瞬間接着剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

瞬間接着剤(しゅんかんせっちゃくざい)とは、有機化合物であるシアノアクリレートcyanoacrylate)を主成分にした接着剤のこと。空気中などの水分に瞬間的に反応して硬化接着する。水状のものとゼリー状のものがある。ゼリー状のものはたれにくいので、垂直面での使用に向いている。

日本では、東亞合成製造、コニシ発売のアロンアルフアが、1980年代以来の、一般にあり得ないもの同士を接着するなどの印象的なテレビCM戦略により、広く一般に普及した。他社製品に、セメダイン製(ヘンケルHenkel)のロックタイトLoctite)ブランドで発売)、工業用では、アルテコ製などがある。

接着の仕組み[編集]

シアノアクリレートは一般にはモノマー状態であり、のような粘性の低い液体であるが、接着するものに付着しているほんのわずかな水分によってシアノアクリレートが瞬間的に重合を開始、シアノアクリレートがポリマーとなって一瞬で接着される。汎用の製品も金属用の製品も主成分はシアノアクリレート100%と記されているが、実際には1%に満たない各種成分が用途別に添加されており、これが用途別の特性を生み出している[1][2]

接着時に硬化促進剤(主成分はトルイジン)を使用することで通常よりも短時間で強力に接着することができる。

アセトンを用いて、接着部分をはがすことができる。

用途[編集]

  • 表面が平滑な金属、硬質プラスチックゴム同士の接着では、垂直方向に極めて強固な接着力を示す。ただし衝撃には弱いため、半永久的な目的の接着には向かない(耐衝撃性を高めた接着剤もあるが、硬化時間は10分を超えるものもある)。
  • 化石などの発掘の際、仮止めに用いられることもある。
  • 医療用接着剤として、手術等に用いられるほか、医療用の水絆創膏(みずばんそうこう)、液体絆創膏の代替としてあかぎれ・小きりきず・さかむけ・靴ずれ・ひび等の治療に使われることがある。処置後は(水に濡れても)滲みない、剥がれにくいことから一部の剣道愛好家、格闘家に熱烈なファンがいる。なお塗布時には一瞬滲みる。
  • 重曹粉末と組み合わせることにより、接着部の肉盛り補強や、隙間を埋めるような接着ができる。また、速乾性のキャスト剤として使用することができる(重曹に限らず、瞬間接着剤が使用できる物質の削りかすでも使用できるが、後述の化学繊維と同じように発熱する危険性があるので注意が必要である)。

注意点[編集]

  • 子供のイタズラや接着剤の液漏れなどで、同士を接着して取れなくなる事故がしばしば発生する。ぬるま湯の中で接着部を動かさずゆっくり揉みほぐすようにする。専用の剥離剤も市販されているが、有機溶剤を含むので取り扱いには注意が必要である。
  • 身体の危険な箇所に接着剤をつけてしまった場合には、無理に剥がさず病院で医療用の剥離剤による対処をしてもらったほうがよい。
  • 繊維、特に化学繊維に染み込むと激しく反応し、高温となるため注意が必要である。
  • 硬質プラスチックに使用すると、接着面の周囲が白くなる(白化)現象が起きることもある。強く擦ることで落とすことはできるが、周囲の仕上げに影響が出ることもあり、接着の際は加工の順序を考慮(接着後に仕上げ)する必要がある。
  • 保管中の劣化が早い。開封後は冷蔵庫で保存すれば劣化を抑えることができる。

脚注[編集]

[ヘルプ]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]