百万石 (麻雀)

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百万石(ひゃくまんごく)とは、麻雀におけるローカル役のひとつ。役満[1][2][注 1][3]。副露可[1]萬子清一色で、「○萬」の数字の合計が100以上になった場合に成立する[1][2][注 1]

概要[編集]

索子のみに適用される緑一色筒子のみに適用される大車輪が存在するため、それらとの格差を埋める意味で萬子のみの役満として日本で考案された経緯があるが[2][4]、知名度の割には実際に適用されることはあまりないローカルルールである[2]

「加賀百万石」とも呼ばれる[2]。類似した役に「紀州五十五万石」というのがある。

牌姿の例[編集]

(例)100以上が手の内で確定しているケース

二萬三萬六萬六萬六萬七萬七萬   牌背八萬八萬牌背   牌背九萬九萬牌背
待ちは一萬四萬。一萬であがれば合計106、四萬であがれば合計109、百万石が確定している。

(例)高目と安目があるケース

二萬二萬五萬六萬七萬九萬九萬   七萬七萬七萬   八萬八萬八萬八萬
待ちは二萬九萬。九萬であがれば合計102になるが、二萬では合計95、百万石にならない。

(例)ちょうど100になるケース

五萬五萬五萬六萬七萬九萬九萬   七萬七萬七萬   八萬八萬八萬
待ちは五萬八萬 九萬で、九萬であがればちょうど100になる。これは一例であり、ちょうど100になる牌姿は他にも多数ある[2]
100ちょうどでダブル役満とするローカルルールもあるようである。

(例)最大で130まで

五萬 五萬       六萬 六萬 六萬       七萬 七萬 七萬       八萬 八萬 八萬       九萬 九萬 九萬
数字の合計を多くしようとしても、理論上、四槓子四連刻が複合するこの形が合計130で限界である。
なお、五萬を雀頭にして六萬 七萬 八萬 九萬をすべて刻子にした牌姿(つまり上の牌姿の4つの槓子がすべて刻子だった場合の牌姿)は、合計がちょうど100になる。
百万石、四連刻を採用し、全てを暗槓とした場合四暗刻も複合して、字一色が複合しない形での4倍役満を達成できる。(4倍役満としてはローカル役満を用いない場合は字一色四暗刻が必須であり、大三元四喜和天和地和四槓子という組み合わせになる)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 天野大三、青山敬『新現代ルールによる図解麻雀入門』梧桐書院、1979年。 ISBN表記なし、0076-590868-2368。1970年代に制定・発表された傍流のルール体系を基調としたルールブック。p122およびp182に百万石の解説があるが、そこでは「萬子の清一色もしくは混一色で数の合計が100以上」と定義されており、清一色であることが百万石の条件になっているわけではない。牌姿例も清一色ではなく混一色の形が挙げられている。値段は三倍額満貫と規定されている(標準的なルールの三倍満に相当)。

出典[編集]

  1. ^ a b c バビロン(馬場裕一)『麻雀手役大事典』毎日コミュニケーションズ、2002年。ISBN 4839908672 p213。
  2. ^ a b c d e f 浅見了. “和了役(45)百万石”. 2011年8月30日閲覧。浅見了は「混一色でも100以上は可能だが」としつつ「萬子の清一色で合計が100以上になったもの」と定義を紹介している。また、百万石の考案者は天野大三であるという説がある、とも述べている。
  3. ^ ニンテンドーDSソフト『ガンダム麻雀DS』2005年発売、オプションで百万石ほか「レア役」が選択可能。百万石はシングル役満ではなくダブル役満として扱われている。
  4. ^ 天野大三、青山敬『新現代ルールによる図解麻雀入門』梧桐書院、1979年。 p180-183。新役を紹介する章の文中、「緑一色が索子限定の役満であるのに対し、萬子と筒子には緑一色に匹敵する役がなく、索子が偏重されている状況があることを念頭に、新現代ルールでは大車輪と百万石をともに新役として採用した」旨の記述がある(大意)。ただし、百万石という役をいつ誰が考案したのかという点にまでは言及がない。

関連項目[編集]