砂の女

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砂の女

  1. 安部公房の小説、それをもとにした映画作品。本稿にて詳述。
  2. 鈴木茂のアルバム『BAND WAGON』収録曲。

砂の女』(すなのおんな)は、砂丘の穴の底にある一軒屋に閉じ込められた男と、その一軒屋に住む女とを描いた安部公房の長編小説。

1962年6月に新潮社から上梓され、英語チェコ語フィンランド語デンマーク語ロシア語等の二十数ヶ国語で翻訳された。1963年、第14回読売文学賞を受賞。1968年、フランスで最優秀外国文学賞を受賞。 本作は、1960年9月の同月号文學界に発表された短編小説『チチンデラ ヤパナ』を長編化したものである。1日、新潮社出版部の谷田昌平から、『チチンデラ ヤパナ』を発展させた「純文学書下ろし長編小説」(この時点ではタイトル未定)の執筆の依頼を受けた。

阿刀田高は「小説の一番の面白さは、謎が提示され、それが深まり、最終的にそれが解けてゆくことだが、この作品はその構造を持っている。砂がもう一つの主人公になっていて、砂は日ごとに変わり、独特の模様を描き、無機的である。生きているような様相を持っているし、何もないように見えながら、生命体を隠していたりして、非常に不思議な存在の砂に目をつけたいうところが、この小説の面白さじゃないかと思う。人間の自由とは何なのか?自分たちが接している日常とは何なのか?と、根本から問いかけるような側面があって、男と女の根源にも問いかけるようなことも持っている。これだけ小説の望ましい姿が詰め込まれている作品は、なかなか見当たらない。このぐらいの小説を生涯に一つ書けたら、死んでもいいぐらいに(同作品に)惚れている」と評している。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] あらすじ

主人公は砂漠に新種のハンミョウを採集しに向かうが、砂漠の中の村で寡婦が住む家に滞在するように勧められる。村の家は一軒一軒砂丘に掘られた蟻地獄の巣にも似た穴の底にあり、はしごでのみ地上と出入りできる。一夜明けるとはしごが村人によって取り外され、主人公は女とともに穴の下に閉じ込められ、同居を始める。

村の家々は常に砂を穴の外に運び出さない限り、砂に埋もれてしまうため人手を欲していた。村の内部では、村長が支配する社会主義に似た制度が採られている。主人公は砂を掻きだす作業をしながら、さまざまな方法で抵抗を試みるのだが……。

[編集] 映画化

砂の女
監督 勅使河原宏
脚本 安部公房
原作 安部公房
製作 市川喜一
大野忠
出演者 岡田英次
岸田今日子
音楽 武満徹
編集 守随房子
配給 東宝
公開 日本の旗1964年2月15日
(全国公開は1964年4月14日)
アメリカ合衆国の旗1964年10月25日
上映時間 147分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
allcinema
キネマ旬報
AllRovi
IMDb
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1964年に、安部公房自身による脚本で、勅使河原宏監督により映画化されている。同年のキネマ旬報ベストテン1位となり、第17回カンヌ国際映画祭において審査員特別賞等を受賞したほか、第37回アカデミー賞では外国語映画賞、翌年の第38回では監督賞にそれぞれノミネートされた。武満徹による音楽も評価が高い。

併映は岡本喜八作品『ああ爆弾』(主演:伊藤雄之助)。

[編集] キャスト

[編集] 書誌情報

  • 『砂の女』 新潮社、1962年。
  • 「砂の女」、『安部公房集』 新潮社〈新潮日本文学46〉、1970年2月。ISBN 4-10-620146-1
  • 「砂の女」、『安部公房全作品』6、新潮社、1972年1月。ISBN 4-10-640106-1
  • 『砂の女』 新潮社〈新潮文庫〉、1981年2月。ISBN 4-10-112115-X
    • 『砂の女』 新潮社〈新潮文庫〉、2003年3月、53刷改版。ISBN 4-10-112115-X
  • 「砂の女」、安部公房全集』第16巻、新潮社、1998年12月。ISBN 4-10-640136-3
  • 「砂の女」(抄)安部公房、『山形県文学全集』第1期(小説編) 第2巻、近江正人ほか編、郷土出版社、2004年11月。ISBN 4-87663-716-4

[編集] シナリオ

  • 「砂の女」安部公房、『年鑑代表シナリオ集』1964年版、シナリオ作家協会編、ダヴィッド社、1965年。

[編集] 参考文献

  • 「脱出と超克――『砂の女』論」」佐々木基一、「非現実小説の陥穽――安部公房『砂の女』をめぐって」三木卓『安部公房・大江健三郎』 日本文学研究資料刊行会編、有精堂出版〈日本文学研究資料叢書〉、1974年。
  • 無題「砂の女」推薦文、『三島由紀夫全集』30、佐伯彰一など編纂、新潮社、1975年。
  • 「『砂の女』論」西塚由美子『文学・社会へ地球へ』 西田勝退任・退職記念文集編集委員会編、三一書房、1996年9月。ISBN 4-380-96283-0

[編集] 外部リンク

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