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漆器お椀に盛りつけた御飯

(めし、いい、はん、まんま)とは、イネ科、あるいはキビ亜科の穀物に、を加えて汁気が残らないように炊いた、あるいは蒸した食品である。また、食事の別名でもある。「召し上がる物」という意味である。丁寧語は「御飯」(ごはん)。幼児語は「まんま」。老人語は「まま」。現在では特にを炊いた食品を指す言葉となっている。下記も、主に米を炊いた飯について記述するものである。

目次

[編集] 概要

人は生米等のβデンプンをほとんど消化できず、食べてもうまみを感じないが、炊飯の加水と加熱により、消化が良いαデンプンに変化(α化)した飯にはうまみを感じるようになる。室温以下で保存すると、冷めて冷やご飯となるが、時間の経過と共にαデンプンがβデンプンに戻っていき(デンプンの劣化)、硬くなる。消化が悪くなり、味も劣化する。温め直せばα化する。焼いて作られた食パントーストすることに相当する。保温すれば「デンプンの劣化」は防げるが、質が劣化し臭くなる。酢飯は冷めても硬くなりにくい。電子レンジで加熱調理する無菌パック入りの製品も市販されている。(→包装米飯

[編集] 調理法

[編集] 方法

一般に、炊飯には三つの方法がある。炊干(たきぼし)と湯取(ゆとり)、そして蒸す方法である。

  • 炊干は、現代の日本で行われている一般的な炊飯である。
  • 湯取は、炊干よりも大量の水で米を煮て、頃合いを見てザルにあけ、再びに戻して蒸らす方法である。麺類茹でる方法を想起すればよい。米をゆでた湯は捨てられることはなく、蕎麦湯のように食後の飲料に用いられたり、他の料理に活用された。
  • 蒸す方法は、現代では主にもち米を炊いておこわとする場合に用いられる。平安時代以前においては、うるち米を炊く場合にも蒸すのが普通であった。

日本の場合、江戸時代までは炊干と湯取の二つの方法が併存していたが、次第に炊干法が優勢となり、湯取法は廃れてしまった。

飯の粘り気を嫌う国々では、湯取法が好まれる傾向が強い。またインディカ米は炊干では臭いが残るので、湯取にしたほうが美味しく炊ける。ただし現代の炊飯器では炊干法にならざるを得ないため、インディカ米が食べられる国でも炊飯器の普及とともに炊干が一般的になりつつある。

飯櫃に入れた御飯。木の香りが米に移って独特の美味になる。
象印製電気炊飯器

[編集] 洗米

日本では、白米を炊く場合、表面に付いているを、炊く前に水で洗い落とす(洗米)(昔から米を「とぐ」というが、現在は精米技術が向上しているため市販されている白米には糠がさほど残っておらず、力を入れて研ぐのは意味がないばかりか、米が割れて炊きあがりにムラができることがある)。食堂など大量の炊飯が必要となる厨房などでは洗米に専用の洗米機が用いられることもある。なお、洗わずに炊ける無洗米も市販されている。

[編集] 炊飯

現在、炊飯には主に電気炊飯器が用いられる。ガス炊飯器が用いられることもある。1950年代まではで炊くのが主流であった。一般ので炊くことも可能であるが、密閉性が低いと、温度が均一に高まらず、うまく炊きあげるのにはコツがいる。一人用でも炊きやすいように考えられた、炊飯専用の土鍋も売られている。アウトドアでは飯盒が用いられる。

高地では普通の炊飯器で炊くと水の沸点が下がるので、米粒に芯が残るようになり、標高約2500m以上で94℃以下では長く加熱しても飯にはならず、最終的にになる。圧力釜を使うか、アルファ化米を使う必要がある。一般の鍋を使うなどして、炊く際に温度むらが出て芯が残った場合、茶碗等に移して電子レンジで長めに再加熱すると解消できる。

玄米を炊くと、胚乳は膨らみ、糠層は膨らまないので破れる。糠層も消化良く炊くには、低地でも圧力釜が要る。普通の炊飯器で炊くと、トウモロコシの穀粒の皮と同様に糠層の消化が悪く、食感も悪くぼそぼそになる。圧力釜で炊けば、食感も良く炊ける。発芽玄米は普通の玄米より普通の炊飯器で炊くのに適しているため、玄米食増加に貢献しているが、やはり圧力釜で炊いた方が良い。玄米は白米より栄養豊富だが、発芽玄米は更に栄養豊富なうえ、普通の玄米より消化も味も良い。 炊く以外に、蒸籠蒸しをする方法がある。古代は(こしき)を使って蒸す方法も取られた。現在の日本では、うるち米は炊き、もち米は蒸すことが多い。赤飯は通常蒸して作る。ちまきは笹に巻いて蒸す。もち米を蒸して搗く(つく)とになる。

通常、炊かれた飯はしゃもじを用いて器に盛りつけられるが、型抜きされて器に盛りつけられることもある(物相飯という)。

[編集] 保存

炊いた後の飯については、ジャーの登場以前は飯櫃という容器に移し入れて保存されることが多かった。

[編集] 白米の炊飯例

  1. 分量 2人分1合半、3人分2合、4人分3合が目安。1とは180ミリリットルのこと。重量は約150グラム
  2. 洗米釜に水を入れ、攪拌(かくはん)すると、水が白く濁るので水を捨てる。繰り返して洗うほど、ぬか臭さ等がなくなる。日本では、水が澄むまで繰り返す人が多いが、そこまでぬかを嫌うなら、通常は無洗米の方が効率的である。
  3. 水加減 一般的に米の20%増しの分量といわれる。1合の場合水約200ミリリットル。30分ほど水に浸して水分を吸わせる。
  4. 炊飯 炊飯器で炊く場合はスイッチを入れるだけで良いことが多い。を使う場合は、最初は強火で炊き、蓋がコトコトしてきたら10分ほど弱火で炊く。最後にもう一度強火にし、すぐに火を止める。
  5. むらし 炊きあがってから10 - 15分ほど蒸らす。蒸らし足りないと米に芯が残るが、蒸らしすぎるとベチャベチャになってしまう。蒸らし終わったらよくかき混ぜる。
  6. 保存 炊飯ジャーの場合はそのままで保温されるが、1日後に食べるなら冷蔵庫に、2日以上後に食べるなら冷凍庫に入れて保存し、食べる時に電子レンジ等で加熱する。

[編集] 飯の種類

  • 米飯
冒頭の記述の通り、元来は米、麦、キビ亜科穀物全般を炊いたものを飯と呼ぶが、現在では米を炊いたものを指すのが一般的である。米であることを明確にする場合は、「米飯」(べいはん)、「飯米」(はんまい)や「米の飯」と言う。白米の米飯は白く、銀しゃりとも呼ばれる。日本国内で最も食べられている主食だが、割合は減少している。「美味しいご飯があればおかずは要らない」等と言う人がいるが、白米では栄養的に可能でない。白米の米飯は、デンプンの割合が多いほど、食感に日本人好みの粘りがあり、良食味米はタンパク質等のデンプン以外の成分が少ない。もち米を用いることもあるが、通常はうるち米を用いる。
  • 麦飯
または麦と米の飯を「麦飯」と言う。普通は大麦である。但し、外食産業等で米に二つ割の大麦を混ぜて炊いた飯は通常麦飯と呼ばない。
  • 雑穀飯
米以外の穀物(麦を含める場合と含めない場合とがある)を雑穀と称し、これらを炊いた飯、あるいは米と混ぜて炊いた飯を雑穀飯と呼ぶ。江戸時代以前の日本においては米飯を食べられる階層は限られ、大多数は雑穀飯を主に食べられていたと考えられている。寒冷で稲作に適しているとは言えない東北地方においてはこの傾向が著しく、明治時代以降においても、あるいはそれらを米と混ぜて炊いた飯が食べられていた。現代においても健康志向から栄養学的観点から雑穀飯を食べる例が見られる。また稀な例であるが米と麦に対して食物アレルギーを持つ患者の場合は、雑穀飯を食べざるを得ない場合がある。雑穀として主に飯として炊いて食されるのはキビ亜科であるが、現代の健康食としてはソバハトムギキヌアアマランサスも米と混ぜて飯として食される場合があるが、単独で飯として炊かれる例は無い。トウモロコシは日本では飯として炊かれる例はないが、北朝鮮では飯として炊かれる場合もあり、米飯が食べられない階層の主食となっている。は穀物ではあるが、これを単独で炊いたものを飯とは呼ばないが、飯に混ぜて炊く場合はある。
  • 混ぜご飯
白米にさまざまな材料を混ぜて味付けした飯もある。魚介類野菜などの具と一緒に醤油などで味付けて炊き込んだ飯を「炊き込み御飯」「加薬飯(加薬ご飯)」「五目飯(五目御飯)」(具は松茸、鯛、豆等がある)と言う。グリーンピースを加えて味付けに塩を入れて炊いた豆ご飯もある。
  • おこわ
もち米を蒸した(あるいは炊いた)ご飯を、あるいはもち米にそれ以外の食材を入れて蒸した(炊いた)ご飯を、「強飯(こわめし)」「おこわ」と呼ぶ。もち米に加える食材としてはアズキが特に多く、ご飯に赤い色がつく事から、これを赤飯と呼ぶ。現代ではもち米のご飯と言えばほとんどが赤飯であり、おこわ、強飯と言っても実は赤飯である場合が多い。
  • その他
最近では、健康志向で上述の雑穀飯以外にも、発芽玄米、あるいはカルシウム等ミネラルの添加剤も混ぜられる。

[編集] 代表的な飯の料理

[編集] 食事の別名として

食事全般を指す場合は、米飯を含まない食事にも用いられる。特に「朝飯」「朝御飯」(朝食)、「昼飯」「昼御飯」(昼食)、「夕飯」「夕御飯」「晩飯」「晩御飯」(夕食)、「夜飯」「夜御飯」(夜食)等と言った場合は顕著である。「夜飯」、「夜御飯」は夕食を指すこともある。「午飯」(ごはん)と言えば、昼食のことである。

[編集] 関連項目

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