社会福祉援助技術(30問)
  5. 介護概論(10問)

[編集] 精神保健福祉士との共通科目(8科目)

  1. 社会福祉原論(10問)
  2. 社会保障論(10問)
  3. 公的扶助論(10問)
  4. 地域福祉論(10問)
  5. 心理学(10問)
  6. 社会学(10問)
  7. 法学(10問)
  8. 医学一般(10問)

[編集] 合格基準

試験には一定の合格基準が設定されている。国家試験は年1回で1月に行われ、合格率は概ね30%前後である。試験はマークシート式で行われる。

次の2つの条件を満たした者が合格者とされる。[13]

  1. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
  2. 前項を満たした者のうち、以下の18科目(社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の免除を受けた受験者にあっては8科目)すべてにおいて得点があった者であること。

①人体の構造と機能及び疾病 ②心理学理論と心理的支援 ③社会理論と社会システム ④現代社会と福祉 ⑤地域福祉の理論と方法 ⑥福祉行財政と福祉計画 ⑦社会保障 ⑧低所得者に対する支援と生活保護制度 ⑨保健医療サービス ⑩権利擁護と成年後見制度 ⑪社会調査の基礎 ⑫相談援助の基盤と専門職 ⑬相談援助の理論と方法 ⑭福祉サービスの組織と経営 ⑮高齢者に対する支援と介護保険制度 ⑯障害者に対する支援と障害者自立支援制度 ⑰児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 ⑱就労支援サービス、更生保護制度

配点は、1問1点の150点満点である。ただし、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、配点は、1問1点の74点満点である。 http://www.sssc.or.jp/kijun/s_kijun2.html 社会福祉士国家試験合格基準]財団法人 社会福祉振興・試験センター

[編集] 受験資格

社会福祉士試験は、社会福祉士及び介護福祉士法第7条2項の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。

  1. 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目(以下この条において「指定科目」)を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者
  2. 学校教育法に基づく大学において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する基礎科目(以下この条において「基礎科目」)を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校、厚生労働大臣の指定した職業能力開発促進法第15条の6第1項各号に掲げる施設若しくは同法第27条第1項に規定する職業能力開発総合大学校(以下「職業能力開発校等」という。)又は厚生労働大臣の指定した養成施設(以下「社会福祉士短期養成施設等」という。)において6月以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  3. 学校教育法に基づく大学を卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校、厚生労働大臣の指定した職業能力開発校等又は厚生労働大臣の指定した養成施設(以下「社会福祉士一般養成施設等」という。)において1年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  4. 学校教育法に基づく短期大学(修業年限が3年であるものに限る。)において指定科目を修めて卒業した者(夜間において授業を行う学科又は通信による教育を行う学科を卒業した者を除く。)その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、厚生労働省令で定める施設(以下この条において「指定施設」という。)において1年以上相談援助の業務に従事したもの
  5. 学校教育法に基づく短期大学(修業年限が3年であるものに限る。)において基礎科目を修めて卒業した者(夜間において授業を行う学科又は通信による教育を行う学科を卒業した者を除く。)その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、指定施設において1年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士短期養成施設等において6月以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  6. 学校教育法に基づく短期大学(修業年限が3年であるものに限る。)を卒業した者(夜間において授業を行う学科又は通信による教育を行う学科を卒業した者を除く。)その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、指定施設において1年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等において1年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  7. 学校教育法に基づく短期大学において指定科目を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、指定施設において2年以上相談援助の業務に従事したもの
  8. 学校教育法に基づく短期大学において基礎科目を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、指定施設において2年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士短期養成施設等において6月以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  9. 学校教育法に基づく短期大学又は高等専門学校を卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であつて、指定施設において2年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等において1年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  10. 指定施設において4年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等において1年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得した者
  11. 児童福祉法に定める児童福祉司、身体障害者福祉法に定める身体障害者福祉司、社会福祉法に定める福祉に関する事務所に置かれる同法第15条第1項第1号に規定する所員、知的障害者福祉法に定める知的障害者福祉司並びに老人福祉法第6条及び第七条に規定する社会福祉主事であつた期間が5年以上ある者

[編集] 社会福祉士試験委員

指定試験機関は、試験事務を行う場合において、社会福祉士として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任した社会福祉士試験委員に行わせなければならない。選任・変更・解任したときは、厚生労働省令で定めるところによって、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない[14]

[編集] 試験施行期日等の公告

試験日、試験地等については、毎回官報に公告される。

試験は北海道青森県宮城県埼玉県東京都石川県愛知県大阪府広島県香川県福岡県鹿児島県沖縄県で行われる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 社会福祉士国家試験案内(厚生労働省社会・援護局)
  2. ^ 社会福祉士及び介護福祉士法第4条
  3. ^ 社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条(law.e-gov.go.jp)
  4. ^ 法第7条第1号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目,昭和62年12月厚生省告示第200号
  5. ^ 法第7条第2号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する基礎科目,昭和62年12月厚生省告示第201号
  6. ^ 指定科目と基礎科目財団法人社会福祉振興・試験センター
  7. ^ 法第13条(law.e-gov.go.jp)試験事務規程
  8. ^ 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士国家試験出題基準・合格基準財団法人社会福祉振興・試験センター
  9. ^ 社会福祉士国家試験 出題基準財団法人社会福祉振興・試験センター
  10. ^ 社会福祉士国家試験 合格基準財団法人社会福祉振興・試験センター]
  11. ^ 社会福祉士国家試験 試験科目別出題基準財団法人社会福祉振興・試験センター
  12. ^ 社会福祉士国家試験出題基準財団法人社会福祉振興・試験センター
  13. ^ 社会福祉士国家試験の施行(厚生労働省)
  14. ^ 社会福祉士及び介護福祉士法第14条(law.e-gov.go.jp)
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