画図百鬼夜行
『画図百鬼夜行』(がずひゃっきやこう)は、安永5年(1776年)に刊行された鳥山石燕の妖怪画集。
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[編集] 概要
『今昔画図続百鬼』『今昔百鬼拾遺』『百器徒然袋』とある石燕の妖怪画の中でも最初に刊行されたものであり、現代ではこの4つを総称して「画図百鬼夜行シリーズ」などとも呼ばれる[1]。
「前篇陰」「前篇陽」「前篇風」の3部構成となっている。各部を「前篇」と題しているものの後篇は存在せず、この後に刊行された『今昔画図続百鬼』が後篇に相当する[2]。
題名の「百鬼夜行」とは本来は妖怪たちが集団で跳梁する様子のことであり、室町時代の『百鬼夜行絵巻』などはその通り妖怪の集団を描いたものだが、本書は妖怪の1点1点に名称を添えて紹介しており、いわば「妖怪図鑑」のようなスタイルとなっている[3]。後の画集と比較すると河童や天狗といった、日本の伝承にある妖怪の中でも比較的有名なものが多い。
石燕自身が巻末で「詩(うた)は人心の物に感じて声を発するところ、画(え)はまた無声の詩とかや」と述べている通り、禁欲的なまでに画賛を廃しており[4]、『今昔画図続百鬼』以降に見られるような解説文はないものが多く、解説文があってもごく短い解説に留められている。
題名の「画図」の読みは「がず」「えず」「がと」など様々で定説はないが、国文学者・高田衛は「がず」の読みを推奨している[1]。
[編集] 収録作品
[編集] 前篇陰
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木魅(こだま)
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天狗(てんぐ)
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幽谷響(やまびこ)
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山姥(やまうば)
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山童(やまわろ)
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猫また(ねこまた)
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河童(かっぱ)
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獺(かわうそ)
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垢嘗(あかなめ)
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狸(たぬき)
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窮奇(かまいたち)
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網剪(あみきり)
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狐火(きつねび)
[編集] 前篇陽
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絡新婦(じょろうぐも)
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鼬(てん)
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叢原火(そうげんび)
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釣瓶火(つるべび)
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ふらり火(ふらりび)
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姥が火(うばがび)
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火車(かしゃ)
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鳴屋(やなり)
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姑獲鳥(うぶめ)
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海座頭(うみざとう)
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野寺坊(のでらぼう)
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高女(たかおんな)
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手の目(てのめ)
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鉄鼠(てっそ)
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黒塚(くろづか)
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飛頭蛮(ろくろくび)
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逆柱(さかばしら)
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反枕(まくらがえし)
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雪女(ゆきおんな)
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生霊(いきりょう)
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死霊(しりょう)
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幽霊(ゆうれい)
[編集] 前篇風
[編集] 脚注
- ^ a b 京極夏彦 『妖怪の理 妖怪の檻』 角川書店〈KWAI BOOKS〉、2007年、66頁。ISBN 978-4-04-883984-6。
- ^ 湯本豪一編著 『続・妖怪図巻』 国書刊行会、2006年、170頁。ISBN 978-4-336-04778-6。
- ^ 湯本豪一 『江戸の妖怪絵巻』 光文社〈光文社新書〉、2003年、18頁。ISBN 978-4-334-03204-3。
- ^ 少年社・中村友紀夫・武田えり子編 『妖怪の本 異界の闇に蠢く百鬼夜行の伝説』 学習研究社〈New sight mook〉、1999年、202頁。ISBN 978-4-05-602048-9。
- ^ 『続・妖怪図巻』、161頁。
- ^ 粕三平編著 『お化け図会』 芳賀書店、1973年、190頁。
[編集] 参考文献
- 鳥山石燕 『鳥山石燕画 図百鬼夜行全画集』 角川書店〈角川ソフィア文庫〉、2005年。ISBN 978-4-04-405101-3。
- 京極夏彦・多田克己編著 『妖怪図巻』 国書刊行会、2000年。ISBN 978-4-336-04187-6。