硬性憲法

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硬性憲法(こうせいけんぽう)は、その改正にあたり通常の法律の立法手続よりも厳格な手続を必要とする成文憲法のこと。これに対し、通常の法律の立法手続によって改正できる成文憲法のことを軟性憲法(なんせいけんぽう)という。

日本国憲法アメリカ合衆国憲法など(主に成文憲法)は硬性憲法に分類される。一方でイギリスは軟性憲法であるほか、フランスドイツなどヨーロッパ諸国は硬性憲法でも実質的に軟性である。

概要[編集]

民主主義のもとにある国家においては、いわゆる時の権力者である政党などは、例えば立法を担う議会の決議要件を充足する勢力を有するなど法律を自らの意向に従って制定する権限を持つのが通常であり、一面では民主主義はそれを正当に要求するものである。ところが、法律によって規律されるレベルを超えた普遍的な価値、根元的な価値に関しては、法律に関する授権を超えた特別な決議要件を必要とするという考え方が硬性憲法という発想につながる。硬性憲法の長所は、時の権力者が(一般の法律はともかく)憲法をも自分に都合のいいように書き換えることにより権力を恣意的に行使し、国民の人権を侵害する危険性を低減できる点にある。しかし、改正しにくい結果、時代の変遷に迅速に対応できなくなってしまうという短所も存在する。

なお、硬性憲法か軟性憲法かの区別は、あくまでもそれぞれの国家における立法手続、法律の改正手続に比べて「形式的に」厳格な手続が要求されるか否かという点で区別されることに注意する必要がある。政治的理由などにより実際に改正されることがほとんどない場合であっても、通常の法律の改正手続で憲法改正できる場合は、軟性憲法に分類される。

関連項目[編集]