番号ポータビリティ

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番号ポータビリティ(ばんごうポータビリティ)は、加入者移転、電気通信事業者通信サービスを変更しても、電話番号は変更しないまま、継続して利用できる仕組みである。番号持ち運び制度とも言われる。

ロケーションポータビリティ[編集]

ロケーションポータビリティは、加入者が移転しても同じ電話番号を利用できるものである。地理的番号の場合、同一番号で移転できる地域が限られている。また、事業者間で移転できる地域に違いがある場合もある。

サービスポータビリティ[編集]

サービスポータビリティは、通信サービスを変更しても同じ電話番号を利用できるものである。加入電話ISDN相互間などで行なわれている。

事業者間ポータビリティ[編集]

事業者間ポータビリティは、契約している電気通信事業者を変更しても同じ電話番号を利用できるものである。固定電話については、LNP (Local Number Portability) 、携帯電話については、MNP (Mobile Number Portability) と呼ばれる。

利用者の電話番号による囲い込みの防止により、サービスの向上・料金の低減を目指すために行われる。

運用[編集]

運用を行うために、次のことを定める必要がある。

  • 費用の回収方法 : 利用者と事業者相互間分担のあり方。前事業者の未収料金の回収など。
  • 接続料金の精算方法 : 経由する電話交換機電話回線・電話番号データベースの利用料金など。
  • 運用ルール : 利用者の意思確認・利用者情報の事業者間の引継ぎ・電話番号データベースの更新など

ドナー型[編集]

ドナー型は、移転元事業者に申し込みを行なった後、移転先事業者に申し込みを行なうもの、移転元事業者主導型とも言う。

レシピエント型[編集]

レシピエント型は、移転先事業者のみに申し込みを行なうもの、移転先事業者主導型とも言う。

問題点[編集]

次のような問題点も指摘されている。

  • システムの構築に多額の費用がかかる。
  • 結果的に、競争の激化により事業者の経営問題が生じる。
  • 結果的に、強引・違法な営業活動の遠因となる(日本ではマイライン等でも問題になった)。

[1]

電話番号割り当て[編集]

二重番号方式[編集]

二重番号方式は、通常の電話番号計画で移転先に割り当てられた電話番号を接続に用いるもの。電話番号の消費が倍となる。

ルーティング番号方式[編集]

ルーティング番号方式は、通常の電話番号計画と独立したルーティング専用の番号を用いるもの。電話番号の割り当てを節約できる。

ルーティングに使用される番号としては、中継用として割り当てられた事業者識別番号・その事業者に割り当てられている市外局番+市内局番の形式・代表的な電話番号の全桁+付加番号などが使用され、それにより発信者がダイヤルした番号を通知すべき交換設備を選択する。

日本では、携帯電話事業者間の双方向のものでの利用が2006年10月24日から実施されている。また、NTT東西の固定電話からの片方向のものが電話番号枯渇の解消のため2007年2月1日に変更された。

電話番号のデータベース管理[編集]

電話番号と移転先とを関連付けるデータベースの管理法には次のようなものがある。

  • 個別DB電話番号帯管理方式: 電話番号帯を割り当てられた事業者がデータベースを持ち、移転先事業者を管理し他事業者からの問い合わせを受け付ける。複数回の移転の場合でも履歴を番号帯管理事業者が管理し、無駄な問い合わせを繰り返さないようになっている。日本ではこの方式。
  • 個別DB全社データ保持方式: 事業者が個別またはいくつかの事業者で共同で、全ての番号を管理するデータベースを運営する。その番号を利用する事業者がその全てへ登録を行う。
  • 共通DB方式: 事業者が拠出した基金で共通データベースを運営し、全てのルーティング問い合わせを受け付ける。北米電話番号計画での方式。

接続方式[編集]

接続操作を行なう網から、移転先への接続方式として次のようなものが有る。

Onward Routing[編集]

Onward Routing は、転送方式とも呼ばれる。

  1. 発信元からのポータビリティ番号を管理する交換機へ接続する。
  2. 移転元から移転先へ接続する。

電話番号を管理する交換機のみの改修でサービス可能であるが、冗長な接続経路となるため、回線使用料が高くなる場合が多い。

Call Dropback[編集]

Call Dropbackは、リダイレクション方式とも呼ばれる。

  1. 発信元からポータビリティ番号を管理する交換機へ接続する。
  2. 移転された番号である場合移転先が移転元から発信元へ通知される。
  3. 一旦回線を開放した後、発信元から移転先電話へ直に回線接続を行う。

発信元交換機と電話番号を管理する交換機とにおいて、電話番号取得などの仕組みの構築が必要である。最適化された接続経路となるため、回線使用料が安くなる。

Query on Release[編集]

Query on Releaseは、番号データベースを用いるものである。

  1. 発信元からポータビリティ番号を管理する電話交換機へ接続する。
  2. 移転された番号である場合、一旦回線が開放される。
  3. 発信元が電話番号データベースへ移転先を問い合わせ取得する。
  4. 発信元から移転先電話へ直に回線接続を行う。

電話番号データベースの構築・運用が必要である。

All Call Query One Step[編集]

All Call Query One Step)は、発信元が電話番号データベースへ問い合わせを行うものである。

  1. 発信元が電話番号データベースへ移転先を問い合わせ取得する。
  2. 発信元から移転先電話へ直に回線接続を行う。

電話番号データベースの構築・運用が必要であり、少なくとも移転した番号への発信で番号問い合わせを行うためデータベースの負荷が高くなる。発信元交換機と番号データベースと移転先交換機との情報伝達のみで接続操作が可能である。

固定電話番号ポータビリティ[編集]

地域 移転手続き 通常電話番号 着信課金 高度サービス 備考
開始 方式 開始 方式
データーベース 接続 データーベース 接続
香港 レシピエント 1995 7 個別番号帯管理
イギリス レシピエント 1996 5 個別番号帯管理 OR 1998 3 共通 ACQ
アメリカ合衆国 レシピエント 1997 10 共通 ACQ 1993 5 共通 ACQ
フランス レシピエント 1998 共通 OR ACQ
ドイツ レシピエント 1998 10 共通 OR QoR
スウェーデン 1999 7
イタリア 2000 1 2000 1
日本 レシピエント 2001 3 個別番号帯管理 CD 2001 3 個別番号帯管理 CD
台湾 2003 1
オーストラリア 2007 4
大韓民国 レシピエント 2003 6 個別番号帯管理 OR

[2]

日本の状況[編集]

固定電話の番号ポータビリティは、2001年3月から始まっている。

が開始されている。

携帯電話番号ポータビリティ[編集]

各国の状況[編集]

地域 移転手続き 開始 方式 利用率 % 状況
データーベース 固定発信 携帯発信
シンガポール 1997 4 OR OR 0.2
イギリス ドナー 1999 1 個別番号帯管理 OR OR 5
オランダ 1999 1 共通 個別 ACQ ACQ 5
香港 レシピエント 1999 3 個別番号帯管理 86.3 サービスに差が無いため利用率が高い
スイス 2000 3 共通 OR OR
スペイン 2000 12 OR OR 1.6
デンマーク 2001 7 共通 ACQ QoR ACQ QoR 11
スウェーデン 2001 9 共通 ACQ QoR ACQ QoR 5
オーストラリア 2001 9 8.6
ノルウェー 2001 11 共通 ACQ ACQ 14.8
イタリア 2002 5 個別 ACQ QoR ACQ 1.6
ベルギー 2002 10 共通 ACQ ACQ QoR 2.2
ドイツ レシピエント 2002 11 共通 ACQ ACQ 0.47
アイルランド 2002 11 共通 OR ACQ 2.2
フランス レシピエント 2003 6 共通 OR ACQ OR ACQ 0.1
フィンランド 2003 OR OR
アメリカ合衆国 レシピエント 2003 11 共通 ACQ ACQ
大韓民国 レシピエント 2004 1 共通 QoR QoR 0.9 違法な勧誘による問題も生じた。
ギリシャ 2004 3
オーストリア 2004 5
台湾 レシピエント 2005 10 共通 ACQ ACQ
日本 ドナー 2006 10 個別番号帯管理 OR CD 詳しくは下記の項目を参照。

※利用率=導入時から2004年までの累積の利用率 [5]

アメリカ合衆国では、事業者の反対で数回延期されたが、2003年11月24日から固定電話-携帯電話・携帯電話-携帯電話相互間で義務化されている。同じ電話番号計画である固定電話から携帯電話への変更も多く行われている。

ロシアでは、2013年12月から実施される[6]

新興国では、手続きの煩雑さとプリペイドSIMカードが大量に流通しているので、番号ポータビリティは普及しにくい [7]

日本の状況[編集]

日本では、2006年10月24日から携帯電話番号ポータビリティが実施された。通称はMNP (Mobile Number Portability)。Eメールアドレスや有料コンテンツは移転されない。また、諸手続きや切り替え費用の発生、ソフトバンクモバイルへの転入以外は他社へ切り替えることで長期継続割引の年数が切れることになる。これに先駆けて2005年10月1日付けでKDDI本体に吸収合併されたツーカーでは、10月11日よりツーカーから同じKDDIのauへの同番移行が可能となっている。MNP実施により携帯電話3社のシェア争いが激化した。2006年11月8日の報道では、10月24日から31日までの期間中のMNPを利用した移転件数は、KDDI(沖縄セルラー電話を含む)が98,300件増、NTTドコモは73,000件減、ソフトバンクモバイルが23,900件減となった。これは後述の#ソフトバンクモバイルの切り替え手続きの停止の影響を織り込んだ数字であり、MNP切り替えの緒戦はKDDI/沖縄セルラー電話 (au) の一人勝ちとなった。ただし2007年夏 - 2009年夏ごろまでは事実上ソフトバンクモバイルの一人勝ち、それ以降は月により大きく異なるなど、年度により状況は大きく変化している。

なお、NTTドコモヴァーチュ日本通信間、ソフトバンクモバイルディズニー・モバイルベネッセモバイルFREO間、KDDI/沖縄セルラー電話ECナビケータイJALマイルフォン・Tigersケータイ・GIANTSケータイ間のように、MNOMVNOの関係にある事業者間の移行を行う場合であっても、「携帯電話番号ポータビリティ」で移行する手続きが必要である(厳密な意味では、KDDIと沖縄セルラー電話間も同様で、同じau電話であっても事業者が異なるため、同番で契約会社の変更を行う場合には必要であるが、両社のWebページには記されていない。かつてのドコモ地域会社間やアステル各社の契約移管の場合は番号変更が必要だった)。

何れの場合も、既存回線への番号移管は不可能である(ソフトバンクモバイルの携帯を解約し、番号を既存のドコモ回線に移動するなど)。

2012年6月21日より、PHS事業者であるウィルコムが、WX04Kの発売に合わせて3G回線での音声通話サービスの提供を開始したことに伴い、3G回線で使用される電話番号(090又は080)の携帯電話番号ポータビリティの転入・転出が可能となった。なお、ウィルコムに関しては2014年10月より完全実施される予定である[8]

その一方、番号ポータビリティによる競争で、各社ともMNP契約者に多額のキャッシュバックを出すようになった。しかし、この結果MNPで0円など超低価格の端末を契約したあと(いわゆる「MNP弾」)、再びMNPで別事業者と契約ということを繰り返し、多額のMNPキャッシュバックをもらおうとするユーザーが出始めた(例えば5万円のキャッシュバックがあると、違約金と転出手数料を引いても4万円弱残る為)[9]。特に2013年度末にはMNPキャッシュバック競争が過激化し、1台当たり5万円以上や複数台同時契約で10万円以上などの超高額キャッシュバックが多数みられた[10]。尚、NTTドコモとソフトバンクモバイルは電話機購入を伴わない契約後の短期転出に対し、転出手数料を2,160円から5,400円へ引き上げている。

携帯電話会社の事業撤退の場合、MNP転出手数料の無料化や事業撤退後のMNP申し込み可などの措置が取られる場合もある。ツーカーは2008年3月31日のサービス終了後も、同年6月30日までau以外への転出を受け付けていた。

問題点[編集]

携帯電話会社の移行に関しては、次のような問題点が指摘された。

  • メールアドレスの継続が出来ない。必ずドメイン名が変わるため、メールアドレスはポータビリティ制度の対象外と決定した(ただし、「KDDI/沖縄セルラー電話←→ECナビケータイ」間および「KDDI/沖縄セルラー電話←→JALマイルフォン」「KDDI/沖縄セルラー電話←→Tigersケータイ」、「KDDI/沖縄セルラー電話←→GIANTSケータイ」、「ソフトバンクモバイル←→ベネッセモバイルFREO」間については、両社がMNOMVNOの関係(このうち、KDDIと沖縄セルラー電話では、ECナビケータイ・JALマイルフォン・TigersケータイならびにGIANTSケータイを「特定MVNO事業者」が行う携帯電話ブランドという位置づけをしている)で、同じドメインを扱うため例外的に継続可能)。なお、国外ではSMSによるメッセージ伝達が主流であるため、海外の携帯事業者間における番号ポータビリティでは、このような問題は起こりえない。
  • もっとも、近年では、GmailLINEなど連絡手段が多様化しており、以前ほどキャリアメールの必需性は薄れてきている。
  • 料金体系、サービス体系(絵文字含む)、コンテンツ体系が異なる。有料コンテンツが継続利用できない場合が多い。長期継続利用による料金の割引制度の年数が、1年目に戻る[11]
  • 電話番号のみで電話会社を認識する(電気通信番号(電話番号の上6桁)で旧電話会社の電話番号と認識される)サービスの一部(NTTドコモのみ着信可能の列車公衆電話等)が利用できない。

なお、プリペイド契約から他社に移行する場合、auのぷりペイドプリモバイルのケースでは、ショップ店での手続きとその場で予約番号発行手数料を支払う必要がある。ぷりペイドでは、キャンセルないしは予約番号の有効期限切れに伴う失効があったとしても、手数料は返還されない。プリモバイルでは、キャンセル手続きを行うことで手数料が返還される。ポストペイ契約であれば、通常、移行前の最終請求に加算されるため、キャンセルや手続き忘れがあっても手数料は発生しない。

各社の対応状況[編集]

いずれも、音声契約を伴うものに限る。データ端末や組み込みモジュールなどは、ポートイン・アウトともにMNPの対象外となっている。

携帯電話会社 契約形態 転出(ポートアウト) 転入(ポートイン)
NTTドコモ 通常契約 (Xi)
NTTドコモ 通常契約 (FOMA)
NTTドコモ 通常契約 (mova) ×
NTTドコモ プリペイド(ぷりコール ×
au(KDDI/沖縄セルラー 通常契約 (CDMA 1X WIN)
au(KDDI/沖縄セルラー 通常契約 (cdmaOne、CDMA 1X) ×
au(KDDI/沖縄セルラー) プリペイド(ぷりペイド
ECナビケータイ 通常契約 (CDMA 1X WIN)
JALマイルフォン 通常契約 (CDMA 1X WIN)
Tigersケータイ 通常契約 (CDMA 1X WIN)
GIANTSケータイ 通常契約 (CDMA 1X WIN)
ソフトバンクモバイル 通常契約(SoftBank 3G/SoftBankスマートフォン)
ソフトバンクモバイル 通常契約 (SoftBank 6/5/4/3/2) × ×
ソフトバンクモバイル プリペイド(3G:プリモバイル
ソフトバンクモバイル プリペイド (2G:SPS/Pj) × ×
ツーカー 通常契約 × ×
ツーカー プリペイド(プリケー × ×
ディズニー・モバイル 通常契約
イー・モバイル(イー・アクセス) 通常契約
VERTU 通常契約 × ×
ベネッセモバイルFREO 通常契約 × ×
日本通信 talkingSIM/talkingSIM Pratinum Service/talking microSIM Pratinum Service/
talkingSIM 1G/talking microSIM 1G

ソフトバンクモバイルの切り替え手続きの停止[編集]

MNP制度の開始直後の週末の10月28日、ソフトバンクモバイルで、新規加入、契約内容の変更、解約などの受け付けが全面的に停止した。翌10月29日にも切り替え手続きを停止した。当初、ソフトバンクモバイルは自社同士の通話料や電子メールを無料にする契約プラン(予想外割ゴールドプラン)が功を奏し、他社からの切り替えが殺到したものとアナウンスした。

穿った見方では、ソフトバンクモバイルからNTTドコモもしくはauへの転出が殺到したことが原因とするものがある[12]

10月30日には孫正義社長が記者会見で謝罪した。原因として、家族割引が適用されている利用者の他社への転出手続き処理に時間がかかったことに加え、自社利用者の新契約プランへの変更など多くの処理が重なったためであると発表した[13]。11月2日には総務省に対して再発防止策を報告した。10月30日より、MNPを処理するシステムを通常業務システムから分離するとともに通常業務システムの処理能力を増強したという[14]

KDDI の切り替え手続きの停止[編集]

2006年12月17日、auのMNP転出入受付でシステムトラブルが発生し、午後4時頃よりMNPによる転出入の受付を停止した。ただし、MNPを利用しない新規契約等は通常通り受付された。業務終了の午後10時まで回復せず、翌日から通常通り受付業務が再開された。この件に関する報道[15]によると、au 側のシステムの負荷分散の問題による障害とされている。ソフトバンクモバイルの障害発生の際と同じく、総務省より改善策などの報告がKDDIに対し求められた。

また、2007年11月9日には、ツーカーの情報システム障害により一時的にMNPでの転出が不可能になったが、これは同日中に回復している[16]

なお KDDI グループは、ツーカーからauへの同一番号移行についてもサービス開始当初に一時期手続きを停止したことがある[17]

2009年5月18日と2010年1月26日にも、システムトラブルによりMNPの転出・転入が出来なくなった[18][19]。KDDIグループのMNP関連のトラブルは通算4度目(グループ内移行も含めると5度目)で、2010年1月時点で、全事業者の中で最多である。

NTTドコモの切り替え手続きの停止[編集]

2007年3月31日、19時40分ごろより業務終了まで、転出入受付を一時停止した。原因として各種受付処理件数の増大に伴う、ドコモ社のシステム処理能力不足を挙げている。翌日には通常通り受付を再開した[20]

2011年2月19日、18時ごろ顧客情報を管理するコンピューターシステムに不具合が発生し、各種手続きやドコモから他の携帯電話会社への変更手続きができなくなった。約3時間後に復旧したが、手続きが次の日にずれ込む件数が相次いだ。システムの機械が故障したのが原因[21]

PHS電話番号ポータビリティ[編集]

2008年6月現在のところ、日本ではPHSは制度の対象外となっている。まず、携帯電話とは電話番号の番号帯 (070) が違うため、ポータビリティの接続方式に難があるとされたためである。

また、音声PHSの存続事業者は、日本国内ではMVNOを除けばウィルコムのみとなっており(J:COM MOBILEはウィルコムのMVNOである。- J:COM MOBILE)、PHS番号帯内での番号ポータビリティ検討の意味自体も、現在はなくなっている。

総務省の研究会「携帯電話の番号ポータビリティの在り方に関する研究会」においても、当時KDDI傘下であった旧DDIポケット(現ウィルコム)やNTTドコモに事業吸収状態のドコモPHSは、PHS事業としての代表者を送り込む場もなかったようである[22]

なお、制度としての番号ポータビリティではないが、アステル沖縄からウィルコム沖縄への事業承継においては、番号帯も承継し、結果としてユーザーの同番移行が可能になった。ドコモPHSの2008年1月7日撤退に当たり、同じPHS電話番号を2008年1月8日以降、ウィルコム・ウィルコム沖縄に引継ぎが可能となった[23]。いずれも結果的に同番移行が可能となり、ユーザーの便宜が図られた例である。

ところがこれまでPHS専用だった「070」の内、「070-1~4」及び「070-7~9」で始まる電話番号が2013年11月1日に一般の携帯電話に開放された。このため「070-5~6」だけがPHS専用になった。 それに合わせて、総務省は2013年10月2日に、携帯電話とPHS間にも番号ポータビリティーを導入する省令改正案(2014年10月1日開始の方針)を発表した。[24]

脚注[編集]

  1. ^ 携帯電話の番号ポータビリティに関する独占禁止法上の考え方
  2. ^ 諸外国の番号ポータビリティに関する動向について
  3. ^ フリーアクセスのNTT東日本⇔NTT西日本間などを除く。(NTT東日本高度INサービス:FAQ より)事実上は、近年まで「0120」番号を独占し、知名度などから着信課金サービスで寡占状態にあったNTTコミュニケーションズの「フリーダイヤル」から、「0077」や「0088」などといった電話会社の識別番号を使わざるを得なかった、他社の着信課金サービスへの移行を進めやすくする(競争条件の平準化)目的が強い。
  4. ^ かつて「フリーナンバー」という商標で着信課金サービスを発売していたようであるが、現状では不明(NTTコミュニケーションズの「ナビダイヤル」対抗商品として一時期のみ発売されたKDDIの「アクセスコール」や、旧日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)の「アドコール」と同様のケースと思われる)。現在は、主としてFull-IP パッケージ(直加入サービス)の一部として着信課金サービスを販売している模様(導入事例・株式会社マトリックス (PDF) より)。2007年4月現在の契約約款(電話サービス・直加入サービス共に)においても着払電話サービスの記載有り。
  5. ^ 携帯電話の番号ポータビリティの在り方関する研究会報告書 (PDF)
  6. ^ “ロシア 携帯電話番号引継ぎに関する法律が発効”. (2013年12月2日). http://japanese.ruvr.ru/2013_12_02/125274140/ 2013年12月31日閲覧。 
  7. ^ “新興国で進まないMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)”. (2013年12月20日). http://www.icr.co.jp/newsletter/global_perspective/2013/Gpre2013137.html 2013年12月31日閲覧。 
  8. ^ 携帯電話各社、「070」番号の利用を11月1日に開始 2013年10月30日付ITmedia Mobileより。
  9. ^ 日本通信、MNP悪用多発で契約条件変更 1年未満解約に違約金
  10. ^ 終止符は打たれるか? キャリアも行政も消極的なキャッシュバック競争
  11. ^ ただし、ソフトバンクモバイルは、他社利用期間を「ソフトバンク利用期間」として引き継ぐサービスを行なっている。請求書などでの契約期間証明が必要。
  12. ^ ソフトバンクモバイル MNP新規受付停止→再開→再停止の原因は、ソフトバンク脱北民が原因
  13. ^ 孫社長がお詫び、ソフトバンクのMNPシステム障害で
  14. ^ ソフトバンクがMNP導入時のシステム障害を陳謝,「競争促進に貢献」と自論も
  15. ^ KDDIがMNP業務を一時停止、18日から通常通りに
  16. ^ ツーカー、システム障害でMNPでの転出ができない状況に
  17. ^ ツーカーからauへの乗換サービス、申込受付を一時中断
  18. ^ KDDI、携帯電話の加入受付システムに不具合
  19. ^ auにシステム障害、全国で受付業務停止
  20. ^ ドコモのMNPシステムが3月31日に一時停止、現在は復旧
  21. ^ NTTドコモの顧客管理システム故障 3時間後に復旧
  22. ^ [1]
  23. ^ [2]
  24. ^ 携帯電話の電話番号数の拡大に向けた電気通信番号に係る制度等の在り方

外部リンク[編集]