異能使い

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異能使い』(いのうつかい)は、平野和盛ファーイースト・アミューズメント・リサーチが製作した現代伝奇物テーブルトークRPG(TRPG)。2003年エンターブレインから書籍版として出版された。第一回ゲーム・フィールド大賞入選作。

2010年2月にルール第二版『異能使い 第二式』に移行している。

目次

[編集] 概要

現代の闇に隠れ潜む魔性や魔人を狩り出す異能者たちの活躍を描いた現代伝奇TRPGプレイヤーキャラクター(PC)は超常の力「異能力」を持つ「異能使い」となり、様々な怪異を人知れず解決していく。

現代伝奇TRPGとはいっても、オカルトや歴史に関する知識は必ずしも必要ではなく、単純な超人バトルものとしても楽しめる。

もともとは同人TRPGとしてそれなりの人気があったゲームだったが、ゲーム・フィールド大賞に入選したことがきっかけで商品化された。なお、メインイラストを担当する有馬かつみも同人時代から『異能使い』のヴィジュアル部分に深く関わっている。

[編集] システム

[編集] キャラクターメイキング

異能使いのPCは、「属性」「血脈」「特徴」の3つによりキャラクターの基本形があらわされる。

[編集] 属性

「属性」はキャラクターの異能力のタイプを表すものであり、いわゆるキャラクタークラスのようなものである。全てのPCは「属性」を一つもっている。

属性は《光》《炎》《雷》《水》《影》《氷》《土》《風》《生命》《精神》の10種類があり、それぞれの属性ごとに使える「異能力」がリストとして揃っている。PCは経験点を消費することで自分の属性の異能力を習得することができる。

異能力はファンタジーRPGでいう魔法のようなものであり、《炎》の属性には火を操る異能力がいくつも揃っており、《雷》の属性には電撃を操る異能力が揃っている。PCはマジックポイントに相当する異能力コストを支払うことで、習得している異能力を使用できる。

[編集] 血脈

遥かな昔、世界の根源を知り“何か”に至った者たちがいた。彼らは最初に異能力に目覚めた者たちであり、異能使いの始祖と呼ばれる。

PCが始祖のうち、誰の血筋にあたるかを決定するものが「血脈」である。

血脈によりPCは基本的な能力値と使用可能な「血脈覚醒」が決定される。血脈覚醒とは血脈により1セッションに1回だけ使える必殺技のようなものである。

血脈は二つ選択することができ、つまり血脈覚醒は2個習得することができる。

[編集] 特徴

属性では表しきれない様々な特殊能力を表現するものが「特徴」である。

修行によって得た格闘センスをあらわす《戦闘訓練》や、社会的なコネの強さをあらわす《コネクション》、二つ目の「属性」を手に入れることができる《第二属性》、特殊な霊具を所持できる《霊具所持》、神楽の舞手として特別な異能力が習得できるようになる《神楽能力》など、様々な能力が「特徴」としてリスト化されている。

特徴は経験点を消費して習得するものであり、豊富に揃った特徴の中から経験点を支払える限りは自由に好きなものを習得することができる。

[編集] 真名ルール

『異能使い』にはキャラクターの姓名に自分の「属性」と関係するものをつけることで初期能力が若干強化されるというルールがある。

例えば「万田沙羅」(まんだ・さら)」という名前のキャラクターは、名前の「沙」にさんずい偏が混じっているために《水》属性を強化できる名前とみなすことができる。また、名→姓の順に発音すると「サラマンダー」となるため、《火》属性を強化できる名前とみなすことも可能だ。

キャラクターの名前と属性が関連づいているかかどうかの最終判断はGMが行う。

[編集] 行為判定

行為判定は基本的には6面ダイス二個による上方ロールである(二個のサイコロの出目の合計が高ければ高いほど良い結果、というもの)。

ただし、特別な異能力や特徴などを持っていれば、判定の後にもう一度何個かダイスを振り、その出目を前回の出目に足すことができる。これをダイスブーストという。

[編集] 予感システム

『異能使い』というゲームの最大の特徴が「予感システム」である。

『異能使い』ではシーン制が導入されているのだが、GMはシーンを開始するさいにそのシーンのテーマをキーワードで表現することになっている。このキーワードが「予感」と呼ばれる。予感に使用されるキーワードは「愛情」「友情」「信頼」「悲哀」「道標」「偶然」「保護」「興味」「共鳴」「競争」「崩壊」の11個があり、他にGMがオリジナルのキーワードを作ってもよい。

この予感というものはゲームリソースの一種としてPCも所持している。PCはセッション開始時に、この予感をランダムで3種類習得する。例えば「愛情」「友情」「共鳴」の3つの予感を所持、というようにである。

ゲーム中にPCがシーンに登場したいときは、この予感を一つ支払う必要がある。このときに支払われた予感は「そのシーンの予感」として新しく設定される。こうしてシーン予感が追加で設定されたならば、GMはその予感に応じたイベントをアドリブでシーンに組み込むことが推奨されている。

予感システムはシーン制における「登場判定」のルールの一種ではあるのだが、使い方によってはプレイヤーがシナリオのストーリー展開を干渉できるルールとして使用できるのである。

[編集] 世界設定

[編集] 異能と魔性

「異能」とは、魔法や超能力などの「超常の力」を表す言葉である。これは努力や訓練により身につく力でなく血筋により発現する力であり、全ての異能使いたちはなんらかの異能の血脈の末裔ということになる。

この異能は時として暴走することがあり、暴走した異能は「魔性」と呼ばれる。人間である異能使いが魔性化することもあれば、人間以外の動物や植物、古道具のような物品、場合によっては方位の関係から空間そのものが魔性化してしまうこともある。

魔性となった存在は昏き本能に取り付かれ破壊活動を行うことが多い。人間社会にとっては害悪になる存在である。そして、魔性のもっとも恐ろしい性質は、人間が魔性を恐れる心を糧にしてさらに強力に成長することである。そのため、魔性や異能に関連した事件は隠匿され、公になることはない。

この魔性がより強力になったのが「魔人」である。魔人は人間以上の知性をもつが彼らの精神構造は魔性と同じく昏き本能に支配されており、基本的には人間社会のモラルとは相容れない存在である。

これら魔性や魔人を退治することが、このゲームのPCたちの基本的な目的となる。

[編集] 異能使いの組織

この世界には、異能使いたちによる多くのコミュニティが存在している。

天老院
天老院とは日本の霊的守護を司る国家的な組織であり、平安時代の陰陽寮に起源を持つ歴史ある集団である。日本の多くの異能使いたちを統括していて、仕事を依頼したり物資や情報を提供したりしている。
天武八家
天武八家とは日本の異能使いたちの社会で最も有力な8つの家系のことである。分家も多く、八家と関係のある家柄の異能使いはそれだけでエリートの証である。天老院の上層部の役職にも八家の者がついていることが多い。
第23能力開発研究所
第23能力開発研究所とは異能や魔性について調査している研究機関である。異能力を持つ実験体やエージェントを有しており、怪異な事件が起こると調査員として派遣される。
六道学園
六道学園とは異能使いを養成するために作られた学園である。幼稚園から大学院まである巨大な学校であり、素質のある者には特別なカリキュラムが設けられて、異能使いとしての訓練を受けさせている。生徒や職員の全てが異能使いであるわけではなく、中には異能機関の関係者や異能力に関係した事件に巻き込まれて記憶を消されなかった者などもいる。
対魔性組織「特別風紀委員会」、異能力関連のアイテムを管理する「特別管理委員会」、魔道書などの管理を行う「特別図書委員会」といった学園内組織が存在する。
夜族
夜族とは、吸血鬼人狼などの伝説上の存在のことである。彼らは時代がすすむにつれ人間社会の発展におされてその姿を人前から消し、夜闇の世界に隠れ住む者となってしまった。彼らは人よりも魔性に近い存在であり、古来から人に恐れられてきたが、必ずしも全ての夜族が魔性であるわけではない。
彼らは皆生まれついての異能使いである。中には人間社会に溶け込み、魔性と戦うために人間たちと協力するものもいる。
妖怪
妖怪とは、人々が語る噂や伝承から生まれ出た怪異のことである。魔性や異能のことを知らない無知な人間たちは古来より、自分たちには理解できない奇怪で異常な現象を象徴する超自然的存在を勝手に作り出していた。そのような、存在しないはずの怪物たちが、語り継がれることにより本当に誕生してしまったのが妖怪である。
同族たちの社会や歴史をもたず、ある日に突然として無から生まれ出る「存在するはずのない」存在である妖怪たちは、異能や魔性が闊歩するこの世界でさえ不可解な者たちである。
ワールドリンク
特定の組織やコミュニティに属していないフリーランスの異能使いたちが、仕事を効率よく行うために作り出した互助ネットワークの通称である。組織というほど堅苦しいものでなく、異能使い同士が情報交換を行うための場、のようなものである。

[編集] 作品一覧

[編集] ルール第一版

異能使い
基本ルールブック。2003年エンターブレインより発売。ISBN 4-7577-1534-X
悪夢奏者 
サプリメント。2003年にゲーム・フィールドより発売。ISBN 4-907792-63-8。西洋世界の異能使いや魔性についてサポート。ケルトの魔女や法王庁のエクソシスト、西洋風のヴァンパイアワーウルフ、そして妖精などがPCとしてプレイ可能になった。
妖異草子 
サプリメント。2005年にゲーム・フィールドより発売。ISBN 4-907792-78-6。『異能使い』の世界の妖怪についてサポート。妖怪を使役する術師や妖怪そのものをPCとして使用できる特徴が追加。
異能使い リプレイ 鳴神の巫女  
リプレイ集。2005年にファミ通文庫(エンターブレイン)より発売。ISBN 4-7577-2435-7。「鳴神の巫女」(著:菊池たけし)、「漆黒の顎」(著:矢野俊策)の二本のリプレイを収録。

[編集] 第二式

異能使い 第二式
基本ルールブック。2010年エンターブレインより発売。ISBN 978-4-04-726421-2
妖異大戦 
サプリメント。2010年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4-04-726618-6
デモンスレイヤー ~葬魂鬼~
リプレイ集。2010年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4-04-726617-9

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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