砂漠は生きている

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砂漠は生きている
The Living Desert
監督 ジェームズ・アルガー
脚本 ウィンストン・ヒブラー
ジェームズ・アルガー
テッド・シアーズ
製作 ウォルト・ディズニー
ナレーター ウィンストン・ヒブラー
撮影 N・ポール・ケンワージー・Jr
ロバート・H・クランドール
編集 ノーマン・パルマー
製作会社 ウォルト・ディズニー・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ブエナ・ビスタ・ディストリビューション
日本の旗 大映
公開 アメリカ合衆国の旗 1953年11月10日
日本の旗 1955年1月14日
上映時間 69分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
配給収入 2億9260万円[1] 日本の旗
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砂漠は生きている』(原題: The Living Desert)は、ウォルト・ディズニーによって1953年に製作されたドキュメンタリー映画。アメリカ合衆国南西部の砂漠に生きる動物たちの日常を記録した作品。脚本は、ジェームス・アルガー、ウィンストン・ヒブラー、ジャック・モフィット、テッド・シアーズ。ジェームス・アルガーが監督し、ウィンストン・ヒブラーがナレーターを務めた。

アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を獲得。2000年アメリカ議会図書館はこの映画が「文化的に重要である」と認定し、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。

声の出演[編集]

日本では、ヒブラーのナレーションを吹き替えた日本語吹替版が、以下の4種類制作されている。

評価[編集]

子供の頃から昆虫や小動物の生活を書いた本が大好きだったという三島由紀夫は、「アメリカ映画ノオト」の中でこの映画を好評している[3]

こいつは正真正銘の傑作だ。もつとも人間といふ厄介な代物が出て来なければ傑作を生み出すのは(技術的な労苦は別として)、さほど難中の難事ではなからうが。(中略)
この映画で、アメリカ西部の砂漠の「鳥獣劇画」に堪能した。私はどういふものか、山猫カンガルー栗鼠みたいなムクムクしたものが好きだ。あるひはチョロチョロしたものが。しかし、伊達者でもつとも感心したのは赤尾のすばらしい横顔と、翼をひろげた壮麗なポーズとである。これにはハリウッドのよほどの伊達者もちよつと敵ふまい。 — 三島由紀夫「アメリカ映画ノオト」[3]

日本での公開[編集]

学校での興行
  • 日本では、当時の文部省により、なかば強制的にすべての義務教育校で鑑賞が義務づけられた。そのためディズニーおよび、配給した大映は通常の映画館での興行では得られない莫大な利益を手にすることとなった。あまりにも露骨なやり方だったため他省庁から非難され、以後2社はこのような形の観客動員を行わなかった。
テレビ放送

脚注[編集]

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)121頁
  2. ^ 初回放送1980年1月3日19:30-20:55『ディズニースペシャル』
  3. ^ a b 三島由紀夫「アメリカ映画ノオト」(スクリーン 1954年12月号)。28巻 & 2003-03, pp. 399–403、和田誠編『モンローもいる暗い部屋(新潮社、1985年8月)所収
  4. ^ 毎日新聞毎日新聞社、1980年1月3日付ラジオ・テレビ欄。 

参考文献[編集]

  • 三島由紀夫『決定版 三島由紀夫全集28巻 評論3』新潮社、2003年3月。ISBN 978-4106425684 

外部リンク[編集]