珍渦虫

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珍渦虫属 Xenoturbella
分類
: 動物Animalia
亜界 : 左右相称動物 Bilateralia
階級なし : 新口動物 Deuterostomia
: 珍渦虫動物門 Xenoturbellida
: 珍渦虫科 Xenoturbellidae
: 珍渦虫属 Xenoturbella
下位分類群
  • X. bocki Westblad, 1949
  • X. westbladi Israelsson, 1999

珍渦虫(ちんうずむし)Xenoturbellaバルト海の海底に生息するウズムシ様の左右相称動物の一種。1属2種のみが知られている小さいグループで、その分類上の位置が永い間定まらなかった謎の多い動物である。

1949年に発見されたが、その分類は長らく謎だった。一時は二枚貝に近い軟体動物であろうとされたが(Noren & Jondelius, 1997) 、あまりにも体の構造が異なることから、この論は驚きをもって受け止められた。しかし実際には、これはサンプルにこの動物が食べた軟体動物幼生が混入していたためらしい(DNAサンプルにもこれが混入して誤認された)。

2003年にDNAによる系統研究が行われ、新口動物に属する独立のグループとされた(Bourlat et al., 2003)。さらにその後の詳細な研究の結果、独立の門「珍渦虫動物門」Xenoturbellida とされている(棘皮動物などに近い:Bourlat et al., 2006)。

長さは4 cm以下でやや細長く、扁平で左右対称。体制は非常に単純で、中枢神経系や、生殖腺その他の独立した器官はない。下向きのとそれに続く""(肛門はない)だけがある。生殖法も不明。表面に繊毛があり散在神経系はある。

Xenoturbella 属は次の2種からなる。今のところバルト海でだけ見つかっている。

  • X. bocki Westblad, 1949
  • X. westbladi Israelsson, 1999

参考文献[編集]

  • S. J. Bourlat, C. Nielsen, A. E. Lockyer, D. Timothy, J. Littlewood, M. J. Telford (2003). "Xenoturbella is a deuterostome that eats molluscs". Nature 424: 925-928.[1]
  • S. J. Bourlat, T. Juliusdottir, C. J. Lowe, R. Freeman, J. Aronowicz, M. Kirschner, E. S. Lander, M. Thorndyke, H. Nakano, A. B. Kohn, A. Heyland, L. L. Moroz, R. R. Copley, M. J. Telford (2006). "Deuterostome phylogeny reveals monophyletic chordates and the new phylum Xenoturbellida". Nature 444: 85-88.
  • O. Israelsson (1999). "New light on the enigmatic Xenoturbella (pylum uncertain): ontogeny and pylogeny". Proceedings: Biological Sciences 266 (1421) : 835-841. [2]
  • M. Noren, U. Jondelius (1997). "Xenoturbella's molluscan relatives...". Nature 390: 31-32.