石塚公昭

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石塚 公昭(いしづか きみあき、1957年2月6日 - )は、日本の人形作家、写真家

プロフィール[編集]

  • 1957年 - 東京に生れる。
  • 1977年 - 東京クラフトデザイン研究所陶磁器科を卒業。
  • 1977~79年 - 岐阜県瑞浪市茨城県高萩市にて製陶業に従事。
  • 1980年 - 人形制作を開始。
  • 1982~84年 - 初めての個展『ブルースする人形展』を開催。
  • 1991年 - 廃れた写真の古典技法、オイルプリントの制作開始。
  • 1996年 - 人形の写真撮影を開始。
  • 1996年 - 作家・文士シリーズの制作開始。
  • 2005年 - 初めての作品集『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎刊)を出版。
  • 2007年 - 2作目の作品集『Object Glass 12』(風濤社刊)を出版。
  • 2007年~2009年 都営地下鉄のフリーペーパー中央公論Adagio(東京都交通局)の表紙を担当
  • タウン誌深川でエッセイ「明日できること今日はせず」を連載中

人形について[編集]

1980年に最初のシリーズである黒人ジャズブルースミュージシャンの人形制作を開始。ブラインド・レモン・ジェファーソンマイルス・デイヴィスロバート・ジョンソンリー・モーガンチャーリー・パーカートミー・ジョンソンジョン・コルトレーンカウント・ベイシーセロニアス・モンクウェス・モンゴメリーバド・パウエルなどを制作した。ミュージシャンではないが、マルコムXの人形も制作している。

1996年より第2シリーズである日本人作家の人形制作を開始。最初に制作したのは澁澤龍彦である。その後、永井荷風稲垣足穂寺山修司谷崎潤一郎泉鏡花村山槐多江戸川乱歩夢野久作中井英夫三島由紀夫と、幻想文学作家を中心に制作。江戸川乱歩に関しては2005年に『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎刊)という、乱歩作品を独自の世界感で再構築した写真集を出版した。

また第2シリーズを制作中に、ジャン・コクトーセルゲイ・ディアギレフヴァーツラフ・ニジンスキーを制作。この人形たちは、作家シリーズ後に始まる予定の、1920年代のヨーロッパで一世を風靡したバレエ・リュス・シリーズへとつながることになる。

写真について[編集]

石塚は、制作した人形を実景の中に置いたり、実際の人物を配して撮影している。それは単なる肖像写真ではない。殊に作家シリーズにおいては、作家が自身の作品世界の中に存在するという、ある種の“入れ子”的構造を有している。写真という媒体を通すことによって人形のリアルさは増すが、逆に現実には在り得ない世界が創造されるのである。また石塚は、オイルプリントという廃れた古典技法を復活させ、銀塩写真では出すことのできない風合いのプリントを制作している。

展覧会歴、その他[編集]

1982年 - 1984年
1985年
  • 『第1回人形達展』(招待出品) 銀座プランタン
  • 『東京ファッションウィーク』(ゲストコーナー) 池袋サンシャインシティ
  • 『ブルースする人形展』(オープニングイベント) 岡山ZAPギャラリー
1986年
  • 『アフターアワーズ展』 西武シード館WAVE
1987年
  • 『アフターアワーズ』 牧神画廊
1989年
  • 『アフターアワーズ』 渋谷西武B館
1990年
  • 『現代創作作家20人展』 銀座プランタン
  • 『石塚公昭人形展』 関内セルテ
1993年・1996年
  • 『石塚公昭人形と写真展』 BLUE NOTE TOKYO
1996年
  • 『ジャズ・ブルース人形と写真展』 SPACE YUI
1997年
  • 『夜の夢こそまこと展』 Gallery e'f
1998年
  • 『人形写真展』 Gallery 360°
1999年
2000年
2001年
  • 『コクトーナイト』 スイート・ベイジル
  • 『オイルプリント展』 ロイドギャラリー
2002年
  • 『石塚公昭写真展』 江東区東大島文化センター
  • 『石塚公昭個展』(コクトー、ニジンスキー、ディアギレフ) アートスペース美蕾樹
  • オイルプリントワークショップ(及び作品展示) 京都造形芸術大学
2003年
  • 『私の劇場 3』 ギャラリー北村
  • 『オイルプリント展』 Prinz
  • 『夢の続き展』(ランドマーク10周年記念) 横浜ランドマークプラザ
2004年
2005年
  • 『乱歩 夜の夢こそまこと 出版記念ライブ』 JZ・Brat
  • 『乱歩 夜の夢こそまこと展』 松坂屋名古屋本店
  • 『地下室の古書展』 東京古書会館
  • 『SETAGAYA 作家のいる風景』(写真作品常設展示) 世田谷文学館
2006
  • 『夜の夢こそまこと 石塚公昭展』 銀座青木画廊
  • 『文学サロン 乱歩 夜の夢こそまこと』(朗読ライブ) 世田谷文学館
  • 『眼展』 銀座青木画廊
  • 『人・形展』 丸善本店ギャラリー
  •  田村写真10周年展(アップルフィールドギャラリー)ジャズ・ブルースシリーズのプリント、江戸川乱歩プラチナプリント、ロバート・ジョンソン人形展示
2009
  • 大乱歩展(神奈川県立近代文学館)乱歩像および写真展示
2010
  • 『一角獣の変身』(青木画廊)三島由紀夫像及び写真作品
2011
  • 三島由紀夫オマージュ展「男の死」(ギャラリーオキュルス)
  • 2011人形展(プランタン銀座) 小津安二郎、マルコムXなどを出品
2014
  • 人生の岐路に立つあなたへ+石塚公昭写真展(世田谷文学館)
  • モダン藝術写真展 エドガー・アラン・ポーVS江戸川乱歩(Hasu no Hana)
2016
  • 『深川の人形作家 石塚公昭の世界』(江東区深川江戸資料館)  初の試みとして160〜230センチのプリントを30点出品した。
  • 『エドガー・アラン・ポーVS江戸川乱歩(オイルプリント) 』(大田区ギャラリーHasu No Hana)
2017
  • つげ義春氏公認つげ義春トリビュート展 「拝啓つげ義春様」(前期:9/30-10/15 青山ビリケンギャラリー)に「ゲンセンカン主人」をテーマにした作品を出品
2018
2019
  • 『我が肌に魚まつわれり』(文京区本郷 「金魚坂」)  創業350年の金魚問屋にて室生犀星『蜜のあはれ』の世界を表現。朗読イベントも。
2020
  • 没後50年・三島由紀夫へのオマージュ展 人形作家・写真家 石塚公昭「椿説 男の死」を、5月7日~6月7日の1か月にわたり、目黒のふげん社ギャラリーにて開催。

TV・CM・書籍表紙その他[編集]

1982年
1983年
1985年
1987年
1987年 - 1989年
  • 『ブルーノートJAZZヒストリー続・続々』 東芝EMI
1987年
  • 『ジャズ解体新書 後藤雅洋対談集』 JICC
  • 『パネテックス』(TVCF) 文化シヤッター
  • 『オーディオグラフィック』 NHK衛星
1988年
  • 『EGO』高橋幸宏(アルバムジャケット) 東芝EMI
1988年
1989年
  • 『シュガー・ブルー ジャパン・ツアー』(パンフレット) シュガー・ブルーに作品贈呈
1990年
  • BBキング ジャパン・ツアー』(ポスターその他) BBキングに作品贈呈
1997年
  • 『ドール・フォーラム・ジャパン』 ドール・フォーラム・ジャパン事務局

1997年 - 1998年

  • 1997年
1997年 - 2000年
1999年
2000年
2001年
  • 『突飛な芸人伝』吉川潮新潮社
  • 『21世紀ジャズ読本』定成寛著 ブックマン社
  • 『龍之介地獄変』小沢章友新潮社
  • 『ASAGAYA FRIENDS』(CDジャケット) 東京あど弁舎
  • 『JAPAN』「乱歩特集」 Hotei Publishing(オランダ)
2002年
2003年
2004年
  • 『修羅の夏』新庄節美著 東京創元社
  • 『月刊テラヤマ新聞』「人形作家・石塚公昭の偏愛的作品世界」 「月刊テラヤマ新聞」編集室
2005年
2006年
  • 『億萬長者夫人』(ポスター) (財)現代演劇協会
  • 知るを楽しむ』(寺山修司像) NHK教育
  • THE GOSPELIII(ヤマハ(株)大人の音楽推進西日本グループ)ポスター
2007年
  • 『Object Glass 12』石塚公昭著 (風濤社)
  • 中央公論adagio創刊号 『江戸川乱歩と浅草を行く』都営地下鉄101駅に設置 B全ポスター
  • 藝術新潮6月号 INVITATION 石塚公昭がつくって、撮った偏愛の12人
  • NHK ETV特集「ホワッツ テラヤマ~再考・団塊の青春」に寺山修司の人形を提供
  • あがた森魚 惑星漂流60周年展(ビリケンギャラリー)にイナガキ・タルホ写真作品出品
2010年
  • HARMONICA EXHIBITION(ロゴスギャラリー)にジャズ・ブルースシリーズを出展

2011年

伊集院静『作家の遊び方』(双葉社)

2013年
  • 『貝の穴に河童の居る事』泉鏡花・石塚公昭著(風濤社
  • 『笑う奴ほどよく眠る』(幻冬舎)吉本興業社長・大崎洋物語書籍表紙
  • 『偏愛記』亀山郁夫著(新潮文庫) ドストエフスキーを巡る旅 書籍表紙
  • 『イカリーマン2』射志一世(新潮社) 表紙

外部リンク[編集]