矢切

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矢切(やきり/やぎり)は、千葉県松戸市にある上矢切(かみやきり)、中矢切(なかやきり)、下矢切(しもやきり)の3地区の地区の全体である。これら3地区は松戸町に合併する前の各単位(上矢切村、中矢切村、下矢切村)である。

目次

[編集] 地名

公称地名等はいずれも「やり」と清音で読むが、駅名、バス停留所名は「やり」と濁音になる。後述の歌謡曲『矢切の渡し』も「やりのわたし」と読ませているため、濁音で発音されることが多くなった。

地名については、戦国時代に起きた第二次国府台合戦にて、里見方が矢が切れ負けたことから「やきれ」→「やきり」→「やぎり」となった説がある[1]。本土寺の過去帳に「妙心尼 文安四(1447年)丁卯三月ヤキレ」の記述ある。矢切神社の石塔に、元文五年(1740年)下矢喰村の記述がある[2]

江戸川の民営渡し舟である矢切の渡しがある。

[編集] 地理

矢切の畑作地帯

千葉県松戸市の南南西に位置する。西部は矢切斜面林を境に江戸川堤沿いに畑地や水田などの農地が広がり、江戸川が東京都葛飾区との境界を形成している。矢切斜面林より東側は主に住宅地となっている。地域を南北につらぬく千葉県道1号市川松戸線は交通量も多く、商店街を形成している。北は小山、南は栗山に隣接している。

[編集] 略史

  • 戦国時代には北条氏里見氏による国府台合戦の戦場となった場所であり、この付近から市川市国府台付近にかけては同合戦にちなむ伝説や史跡が多く伝わっている。
  • 1889年4月1日 - 東葛飾郡の上矢切村、中矢切村、下矢切村、小山村、栗山村、松戸駅(宿駅)が合併して松戸町(後の松戸市)となる。旧村単位は大字となる。

[編集] 矢切の渡し

矢切の渡し(2005年撮影)
江戸川堤の日本の音風景100選の碑(2007年撮影)

矢切の地名は、江戸川の渡し舟として有名な矢切の渡しの由来でもある。江戸川をはさむ矢切と東京都葛飾区柴又を結んでおり、現在も渡し舟が運行されている。渡船の料金は大人100、子供・自転車各50(2010年現在)。「房総の魅力500選」に選定されているほか、柴又帝釈天界隈とともに環境省の「日本の音風景100選」に選定されている。

この渡しは江戸時代初期に江戸幕府が地元民のために設けた利根川水系河川15ヶ所の渡し場のうちのひとつであり、観光用途に設けられたものではない。かつては官営だったが、その後民営となり、代々個人により運営されている。

この渡しが日本全国に有名になったのは、明治時代の伊藤左千夫の小説『野菊の墓』(1906年)によるところが大きい。現在、矢切にこの小説の文学碑が建立されている。 また、矢切の対岸柴又を舞台とする映画「男はつらいよ」シリーズの作中にも、しばしば登場する。

現在はほぼ観光用途のために存在するが、元が渡し舟だったため、渡し場に多少の土産物屋がある程度で、特に観光化されているわけではない。このため繁忙期や風の強い日などは、モーターで運行される。なお矢切側の公共交通機関がやや遠いため、多くの乗客は柴又側から乗船し、往復利用している。

  • 運行時間:10:00 - 16:00
  • 運行日:3月中旬から11月末日まで毎日、それ以外の期間は、土・日・祝日、帝釈天の縁日のみ運行 (荒天の場合は運休)
  • 料金:片道 中学生以上100円、子供50円

[編集] 歌謡曲

矢切の渡しは、昭和末期に作詞:石本美由起、作曲:船村徹の歌謡曲『矢切の渡し』の大ヒットによって再び脚光を浴びた。

1976年10月にちあきなおみのシングル『酒場川』のB面曲として収録された。のち、1982年10月21日に『矢切の渡し』をA面にしたちあき盤が発売された(B面は『別れの一本杉』)。1983年に細川たかし瀬川瑛子春日八郎 & 藤野とし恵島倉千代子 & 船村徹など、7種のシングルによる競作で発売された。なお、細川盤の発売にあたって細川の所属する日本コロムビアはちあき盤(1976年当時日本コロムビアに所属、1983年当時はビクターに移籍していた)を生産中止にしている。

シングルレコードとして最も売れたのは細川盤であったが、当時のUSENのチャートではちあき盤が首位を独走していた。

その他、美空ひばりもLPで同曲をカバーした。2007年には、中森明菜もカバーした(アルバム『艶華 -Enka-』に収録)。

[編集] 行事

  • 8月上旬には下矢切商和会主催による矢切ビールまつりが矢切駅前で開催されている。(1994年から)

[編集] 矢切ねぎ

矢切地区で作られるねぎは出荷量こそ少ないものの、太くて甘みがあり、「矢切ねぎ」として2008年、地域団体商標に登録された。

[編集] アクセス

[編集] 矢切地区への交通

鉄道
最寄り駅は北総線矢切駅。野菊の墓文学碑は徒歩10分以内。
松戸駅西口〜矢切駅〜国府台駅市川駅を結ぶ京成バス市川線は本数が多く、主に中矢切〜下矢切の住民によく利用される。
道路
国道6号(水戸街道)、国道298号東京外環自動車道、一部開通)、千葉県道1号市川松戸線(松戸街道)なお、東京外環自動車道の高速道路部分については、現在工事中であり矢切地区の北側に松戸インターチェンジの設置が予定されている。

[編集] 矢切の渡しへの交通

鉄道
方法1:JR常磐線新京成線松戸駅西口より京成バス矢切の渡し入口行きで終点下車、田園地帯・堤防を歩き凡そ20分。
方法2:JR常磐線、新京成線松戸駅西口より京成バス矢切駅経由市川駅行きで下矢切停留所下車の場合は、野菊の墓文学碑を経由する散策が可能。
方法3:北総鉄道北総線矢切駅から徒歩。
※「矢切の渡し」のみの場合(矢切界隈の散策をしない場合)は、矢切側は鉄道駅集落との間が離れている[1]ため、柴又側からの往復利用が無難である。
※細川たかしの「矢切の渡し」が大ヒットし、観光客がピークだった頃には、矢切神社と江戸川の渡し場までを結ぶ「矢切ふるさと馬車」が出ていた。

柴又側は京成金町線柴又駅より徒歩で10分。

[編集] 脚注

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  1. ^ 矢喰村庚申塚に書かれる由来”. 長さんのリタイヤ生活. 2009年10月7日閲覧。
  2. ^ 矢喰雑”. 2009年10月8日閲覧。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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