産業革新機構

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株式会社産業革新機構
Innovation Network Corporation of Japan
種類 株式会社
略称 INCJ
本社所在地 100-0005
東京都千代田区丸の内1-4-1
丸の内永楽ビルディング21階
設立 2009年7月27日
業種 その他金融業
事業内容 投資ファンド事業
代表者 能見公一(代表取締役社長
資本金 1400億5百万円(2013年3月31日時点)
営業利益 △89億89百万円(2013年3月期)
純利益 △97億94百万円(2013年3月期)
純資産 2628億15百万円(2013年3月31日時点)
総資産 4753億49百万円(2013年3月31日時点)
決算期 3月末日
主要株主 日本国
株式会社日本政策投資銀行
株式会社商工組合中央金庫
ほか企業24社、個人2名
外部リンク http://www.incj.co.jp/
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株式会社産業革新機構(さんぎょうかくしんきこう)は、旧産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産業再生法)・現産業競争力強化法に基づき設立された官民出資の投資ファンド[1][2][3]である。

概要[編集]

先端技術や特許の事業化を支援することなどを目的として、2009年7月27日に設置された。投資対象となるのは、大学や研究機関に分散する特許や先端技術による新事業、ベンチャー企業の有望な技術、国際競争力の強化につながる大企業の事業再編などである[2]。投資にあたっては機構内に設置する「産業革新委員会」が評価を行い、投資対象の決定をする。産業革新委員会の委員長は吉川弘之東京大学総長。また経済産業大臣が業務を監督し、1年に1度、事業評価を行うこととなっている。なお、機構の設置期間は15年間である[1][2]

機構には、2013年11月現在で官民が合わせて2800億円を出資している。内訳は政府が2660億円、民間企業26社が140億円である。また機構が金融機関から資金調達をする場合は1兆8,000億円の政府保証をつけられるため、最大2兆円規模の投資能力を持つこととなる。

出資案件[編集]

出資先 出資額 備考
アルプス・グリーンデバイス 30億円、最大100億円 アルプス電気と共同出資し省エネルギー化を促す電子部品の製造会社。スマートグリッド用機器、EV家電情報機器に使用される。出資第1号[4][5]
ジェニュージョン 最大26億円 半導体メモリー開発メーカー[6]
TRILITY オーストラリアの水事業会社。三菱商事日揮、比マニラ・ウォーター英語版と共同で英ユナイテッド・ユーティリティーズ英語版から買収。旧称ユナイテッド・ユーティリティーズ・オーストラリア[7][8]
ゼファー (発電機メーカー) 10億円 小型風力発電機メーカー[9]
LSIP(エルシップ) 6億円 3年で最大10億円  日本初の知的財産投資ファンド[10]
エナックス 約35億円 リチウムイオン電池メーカー[11]
国際原子力開発 2,000万円(同社株10%) 原子力発電所新規導入国での原子力発電プロジェクトの提案・調査事業会社[12]
アグアス・ヌエヴァ 約200億円(同社株約50%) チリの水事業会社。丸紅と共同でサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行から買収[13]
アネロファーマ・サイエンス 約7億円 抗がん剤を開発する大学発ベンチャー。約7億円を出資。段階的に出資し最大約50億円を出資する予定[14]
中村超硬 12億4,500万円 高性能部品の製造メーカー[15]
ジオル・レゾナンス 約15億円(同社株の50.1%) 日本電子核磁気共鳴装置事業を分離して設立されたメーカー[16]
A&Fアビエーション
(現:Peach Aviation
1,000万円(同社株の33.3%) 全日本空輸香港の投資会社が設立した日本初の格安航空会社(LCC)[17]
衆智達汽車部件有限公司 約15億円(同社株50%) 中小の日系自動車部品メーカーが中国に設立した部品メーカー[18]
Miselu(ミセル) 約600万ドル(約4億7,500万円) アメリカシリコンバレーのソーシャル楽器の開発ベンチャー[19]
ランディス・ギア 約6億8,000万ドル(約550億円)
同社株約40%
東芝が買収したスイススマートメーターメーカー[20][21]
ジャパンディスプレイ 2,000億円(同社株70%) ソニー東芝及び日立の中小型ディスプレイ事業(ソニーモバイルディスプレイ東芝モバイルディスプレイ及び日立ディスプレイズ)を統合して設立した会社[22]
日本インター(旧日本インター整流器) 京三製作所より株取得により親会社となる。上場会社としては異例の措置。
ユニキャリア 日立建機日産自動車両社のフォークリフト子会社の中間持株会社。初代社長にユニデンの元社長・大森聡が就任[23]
ファルマエイト 5億5,000万円 認知症治療薬の創薬ベンチャー。開発初期段階に必要な資金。
All Nippon Entertainment Works 最大60億円 日本のコンテンツ(ストーリー/キャラクター等)をリメイクし、グローバル市場をターゲットとしたエンタテインメント作品を企画開発する会社[24]
シージャックス・インターナショナル 約350億円(同社株の50%) イギリス洋上風力発電所建設大手。丸紅と共同で米リバーストーン・ホールディングス英語版から買収[25]
音声検索技術の事業化 6,000万円 独立行政法人産業技術総合研究所が開発した動画サイトで活用できる音声検索技術の事業化を行う。出資により特定目的会社を設立[26]
出版デジタル機構 最大150億円 出版社などが設立した書籍の電子化や電子書籍の配信などの支援を行う企業[27]
スフェラーパワー 5億円 日立ハイテクノロジーズと京都市のベンチャーである京セミがシースルー球状太陽電池を量産するために設立。革新機構の他、日立ハイテクが1億円を出資 。[28][29]
グロザス 12億円 日本のコンテンツのアジア輸出を支援を目的としてニフティと共同出資で設立。機構が6割、ニフティが4割を出資[30]
ニスティカ アメリカの波長選択スイッチメーカー。フジクラNTTエレクトロニクスと共に共同で出資。機構は株式の42%を取得[31]
リプレックス 約4億円 写真プラットフォームサービス開発ベンチャー[32]
クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン 最大100億円 クレハ伊藤忠商事が共同出資するリチウムイオン電池材料メーカー[33]
セレブレクス 3億円 ディスプレイコントローラ用半導体の設計、開発、製造及び販売を行う企業[34]
トランスフォーム 2,500万ドル アメリカパワー半導体ベンチャー企業。機構の既存投資先の日本インターと共に総額3,000万ドル(約23億円)を出資[35]
中山アモルファス 8億円 中山製鋼所アモルファス金属事業を分離し設立。第三者割当増資を引き受け、出資[36]
ルネサスエレクトロニクス 1,383億5,000万円 トヨタ自動車パナソニックなど民間8社と共に総額1,500億円を出資。産業革新機構の出資比率は69.16%となる[37]
アドバンスト・ソフトマテリアルズ 5億円 東京大学発の素材ベンチャー。高性能樹脂を用いて、擦り傷を自然修復する自動車塗料を開発している。第三者割当増資を引き受け、機構が34%を取得する[38]
Orphan Disease Treatment Institute 最大16億5,000万円 シーズを用いたデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の開発を目的として第一三共などとの共同出資で設立[39]
Wireless Glue Networks Inc. 4.5百万ドル(約4億円) アメリカシリコンバレーソフトウェア開発ベンチャー。東京電力系電力機器メーカーの東光電気などと共同で出資[40]
日興テキスタイル 30億円 羊毛綿の糸のねじり具合を調整する独自の技術を持つ織物メーカー。第三者割当増資を引き受け、4割の株式を取得。機構が消費財メーカーに出資するのは初めて[41]
Solar Holding S.R.L. イタリア太陽光発電事業者。発行済み株式の85%を親会社のソーラーベンチャーズから約50億円で取得する。内訳は三菱商事が50%、機構が35%出資する[42]
アクアセラピューティクス 4億5,000万円 次世代医薬品として期待される核酸医薬品を開発するベンチャー。この他、民間ファンド「ひびしんキャピタル」も2,000万円を出資する予定[43]
Mido Holdings Ltd. 最大12億円 クラウドコンピューティング関連ベンチャー[44]
プリズムファーマ 10億円 肝硬変などの新薬の開発を行っている製薬ベンチャー。この他、日本政策投資銀行系列のファンドなども5億円弱を出資する[45]
エクスビジョン 最大1億8,000万円 高速画像処理技術の開発型ベンチャー[46]
IP Bridge 9,000万円
27億5000万円[47]
特許を企業から安価で買い取り、利用を希望する国内のベンチャー企業などに貸し出す「知財ファンド」。機構の他、パナソニック三井物産などが出資して設立。[48][49]
JTOWER 最大9億円 商業施設オフィスビルマンションなどの屋内の通信環境を改善するインフラシェアリング事業者。JA三井リース・アイティーファームと共に第三者割当増資を引き受け出資[50]
アジアンベイシス 最大20億円 アジア地域で書籍を中心としたEC事業を展開するために紀伊國屋書店・インフォシティの出資で設立された企業[51]
アパレルウェブ 最大3億円 洋服のインターネット販売を支援する企業[52]
メガカリオン 10億円 iPS細胞を用いて血小板製剤の量産技術を開発中の製薬ベンチャー。SMBCベンチャーキャピタルみずほキャピタル三菱UFJキャピタルと共に合計で11億6,000万円を出資[53]
ユニゼオ 6億円 排ガス処理の吸着剤などに活用できる天然鉱物「ゼオライト」の合成技術を持つ東大系ベンチャー[54]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 官民ファンド「産業革新機構」が発足 数十件投資めざすNIKKEI NET2009年7月27日
  2. ^ a b c 官民出資のファンド「産業革新機構」発足 成長分野を支援へ産経新聞、2009年7月28日付朝刊、第14版、第10面。
  3. ^ 柳原美砂子、赤間清広 「産業革新機構:発足 問われる出資効果 企業公的支援、異例の規模毎日新聞、2009年7月28日付朝刊。
  4. ^ 低炭素社会の実現に不可欠なデバイス開発事業に投資 (PDF)”. 産業革新機構 (2010年3月31日). 2010年4月10日閲覧。
  5. ^ 読売新聞2010年4月1日13S版10面
  6. ^ 尼崎のメモリー会社へ、産業革新機構26億円出資 - 47NEWS(神戸新聞)、2010年5月11日(2011年8月15日閲覧)
  7. ^ 本邦初の官民連携による豪州水道事業会社の買収(pdf) - 産業革新機構、2010年5月11日
  8. ^ TRILITY
  9. ^ 日経エレクトロニクス(2010年5月10日版) - 日経BP
  10. ^ 医薬の知財ファンドに出資。産業革新機構、特許を活用 - 47NEWS(共同通信)、2010年8月6日(2011年8月15日閲覧)
  11. ^ ラミネート式リチウムイオン電池のフロンティア企業に投資~エナックス株式会社の産業用事業拡大に向けた増資引受を通じて、日本のリチウムイオン電池産業の競争力強化を支援~(pdf) - 産業革新機構、2010年8月25日
  12. ^ 「国際原子力開発」の設立について~原子力発電プロジェクトに関する提案活動を行う新会社の設立~(pdf) - 産業革新機構、2010年10月15日
  13. ^ 丸紅がチリ第3位の水大手を買収、南米の水事業展開を加速 - ロイター通信社、2010年11月1日(2011年8月15日閲覧)
  14. ^ 新薬開発のベンチャーに出資へ、産業革新機構 - 47NEWS(共同通信社)、2010年11月1日(2011年8月15日閲覧)
  15. ^ 産業革新機構、中小企業のグローバル企業化を支援~太陽光発電・LED 等の成長市場を支える材料加工技術の事業強化を図る株式会社中村超硬への投資~(pdf) - 産業革新機構、2010年12月27日
  16. ^ 官民一体で核磁気共鳴装置、産業革新機構が15億円出資 - 47NEWS(共同通信社)、2011年1月31日(2011年8月15日閲覧)
  17. ^ 産業革新機構、日本初の「格安航空会社」に3割出資 - 産経新聞、2011年3月31日(2011年8月15日閲覧)
  18. ^ 日系の中国現地法人、革新機構が筆頭株主 - 読売新聞、2011年6月14日(2011年8月15日閲覧)
  19. ^ 革新機構、米新興ITに初出資=楽器メーカーに4億7000万円 - 時事通信社、2011年7月20日(2011年8月15日閲覧)
  20. ^ 東芝、スイスのランディス・ギア社株式を取得 - 毎日新聞、2011年8月1日(2011年8月15日閲覧)
  21. ^ 東芝買収のスイス社、4割取得へ産業革新機構 - 朝日新聞、2011年7月26日(2011年8月15日閲覧)
  22. ^ 中小型ディスプレイ事業統合に関する基本合意書の締結について 2011年8月31日、株式会社産業革新機構、ソニー株式会社、株式会社東芝、株式会社日立製作所
  23. ^ フォークリフト事業統合に関する統合基本覚書の締結について 2011年11月29日、株式会社産業革新機構、日立建機株式会社、日産自動車株式会社、TCM株式会社、日産フォークリフト株式会社
  24. ^ 「本邦コンテンツの海外展開を行う㈱All Nippon Entertainment Works の設立」を決定2011年8月15日 - 産業革新機構
  25. ^ 丸紅、英の風力発電建設会社を買収。産業革新機構と共同で - 産経新聞、2012年3月19日(2012年3月31日閲覧)
  26. ^ 動画の会話、識別して広告 - 読売新聞、2012年1月23日(2012年4月1日閲覧)
  27. ^ 電子書籍:「出版デジタル機構」に産業革新機構が出資 - 毎日新聞、2012年3月29日(2012年3月31日閲覧)
  28. ^ “球状太陽電池量産へ新会社 産業革新機構・日立ハイテク 来月、京都ベンチャーの技術活用”. 日本経済新聞. (2011年4月1日) 
  29. ^ シースルー新型太陽電池の事業化を目指すベンチャーへの投資を決定”. 産業革新機構 (2012年4月23日). 2012年4月23日閲覧。
  30. ^ 革新機構とニフティ 日本のコンテンツ、アジアへ発信 - 日本経済新聞、2012年5月10日(2013年9月14日閲覧)
  31. ^ 株式会社産業革新機構、株式会社フジクラおよびNTT エレクトロニクス株式会社とともに、ニスティカ社への出資を決定(pdf) - 産業革新機構
  32. ^ 写真プラットフォームサービス開発ベンチャーへの投資を決定(pdf) - 産業革新機構
  33. ^ 産業革新機構、クレハなどの電池材料会社に100億円出資発表 - 日本経済新聞、2012年7月31日(2013年9月14日閲覧)
  34. ^ 株式会社セレブレクスへの出資を決定(pdf) - 産業革新機構
  35. ^ 産革機構と日本インター、米パワー半導体VBに23億円出資 - 日刊工業新聞、 2012年10月2日(2013年9月13日閲覧)
  36. ^ 中山製綱、金属事業分離で新会社 革新機構が出資、本業集中 - 47NEWS(共同通信)、2012年11月30日(2013年9月13日閲覧)
  37. ^ ルネサスへ出資、6月末に前倒しへ 革新機構など1500億円 - 日本経済新聞、2013年5月29日(2013年9月13日閲覧)
  38. ^ 産業革新機構、東大発ベンチャーに5億円出資 - 日本経済新聞、2012年2月1日(2013年9月13日閲覧)
  39. ^ 第一三共、筋ジストロフィー治療薬開発へ 産業革新機構と新会社設立 - 財経新聞、2012年2月14日(2013年9月13日閲覧)
  40. ^ 産業革新機構、米ソフト開発会社に出資 東光電気などと - 日本経済新聞、2013年2月21日(2013年9月13日閲覧)
  41. ^ 革新機構、織物会社に30億円出資 消費財メーカーは初 - 日本経済新聞、2013年3月5日(2013年9月13日閲覧)
  42. ^ 三菱商事と革新機構がイタリアの太陽光発電会社を買収 50億円で - MSN産経ニュース、2013年3月19日(2013年9月13日閲覧)
  43. ^ 革新機構、医薬品ベンチャーに4億5千万円出資 アクアセラピューティクス - サンケイビズ、2013年4月1日(2013年9月13日閲覧)
  44. ^ 革新機構:クラウド企業ミドクラに12億円出資、仮想化技術に強み(1) - ブルームバーグ、2013年4月3日(2013年9月13日閲覧)
  45. ^ 革新機構が製薬ベンチャーに出資 - サンケイビズ、2013年5月28日(2013年9月13日閲覧)
  46. ^ 革新機構、エクスビジョンに出資-最大1億8000万円 - 日刊工業新聞、2013年7月9日(2013年9月13日閲覧)
  47. ^ 9,000万円はIP Bridgeへの出資。27億5,000万円はIP Bridgeが組成・運営する知財ファンドに対する出資。
  48. ^ 休眠特許買い取りファンド設立 官民で知的財産活用促進 - 日本経済新聞、2013年7月25日(2013年9月13日閲覧)
  49. ^ 日本企業の知財の有効活用を目指す知財マネジメント会社㈱IP Bridgeの設立及び当該会社が運用する知財ファンドへの出資について - 産業革新機構
  50. ^ JTOWER、産業革新機構などから10億円を調達 - CNET Japan、2013年8月12日(2013年9月13日閲覧)
  51. ^ 紀伊國屋書店のアジア向けネット通販事業に産業革新機構が出資 - ITmedia、2013年8月6日(2013年9月13日閲覧)
  52. ^ 革新機構、洋服販売会社に出資 東南アジア進出支援 - 日本経済新聞、2013年8月7日(2013年9月13日閲覧)
  53. ^ iPSベンチャーを支援 革新機構と3メガ銀系、血小板量産で - 日本経済新聞、2013年8月26日(2013年9月13日閲覧)
  54. ^ 産業革新機構、ゼネライト合成技術の東大系ベンチャーに6億円投資 - 環境ビジネスオンライン、2013年9月3日(2013年9月13日閲覧)

関連項目[編集]


外部リンク[編集]