球磨型軽巡洋艦

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球磨型軽巡洋艦
IJN Oi in 1923 at Kure.jpg
竣工当時の「大井」
艦級概観
艦種 軽巡洋艦
艦名 川の名
前型 天龍型軽巡洋艦
次型 長良型軽巡洋艦
性能諸元
排水量 基準:5,100tt
常備:5,500t
満載:5,832t
全長 162.15m
水線長 158.5m
全幅 14.17m
吃水 4.80m (常備)
機関 ロ号艦本式重油専焼水管缶10基&同石炭・重油混焼水管缶2基
+技本式(大井のみブラウン・カーチス式)ギヤード・タービン4基4軸推進
最大出力 90,000 SHP
速力 36.7 kt
航続距離 14 kt / 5,000 NM
燃料 重油:1,260t
石炭:350t
乗員 450名
武装 竣工時
三年式 14cm(50口径)速射砲7基7門
三年式 8cm(40口径)単装高角砲2基2門
六年式 53cm連装魚雷発射管4基8門
一号機雷48個
重雷装化後の大井・北上
三年式 14cm(50口径)速射砲4基
25mm(60口径)連装機銃2基
61cm四連装魚雷発射管10基
回天搭載型化後の北上
八九式 12.7cm(40口径)連装高角砲2基
25mm(60口径)三連装機銃12基
25mm(60口径)単装機銃31基
回天8基
装甲 舷側:63(25+38)mm(機関部のみ)
甲板:16~29mm
主砲防盾:20mm(最厚部)
司令塔:51mm(側盾)、25mm(天蓋)
航空兵装 木曽:水上機:1機
滑走台:1基

球磨型軽巡洋艦(くまがたけいじゅんようかん)は大日本帝国海軍軽巡洋艦。同型艦は5隻。

概要[編集]

天龍型軽巡洋艦を完成させ、軽巡洋艦を運用し始めた日本海軍は本格的軽巡洋艦の建造に着手し始めた。同時期にアメリカ海軍で建造されたオマハ級軽巡洋艦を意識して艦形を大型化して強力な打撃力を求め、付随艦である駆逐艦に合わせた高速力を目指して改設計されたのが本型である。なお、排水量の5,000tは当時、各国で軽巡洋艦の標準クラスとされた。艦形が大型化した事により天龍型で問題とされた低居住性と凌波性は一応の解決を見た。

艦形[編集]

本型の武装配置を示した図。

本型の艦型は天龍型を拡大した形で船体形状は艦首乾舷のみ高い短船首楼型船体である。艦の構造を前部から記述すると、艦首甲板上に主砲の14cm速射砲を単装砲架で背中合わせに1番・2番主砲を1基ずつ計2基を搭載、その背後に露天の操舵艦橋と竣工時から三脚式の前部マストの左右に3番・4番主砲を1基ずつ配置した。

船体中央部に等間隔に立つ3本煙突を前後から挟み込むように53.3cm魚雷発射管が連装で前後に片舷1基ずつ計4基8門を配置した。煙突の周囲には丈の低い煙管型の通風塔が立ち並び、舷側部は艦載艇置き場となっており、艦載艇は2本1組のボート・ダビッドが片舷3組ずつ計6組で運用された。対空火器の8cm高角砲は前型では後部甲板上にあったが、本型から1番煙突の側面部に片舷1基ずつの計2基が配置された。

航空施設を設置した「球磨」の写真。1935年7月に青島を出港するときに撮られたもの。

この頃から航空兵装の搭載が行われ、木曾は長良型のように2番主砲の上部に水上機の滑走台が設けられたがあまり実用的ではなく、当初木曾を除いた各艦は、水上偵察機を分解して搭載し、必要時に組み立てデリックで海面に降ろしていた。後に「球磨」と「多摩」は、のちに呉式2号射出機を5番・6番主砲の間に1基を設置して九〇式二号水上偵察機を運用できるようにした。

機関[編集]

本型の機関は天龍型の基本構成を踏襲しており、ロ号艦政本部式重油専焼水管缶は2基多い10基となり、これに重油・石炭混焼水管缶2基を加えて12基とした。推進機関は海軍技術本部が設計した技本式ギヤード・タービン4基で、このうち2基には巡航用タービンを接続していた。最大出力90,000馬力で速力36.0ノットを発揮したが、日本で開発されたタービンであったためにカタログデータ通りの出力が中々出せず、調整や修理に時間がかかって信頼性を落としていた。また、比較として「大井」のみブラウン・カーチス式タービンを搭載していた。

防御[編集]

本型の防御は天龍型と同一で、舷側に25mmと38mm装甲板を二枚重ねし、装甲範囲は機関部を中甲板から水線下まで覆っていた。甲板防御は中甲板を29mm装甲で防御していた。水線下防御は舷側装甲の裏に1層の水密区画を艦底部まで延長して二重底とする簡易な形式である。

艦歴[編集]

1942年に撮られた「多摩」の写真。本艦は開戦直後の北方警備で船体各所に故障が生じたためにドックで修理された。この時に前部マストを低めると共に日本海軍では珍しい迷彩塗装が施された。
1945年2月18日に撮られた「北上」。回天搭載型に改装された状態。
回天搭載型に改装された「北上」。

改装によって7,000t近くまで排水量が増大したため速力が32kt前後まで低下したことや兵装の弱体化・新型駆逐艦の性能向上などによって本艦型は水雷戦隊を率いることなく、専ら北方防備や兵員輸送任務などに従事した。北上は昭和20年1月に回天搭載用母艦に改装を受け、主砲を撤去して12.7cm連装高角砲2基に換装すると共に後部甲板上に回天投下用のレールを敷いた。

同型艦[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 森 恒英 『軍艦メカニズム図鑑-日本の巡洋艦』グランプリ出版、1993年 ISBN 4-87687-132-9
  • 『世界の艦船 増刊第32集 日本巡洋艦史』海人社、1991年