砂かけ婆 (ゲゲゲの鬼太郎)
砂かけ婆(すなかけばばあ)は水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』(旧題:『墓場の鬼太郎』)の主人公・鬼太郎の仲間の妖怪のひとり。砂かけばばあ、砂かけばばぁ等と表記されている場合もある。
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[編集] キャスト
- アニメ
- 実写ドラマ
- 由利徹(月曜ドラマランド)[5]
- 奥村公延(妖怪奇伝ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム)[6]
- 武知豊子(河童の三平 妖怪大作戦(砂かけのおばば))[7]
[編集] 概要
瞳や顔に砂のような斑点のある和装の老婆の妖怪。鬼太郎の保護者的役割を務める。公式設定では大和国(奈良県)出身とされている。近畿地方の広範囲に出没し、京都地方の伝承では竹藪などに住み、通りかかる人に突如砂を投げつけて驚かすとされる。
砂をかける事とビンタが得意。戦闘以外では妖怪医術や占いも得手である。アニメ第2作19話『釜なり』では、髪の毛をアンテナのように伸ばし、目玉おやじのテレパシーを受信するという技も披露した。
短気であるが正義感が強く、他人を救うために自分を犠牲にすることがよくある。また妖怪アパートを経営しており、住処を失ったりした妖怪の面倒を見たりもする。ただし、家賃は余程の事情がない限り取り立てる。原作の週刊少年サンデー連載時には、鬼太郎親子を含むほとんどの仲間が住人だった。一時妖怪ブームに乗り、子泣き爺と一緒にテレビで妖怪漫才をやっていたという。
年齢はアニメ第3作によると2800歳(107話では1200歳[9])。神功皇后の三韓征伐にお供したこともあるという。
原作初登場は「妖怪大戦争」(貸本「地獄の散歩道」で名は出ているが姿は判別できない)、アニメ初登場は第1作・第7話「ゆうれい電車」(姿形が全く違うのでこれは別個体であろう)。原作とアニメ第1作での「妖怪大戦争」(第10・11話)では西洋妖怪との闘いで戦死(原作では魔女達に連行された後に遺体で見つかり死因不明、アニメ第1作では吸血鬼数体に殺された)したが、その後、第24話「白山坊」で何事もなかったように復活、準レギュラーとして活躍する。
正義側の妖怪ではあるが、人間に対して好意的な印象は持っておらず、2期で人間嫌いであることを公表している。2期の33話「悪魔ブエル」では、人間のことをボロクソ言う場面も。ただし、原作『鬼太郎の世界おばけ旅行』や実写映画版では人間の子供に優しい面も見せている。好物はコウモリの肝[10]、笹の葉[11]、タケノコ[11]。
遠い親戚として、中央アジアの砂妖怪エキセル(『鬼太郎の世界おばけ旅行』)やドイツの砂男(1980年代『最新版』)が登場しているが、2名とも鬼太郎と敵対する破目になっている(砂男の襲来時は砂かけ婆は不在)。
映画版はウエンツ瑛士と田中麗奈の出演を考慮し、原作・アニメより更に高齢になっている。
[編集] 妖術・技
[編集] 砂かけ
伝承からの得意技。 砂の出所はシリーズや場面によって地面、袂、手、髪、壺、袋など様々。設定上では爪の下に砂を噴出する管があるとされ、髪の毛も筒状の「砂まき機関銃」となっている[11]。当初は目潰し程度だったが、本作の展開に伴い後述の様な多彩な技を現していく。下記のほかにも、アニメ第5作や『妖怪千物語』では、様々な性質の砂(磨き砂、眠り砂、岩塩砂、吸水砂、火炎砂、発煙砂など)を調合している。
- たつまきおこし
- 砂をまきながら回転して真空状態を作り出し、竜巻を起こす。「妖怪大統領」で、老化作用のある玉手箱の煙を吹き飛ばした。この時は彼女自身も煙で老化していた為、使用後はエネルギーを使い果たして動けなくなってしまい、回復には1年間を要すると言われた。アニメ第1作第39話「妖怪軍団」では、自身は回転せずに砂撒きのみで砂竜巻を起こし、南方妖怪アカマタの吐く粘液を跳ね返し[9]、更に砂に鬼太郎の霊力を合せる事でアカマタを岩状に固めて倒した。
- アニメ第5作第33話でも一反木綿を振り回す事で、これらしき技を放っている。
- 防火砂(ぼうかずな)
- 胃から大量の砂を吐き出し火を消し止める。「蝋人形妖怪」で火達磨にされた鬼太郎を救った。
- 砂封じ(すなふうじ)
- 一度付いたら落ちないと言う妖怪砂を機関銃の様に吹き付ける。この砂を浴び続けると敵は石の様に固まり、最後には崩れ去って砂になってしまう。分離する相手の再結合を封じる事も可能。アニメ第3作で、中国妖怪チーの配下や八百八狸に使用。
- 砂太鼓(すなだいこ)
- 先祖伝来の秘宝。壺の様な形で、口を鼓の様に打つと強烈な砂嵐を起こす。莫大なエネルギーを消耗するのでめったに使用しない。原作「煙羅煙羅」での登場より前に「月曜ドラマランド」の実写版で使用されたのが初使用で、ビデオドラマ「魔笛エロイムエッサイム」、実写映画二作目でも使用されている。
- 大砂塵(だいさじん)
- アニメ第3作第107話で使った捨て身技。全身を砂の大竜巻と化す。煙羅煙羅を巻き込み、その煙状の体の粒子を吸い付け諸共にタール状になった。
- 砂袋(すなぶくろ)
- 「鬼太郎国盗り物語」で2つ使用。
- 第4話「おどろ砂」では鬼太郎親子に敗れたおどろ砂を封じ込める器にし、千年は破れないと言う。
- 第12話「ゴーストカー」では用事があって同行できない為、2つ目の袋を猫娘に持たせる。必要な時に念じながら口紐を解けば砂を放ち、ゴーストカーの呪気を晴らすのに使用。
- 砂結界(すなけっかい)[9]
- アニメ第4作第109話「雪山の怪異・のびあがり」で使用。砂を撒いて周囲を竜巻状の結界で包み込み、敵妖怪の接近を阻む。どんな妖怪もこの内部に入り込む事はできないとの事だが、津波や雪崩には効果が薄い。
[編集] 占い
- 妖怪玉(ようかいだま)
- アニメ第3作で使った、水晶玉の様な物。探す相手の妖気を辿り、居場所や現状を映し出す。
- 解毒の煙[9]
- 「白山坊」で使用。橋本花子の髪と爪をイモリの粉と共に囲炉裏で焚き、その煙を読み取ることで花子の父・正吉と白山坊との契約を探り当てた。
[編集] 妖怪医術
- 縫合
- 腹に穴を開けられたり、バラバラに裂けたりした妖怪の体を糸で縫い合わせて復元する。
- 妖怪エキス(ようかいエキス)[9]
- アニメ第3作第2話「鏡じじい」で使用。瓶入りの液体。鬼太郎が閉じ込められた鏡に対し、この液を口に含んで吐きかけ、鬼太郎を復活させた。
- 妖怪生命液(ようかいせいめいえき)[9]
- アニメ第3作第20話「半魚人の恋」で使用。壺入りの液体。真珠に変えられた鬼太郎を元の姿に戻した。
- 眠り草(ねむりぐさ)[9]
- アニメ第3作第22話「いじわる妖怪天邪鬼」で使用。眠り草にイモリの粉とカエルの血の粉を混ぜて煎じた茶を天邪鬼に飲ませ、眠らせた。
- 若返りマッサージ(わかがえりマッサージ)
- アニメ第3作第44話「あの世からの使者 死神」で使用。死神の力で老化してしまった鬼太郎を元に戻した。原作「死神」では山彦が使った。第46話「妖怪大統領こうもり猫」では自身も老化してしまったため、これを使うことはできなくなった。
[編集] その他の技・道具
- 妖怪接着剤(ようかいせっちゃくざい)[9]
- アニメ第3作第2話で使用。バラバラに砕けた鏡を元通りに修復した。
- 妖怪風船ガム[9]
- アニメ第3作第46話「妖怪大統領こうもり猫」で使用。これを膨らませた風船に人間を入れると、妖怪でない常人でもあの世へ行き来することができる。
- 封印の壺
- アニメ第4作では妖怪を封印する壺が頻繁に使われ、その殆どを砂かけが用意した。妖狐用、化け猫用など、妖怪の種類によって違う壺が使われる。
- 妖怪天眼鏡(ようかいてんがんきょう)
- アニメ第4作第27話「吸魔! 妖怪野づち」で使用。虫眼鏡状の道具で、野づちの体内の構造を見抜いた。
- おばばパラシュート
- 同じく「吸魔! 妖怪野づち」で使用した技。着物の両袖を広げ、パラシュートとして空から飛び降りる。
[編集] アニメにおける変遷
- 第1作・第2作
第1作では登場する話によって面相が大きく異なること(いわゆる作画崩壊)が多く、ひどいものになると目の周りの隈のような部分がつながって、狸の顔のようになっているものさえある。第1作ではまだ登場回数は少ないものの、砂に加えて医学や占いなどの術で仲間をサポートするといった、後の基本設定となるシーンがすでに見られる[9]。第2作では後にお馴染みとなる妖怪アパートの大家としての設定が登場[9]。
- 第3作
妖怪医術や占いなど、砂関連以外の術も多く使うようになった。また第107話では「生まれた時から婆で色恋は他人事(この話で子泣き爺に告白されるまで)」と発言した。鬼太郎の母親代わりという立場がより強調されている。本作より着物の帯が柄模様となる[9]。
- 第4作
若い時代に恋愛経験があったという設定に変わり、昔の恋人や若返りをタネに敵妖怪に惑わされる場面も多く見られた。ここでは目玉のおやじの500歳を超えているという台詞がある。妖怪アパートの住人に料理を振舞うなど、世話好きな一面も見られる[9]。厚化粧して女子高生になったり、芸者姿(ねずみ男と共に)になったりとお笑い要素も増えた。子泣き爺とはピンチになるとお互いをほめあうのがお約束。『妖怪大裁判』では、裁判の際 夜行さんに「鬼太郎の母親代わりみたいなもの」と評されたため、証人と認められなかったことがある。
- 第5作
今作でも妖怪横丁でアパート(妖怪長屋)を経営している。リフォームの夢があるようだが、住人の家賃滞納がひどく、なかなか実現しないようである。また、鬼太郎親子の世話役や戦闘時のパートナーは主に猫娘で、鬼太郎も他シリーズとは違い、60年以上生きている設定なので、昔は主に鬼太郎の面倒を見ていたようだが、現在では猫娘に鬼太郎の世話を任せているようだ。むしろ長屋住人にとっての母親役の要素が強く、その一人であるかわうそ曰く「口うるさいけどいないと困る、母ちゃんみたいな存在」。第4作以前に比べると出番は減っている。砂を調合する実益も兼ねて各地の砂を収集する趣味があり、長屋住人は家賃代わりに砂の採取を手伝わされる事も。薬を調合する技能も基本的には砂状の物に特化され、他の薬に関しては役割を井戸仙人や夜行さんに譲る形になっている。南国情緒に憧れ、「妖怪ポリネシアンセンター」なる施設を訪ねたがる発言を何度かしている。妖怪四十七士の奈良県代表。
[編集] 他作品でのキャラクター
『ゲゲゲの鬼太郎』とは別の水木しげるの短編作品『砂かけばばあ』にも砂かけ婆が登場する。本作では、醜い顔の青年から美男子になりたいという願いを聞き入れ、1年後に自分の婿になるという条件のもとに、秘薬を調合して彼を美男子に変えるが、彼が約束を破ったため、異様な顔に変えてしまう。外見は『鬼太郎』の砂かけ婆と同様だが、本作では砂をかける能力は披露していない[12]。
水木しげる原作のドラマ『河童の三平 妖怪大作戦』にも、砂かけのおばば(「砂かけのお婆」表記もあり、予告などごく稀に「砂かけ婆」と呼ばれる場合もある)として登場している。人間世界の妖怪の纏め役で、千里眼を持ち、妖怪世界の生き字引など、鬼太郎でのキャラクターとほとんど変わらないが、ほとんど戦闘に参加しない為、砂をかける能力を披露しておらず、蜘蛛の巣状の糸で相手を捕縛する能力をみせたことがある。
[編集] 脚注
- ^ ゲゲゲの鬼太郎(第2作) (東映アニメBBプレミアム内) 2008年5月11日閲覧
- ^ ゲゲゲの鬼太郎4 (東映アニメーション内) 2008年5月11日閲覧
- ^ ゲゲゲの鬼太郎 (同上) 2008年5月11日閲覧
- ^ ゲゲゲの鬼太郎3 (同上) 2008年5月11日閲覧
- ^ DVD『月曜ドラマランド ゲゲゲの鬼太郎』 東映ビデオ、2007年。
- ^ DVD『妖怪奇伝ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム』 東映ビデオ、2007年。
- ^ 『「悪魔くん」「河童の三平 妖怪大作戦」完全ファイル』青林堂 ISBN 4-7926-0364-1。
- ^ 映画「ゲゲゲの鬼太郎」公式サイト 「作品情報」→「キャラクター&キャスト」 2008年5月11日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m 田神健一・奥津圭介・中村亜津沙編 『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎 完全読本』 講談社、2006年、26-27頁。ISBN 4-062-13742-9。
- ^ 水木しげる 『電子書籍版 鬼太郎大全集 19 世界お化け旅行(2)』 水木プロダクション、31頁。
- ^ a b c 水木しげる 『水木しげる 鬼太郎大百科』 小学館、2004年、47頁。ISBN 4-092-20322-5。
- ^ 水木しげる 『妖怪たちの物語 妖怪ワンダーランド2』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2007年、211-218頁。ISBN 4-480-03062-X。
[編集] 関連項目
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