献血

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米国海軍兵士による献血風景
献血検診車による献血街頭活動(神戸市名谷駅前)

献血(けんけつ)とは輸血血液製剤製造のために無償血液を提供することである。日本では日本赤十字社が全て手がけており、提供された血液は感染症検査の後、各医療機関等へ提供される。

ここでは、主に日本における献血事情について記述する。

経緯[編集]

2014年現在、血液に完全に代わるもの(人工血液)は未だ開発出来ておらず、また代替血液は開発されてはいるが限度がある。そのため輸血には人の血液を使用せざるを得ない。献血制度が整備される以前は売血によって血液の需要を充たしていたが金銭を得る目的で過度に売血をする者が多数現れ、これらから得られる血液は血液としての質(「黄色い血液」)および供血者の健康の面で問題があることが多かったため、2010年現在は日本では輸血用血液は専ら献血によりまかなわれている。

「献血」の語は日本赤十字社中央血液センター所長の大林静男博士によって提唱された。クリスチャンの彼は、輸血可能血液量とその復活量の関係とキリスト教会における「什一献金」から発想のきっかけを得たという。

2005年以前までは献血の根拠となっていたのは1964年の閣議決定だったが、2005年の法改正によって「採血及び供血あつせん業取締法」が名称を「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」と変更した上で大幅に改正された。これにより献血事業の主導権は日本赤十字社から厚生労働省に移った。

安全性[編集]

安全性は以前より格段に向上しているものの、ウイルス感染には感染後一定期間は検出のできないウィンドウ・ピリオド(検査空白期間)があり、この期間に献血された血液は検査をすり抜けてしまう。また、未知の病原体については当然チェックの対象とならない。

また、HIVエイズ)感染を心配する人が検査目的で献血する例が後を絶たず、輸血を受ける患者の感染リスクが高まったことから、検査結果は(もし陽性でも)献血者に通知されない[1]。HIVをはじめとした感染症の検査および相談は、保健福祉事務所(保健所)や検査センターで、無料かつ、匿名で、住所にかかわらず(遠い場所でも)受けることができる。 日本赤十字社も献血時の問診表に「エイズの検査を受けるための献血ですか」という質問を入れることで、エイズ検査目的で献血しようとする人のチェックを行っている。また、ポスターなどでも注意を促している。

問診においては服薬・体調・病歴や海外渡航歴などプライバシーに関わることも含まれているため、個室にて行われる。医師が事前検査や問診を通じて献血者保護と血液製剤の安全性が確保できると判断できない場合は献血ができない場合もある。また、輸血歴(自己血は除く)の有無やヒト由来プラセンタの投薬の有無が不明な場合も次回に献血を延期してもらうことがあるため注意が必要である。

種類と基準[編集]

大別して、血液の成分すべてを採取する全血献血と特定の成分のみを採取する成分献血がある[2][3]

  • 全血献血
    • 200mL献血
    • 400mL献血
  • 成分献血
献血の種類
全血献血 成分献血
200mL献血 400mL献血 血漿献血 血小板献血
1回献血量 200mL 400mL 600mL以下
(循環血液量の12%以内)
400mL以下
年齢 16~69歳 男性:17~69歳
女性:18~69歳
18~69歳 男性:18~69歳
女性:18~54歳
可能な体重 男性:45kg以上
女性:40kg以上
50kg以上 男性:45kg以上
女性:40kg以上
男性:45kg以上
女性:40kg以上
最高血圧 90mmHg以上 90mmHg以上 90mmHg以上 90mmHg以上
血色素量 男性:12.5g/dL以上
女性:12.0g/dL以上
男性:13.0g/dL以上
女性:12.5g/dL以上
12.0g/dL以上 12.0g/dL以上
血小板数 なし なし なし 15万/uL以上
年間可能献血回数 男性:6回
女性:4回
男性:3回
女性:2回
24回
(血小板は1回を2回に換算)
24回
(血小板は1回を2回に換算)
年間総献血量 男性:1200mL以内
女性:800mL以内
男性:1200mL以内
女性:800mL以内
なし なし
次回献血可能日 男女とも4週間以上 男女とも8週間以上(成分献血)
男性:12週間以上(全血献血)
女性:16週間以上(全血献血)
男女とも2週間以上 男女とも2週間以上
全血献血は年間採血量に限度があり、男性では1200mL・女性では800mL
成分献血は年間回数に限度があり、血小板は1回を2回に換算して合計24回(血小板だけなら年に12回)

65歳から69歳の献血は、献血者の健康を考え、60歳から64歳の間に献血経験がある人に限られる。

400mL全血献血および成分献血が行われる以前は200mL全血献血だけであった。400mL献血はより多くの血液を1人の献血者から採血することによって、輸血時の発熱・発疹・感染等の副作用低減を期待できる。成分献血は回復に時間を要する赤血球を献血者に戻すため、全血献血に比べてより多くの血小板や血漿を採血できる。献血をする側の身体や臓器への負担は200mL献血もしくは成分献血が比較的軽いが、400mL献血であっても日常生活に支障はなく、健康体であれば身体的にも害はないということになっている。

成分献血は一旦全血を採取し、遠心分離器で得た必要な成分を回収した後、遠心分離器内で抗凝固薬クエン酸ナトリウム)を混ぜた残りの血液を体内に返血する手順を複数回(主に3 - 4回、機械・体調等により決定)繰り返す。そのため採血に時間がかかる(30 - 90分)。

上記の条件や採血設備、血液の需要、所要時間などが考慮された上でいずれかの献血への協力を要請されるが、その決定については献血者の意思が優先される。通常、成分献血が可能であれば成分献血を勧められ、不可能な場合は400mLが可能であれば400mLを勧められる。なお成分献血において血小板献血・血漿献血の別は献血者には知らされないこともある。なお、学校や会社などによる献血の場合は、全血献血が行われる事が多い[4]

血小板献血で採血に血漿を含まないときは、1週間後に血小板成分献血が可能になる。ただし4週間に4回実施した場合には次回までに4週間以上空けなくてはならない。なお、血小板は採血してから保存できる期間が非常に短い(採血後4日間、輸血の項を参照)ため、その日の血小板採血予定量を超えた場合、成分献血は血漿のみになることもある。

2011年4月1日より、男性のみ400mL全血献血の対象年齢が18歳から17歳に引き下げられ、男女とも18歳から54歳に限定されている血小板成分献血については、男性のみ上限を69歳に引き上げた[5]

献血の実際[編集]

日本における街頭献血の様子(神戸市名谷駅前)

準備[編集]

献血にまず必要なものは自信を持って「標準的な範囲で健康」であると言える肉体である。その上で、初回の献血時もしくは2004年10月1日以降に血液センター身分証明書の提示をしていない場合、もしくは献血カードの献血履歴の血液センター名の右側に「1」(2006年10月1日のカード移行後に献血していない場合やカードに移行していない場合は献血手帳に「確認1」)が記載されていない場合は身分証明書の提示が必要である。これは、献血する人がその人本人であることを確認する(虚偽の住所や氏名を使っていないかを確認する)ためのものである。未確認者から身元証明が3回連続で為されなかった場合は献血申し出を断る規定が2006年4月から導入された。

血液センターや献血ルームによっては需給の調整のため、電話などによる事前の予約を勧めている場所もある。また、特殊な血液型ヒト白血球型抗原 (HLA) 適合を要求される場合などは、あらかじめ登録された人などに対して献血要請を行なう場合がある。毎年献血者数が減少する時期には、先に献血要請を出す場合もある。

献血できる場所[編集]

移動採血車による街頭での献血。車体左側には天幕が張り出せるようになっており、テントを別に張らない場合にはこの下に受付の机が置かれる。写真の右手に見えるのは受付用テント。2006年3月、福岡市博多駅前にて撮影
千葉県、船橋フェイスビル献血ルームの様子。順番待ちや献血後の休憩などのために、イスやテーブルが用意されている。順番が来たら奥の採血室に入り献血を行う。

献血は各地にある血液センター(一部を除く)や献血ルームのほか、駅前や繁華街などに派遣されるバス型の移動採血車で行われる。移動採血車は単体でも活動するが、会場によっては他の移動採血車やテントなどを運ぶ軽トラックワゴン車などの資材車と2台またはそれ以上のキャラバンが編成される場合もある。

  • 移動採血車は、街頭献血と呼ばれる駅前や繁華街などでの一般への協力の呼びかけや企業や学校などの集団献血等で利用される。主に200mL/400mLの採血を行なう。なお、血液センターの方針によっては400mLの献血のみしか受け付けない場合がある(例:神奈川県)。
  • 過去には成分献血専用車両を整備するなど、移動採血車においての成分献血も行われていたが、現在はほとんど行われていない。
  • 血液センターや献血ルームでは成分献血が広く行なわれている[6]

献血の手順[編集]

まず、問診票に所定の事項を記入する(タッチパネル式を導入している献血ルームもあり)。その後、医師による記入内容の問診と血圧測定(最高血圧が90mmHg以上であること)および心拍数測定があり、さらに看護師によって少量の血液(約2mL)が採取され、血液で感染する病気(エイズ、ヤコブ病、A型肝炎等でないかの検査)血液型や血液の比重を調べる(順番はルームや状況によって異なるが、いずれにしても医師が献血適否を最終的に判断する)。

油脂分や砂糖を多く含む食事は、血液中の糖分(血糖値)や脂肪分の上昇の原因となる。献血の直前にそのようなものを食べた場合は血液検査の際に申し出るよう指導しているところもある。このほか、年始などに飲酒の有無を訪ねることがある。

血液比重検査(一定濃度に調製した硫酸銅溶液に血液を滴下し、沈降するか否かを見る)、もしくは赤血球指数やヘモグロビン濃度 (Hb) の測定(機器を利用)が行われる。血液が一定比重以上(200mL全血・各主成分献血で1.052以上、400mL全血献血で比重1.053以上[7])、またはHb値(200mL全血、血漿成分献血は12.0以上[8]、400mL全血、血小板成分献血は12.5g/dl)に達していなければ献血をすることはできない。

40代になって初めての献血および40代以降の成分献血の場合、過去1年間に心電図の検査を受けて異常がない人に限られ、検査を受けていない場合は検査する。

献血での採血針は、血液検査や点滴で使用する針より太い(17G:ゲージ)。採血針・採血キット・採血バッグは、滅菌済みのディスポ(ディスポーサブル。一回ずつ使い捨て)である。

検査用の採血と本採血は別々の腕で行われる。ただし、本採血については、血管が細いなどの理由で片腕だけでは時間がかかる場合にまれに両腕で同時に採血することがある他、成分献血の採血機械によって両腕(片方から採血、片方から返血)に穿刺することがある。なお、検査および本採血時に穿刺が失敗した場合(血液が漏れ出す等)、採血中止となる。

所要時間は血圧や血管の太さなどにより個人差があるが、200mL献血・400mL献血共に約5 - 15分、成分献血の場合約30 - 90分かかる。

血液を採取する時のベッドは上半身に血液が多くなるよう足側が高くなるように作られている。多くの場合、靴を履いたままあがってよいが、もちろん脱いでもよい。

採血の際に試験管の半分の量を二本を分けて血液パックとは別に採血される(献血のはじめの方で小さなパックの方に血液がたまり、これを検査の採血と同様に試験管に移す)。ここで採取される血液は「初流血」と呼ばれ、採血用の注射針を刺した際に毛穴(毛のう)の中の細菌等が混入するのを防ぐために輸血用血液とは分けて採取するものである。なお、この際に採取された血液は検査用血液として利用される。

採血に先立ち、温かい飲み物を飲んでおくよう指導される事がある。体温が上がると、より短時間で採血が完了し、献血者の負担が軽減できることと、待ち時間が短縮できるメリットがある。また採血をする際にも血液は大部分が血漿(液体部分)から構成されるため、採血後にも水分(スポーツドリンクなど)を多く摂取するように説明・指導される。これは事前の問診でも医師に指導されるが、体の負担を減らすとともに、回復を早めるためである。

なお、献血中に失神の症状が出た場合、看護師にその旨を訴えると直ちに献血が中止される。

また、多くの献血ルームでは採血中の退屈を紛らすため、テレビやビデオデッキDVDプレーヤー、ゲーム機などが設置されており、テレビ番組や備え付けの映画ソフトなどを見ることができる。ロビーの雑誌や漫画を持ち込むことも可能。飲食物の持ち込みは衛生上、保健所により禁止指示を受けているルームもある。

献血後[編集]

止血バンドを20分以上したままにし(包帯のみの場合もある)、ルーム内や仮設テント等で休憩や水分補給をする。

所定の記録が記載され、愛-Caもしくは献血手帳(初献血の場合は1冊目が交付される)が献血後の注意書き等と共に渡される。また、「今一度、ご確認をお願いします!」という印刷物が渡される[9]。この印刷物に献血バックと同じ採血番号が貼られる。内容は献血前にも行った問診の再確認で、

  1. 不特定の異性または新たな異性との性的接触があった。
  2. 男性どうしの性的接触があった。
  3. 麻薬覚せい剤を使用した。
  4. エイズ検査(HIV検査)の結果が陽性だった(6か月以前も含む)。
  5. 上記1 - 4に該当する人と性的接触をもった。

と記載されており、エイズ検査の結果が陽性だった場合を含み、献血する6か月以内にいずれかに該当する項目があった場合は献血したその日のうちに印刷物に記載されている電話番号に連絡するよう記載されている。電話する場合は採血番号と生年月日を話す必要があるが、各都道府県赤十字血液センターではプライバシーは確実に守られると記載がある。

併せて、ボールペン絆創膏などの粗品が贈られることが多い。スタンプカードなどを用いたキャンペーンもしばしば行われている。テレホンカード図書券等の金券類が贈られた時期もあるが、「法的に売血となる恐れがある」との指摘により2010年現在は廃止されている。また、献血の回数に応じて記念品や感謝状などが贈られる(表彰記章#日本赤十字社を参照)。

献血直後の排尿は男性でも必ず座位で行うよう指導される。これは、採血と排尿が共に血管迷走神経反射性失神の原因となるため、それらが重なる献血直後の排尿を立位で行うと、失神して転倒する危険が高まるためである。実際に、これが原因ではないかと疑われる事故が起こっている(後述)。

献血後、献血に起因する何らかの障害により医療機関を受診した場合は、救済制度により医療費などが支給される。

献血会場でのサービス[編集]

献血会場では、献血前のリラックスや献血後の休息・水分補給のため簡単な菓子、飲み物等が提供されている。また、最近では長時間に渡る献血に備えて、読書やDVDコーナーなども充実している所が多くなった。

統計[編集]

若年層の献血離れ[編集]

1985年の献血実績を2008年と比較すると、10・20歳代ともに献血者が大幅に減っている[10]。1985年時点での16 - 19歳(10歳代)は献血者179万人、献血率[11]25%で、20歳代は献血者260万人、献血率は17.6%だった。しかし2008年度は16 - 19歳の献血者が1985年の5分の1に、20歳代は半分以下になった。人通りの多い駅前や繁華街、さらに職場や学校などへの移動採血車の出動を増やしたり、移動採血車の出動場所や献血ルーム周辺での呼び込みを強化している[12]

献血ができない例[編集]

詳細は日本赤十字社公式サイト 献血をご遠慮いただく場合を参照。

献血する人への負担軽減の理由から[編集]

  • 体調が良くない
  • 食事を2回抜いている(朝食・昼食を抜いて午後に献血など)
    • 一食だけ抜いている場合は用意されている菓子などを摂るように薦められる。
  • 特定の病気の罹患または既往歴がある。
  • 睡眠不足(おおむね4時間以下。しかし生活習慣として恒常化している場合は自己申告ののちに医師の判断となる。基本的に睡眠時間が不足していれば受付で献血を断られるが、当日の採血計画を大きく下回るなどの状況によっては仮眠時間なども聞かれて医師の問診に通されることもある)
  • 40kg未満の女性、45kg未満の男性(200mL献血)。50kg未満(400mL献血)。
  • 65歳以上の場合、健康面から60歳 - 64歳までの間に献血経験のある場合に限る。
  • 妊娠授乳中の女性
  • 血液比重の数値が低い(Hbが低い)
  • 心電図異常

輸血される側の安全の理由から[編集]

  • 発熱時・体調が思わしくない場合。
  • 特定の病気の罹患または既往歴がある。
  • 特定の感染症(感染症新法に定められたほとんどの感染症)の感染疑いがある場合。

感染症疾患[編集]

採血された血液は抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗体、HIV-1抗体、HTLV-1抗体、パルボウイルスや梅毒の7項目を検査されるが、感染後間もないウィルスはウインドウ・ピリオド期間内では検知出来ずに、輸血による二次感染を招いた事例がある。以下に当てはまる場合は献血を辞退し、献血後に気付いた場合は輸血を防ぐために一刻も早く血液センターへ連絡する必要がある。

  • HIV感染の可能性がある場合(6か月以内に不特定の異性と性的接触を持った、男性同士で性的接触を持った、覚せい剤・麻薬類の注射、針刺し事故の経験およびHIV陽性者・エイズ発症者)。
  • 肝炎ウイルス感染の可能性がある場合(急性のA,E型は治癒後6か月で献血可能だが、B,C型のキャリアは根治後も出来ない)。
  • 伝染性紅斑感染の疑いがあるか、家族または周囲の集団にいる場合。
  • 新型インフルエンザウイルス感染の疑いが有る場合。輸血を通じて感染するおそれがあるため、献血してから発覚した場合はただちに連絡を入れる必要がある。

服薬・輸血[編集]

  • 輸血歴(手術時などの自己血輸血を除く)・臓器移植歴(ヒト乾燥硬膜を含む)がある。
    • 血液や臓器には未知の病原体が多数あり、その全容は今後も解明されないだろうという認識がある。
  • 保健薬(栄養ドリンク胃腸薬の一部)を除いた服薬。
    • 風邪薬漢方薬なども含む。問診に於いては「直近3日以内」が不適格基準とされているが、薬剤によってはさらに長い期間体内に貯留したり血液に影響を与える物もある。3日以内ならサプリメントの服用も問診時に相談することが望ましい。
    • 花粉症の市販薬は服用していても献血に支障がない[13]。医師からの処方を受けた薬の場合、その種類[14]により問診した医師が献血の可否を判断する。
    • トレチノイン製剤(特にエトレチナート)は最後の服薬から2年以上、抗腫瘍薬は5年を経過しないと献血できない。
  • 予防接種・ワクチン・血清後の一定期間(不活性化ワクチンで24時間、生ワクチンで4週間、種痘で2か月、抗血清で3か月)。
  • 狂犬病接種対象外の動物に噛まれて狂犬病ワクチンを接種後1年間、HBグロブリン投与後1年間。
  • 健康食品を除くヒト由来の胎盤プラセンタ)を用いた薬剤使用者
  • 男性型脱毛症の治療に使われる育毛服用剤を使用の際は一定期間。例えばフィナステリドは内服後1か月間。

歯科・外科治療[編集]

  • 抜歯、出血を伴う歯科施術後3日間(歯石取りなどの施術も含まれる)。
  • 輸血(自己血を除く)・臓器移植を伴わない外傷疾病による手術後は最低6か月間。

vCJD関連・日本国外渡航者[編集]

日本国外渡航者
  • 日本国外から帰国後4週間以内(2005年2月より実施)
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)関連

英国渡航からの帰国後に献血した日本人男性がvCJDを発症して死亡した事が2005年2月に明らかとなり、同年3月末より以下の規制が設けられている。

  • 1980年以降に欧州を中心とした約35か国に、厳重警戒地域では6か月以上、それ以外の地域でも5年以上の滞在歴がある場合。
    • 英国に1980年から1996年に1日でも滞在した場合は献血ができなくなっていたが、2010年1月27日より通算1か月以上(31日以上)滞在した場合へと緩和された[15]
日本国外特有の伝染病・感染症

ワクチン投与[編集]

各ワクチンは投与後、一定期間の献血が不可能となる。

  • 24時間(不活化ワクチン及びトキソイド)

A型肝炎、インフルエンザ、日本脳炎、コレラ、肺炎球菌、百日咳、破傷風

  • 4週間

B型肝炎、おたふくかぜ、風疹、BCG

  • 2か月

天然痘

  • 3か月(抗血清)

破傷風、蛇毒、ガス壊疽、ボツリヌス

  • 6か月

抗HBs人免疫グロブリン

  • 1年

狂犬病ワクチン

外傷・皮膚疾患[編集]

  • ピアスの穴開け施術後の一定期間。
    • 医療機関で行った場合および使い捨て器具を使用した場合は最低でも1か月間、医療機関以外(友人同士など)で行った場合では1年間にわたって献血できない。なお粘膜を貫通している場合(鼻腔口唇など)一切献血できない。
  • 入れ墨施術(アートメイクを含む)後、1年間。
  • 骨折靱帯損傷などの骨関節外傷治療中。

以下のケースは血液に細菌が混じっている恐れがある。

  • 怪我をして化膿ないし、じくじくした生傷がある。
  • 出血を伴う口内炎に罹っている。
  • などに噛まれた場合。

そのほか、成分献血の返血の際に内出血があった場合、反対側の腕の血管が細いなどの理由で返血できなかった場合は成分献血ではなく全血献血扱いとなり、次回献血可能日も全血献血に相当する期間となる。

献血カードと献血手帳[編集]

献血手帳[編集]

献血者コードならびに献血した日付・場所・採血種類を記した手帳。献血前に前回の採血日時を確認するために必要。発行は各地域(主に都府県ごと)の赤十字血液センターだが、日本全国共通で利用できる。

10回分の記入欄があり、欄が埋まると新しいものが交付される。400mL献血および成分献血の導入当初は、400mL 1回で2回分、成分献血1回で3回分として記入されていた(協力促進のため。すなわち、記録上の献血回数が実際の回数より多くなる)が、1995年4月1日以降はいずれも等しく1回として記入される。

献血手帳の歴史的経緯や、この通知発効後は献血手帳の有無に関わらず公平に輸血が受けられる事等が記されている。嘗ては献血経験者およびその家族は優先的に輸血を受けられる旨定められていた。このため、手術で輸血が必要な場合は患者や家族に献血手帳保持の有無が尋ねられ、ない場合は家族がその場で献血するような事態もあったという。[要出典]

従来、手帳には「既献血回数」と共に「供給本数」の欄もあった(これゆえ、別称血液通帳)が、上述の精神に則り「供給 - 」は1981年度で削除された。

献血カード「愛-Ca(アイカ)」の導入[編集]

2006年10月から献血手帳に替わり磁気記録式の献血カードが導入された。札幌、山梨、岡山の各血液センターでは2006年8月に手帳を廃止し献血カードを先行導入した。その他の血液センターは2006年10月に献血カードへ移行した。なお、献血カード導入以前の献血手帳の情報は献血カードへ移し変えることができる。手帳の履歴欄に空欄が残っている場合は、申し出により全部埋まるまで継続使用できる。なお、手帳の「廃止」は明言されておらず、全記録を手元に残したいなどの理由で引き続き手帳での利用を希望する場合には、献血センターによっては献血手帳の利用が可能なところもある(各地で協力者個々による問い合わせが行われているが、その全てに“手帳も従来どおり手続き可能”の公式回答がされている)。[要出典]

カードには4桁の暗証番号を設定することになっており、これにより本人確認を行うことになった。

カード裏面には上段から献血者コード番号、献血者氏名(姓・カタカナ表記)、献血者氏名(名・カタカナ表記)、献血回数、血液型(ABO式、Rh式)、直近3回分の献血履歴(日付、献血方法、採血センター名、本人確認区分[16])、献血方法別の次回献血可能日、表彰・顕彰の記録、最新献血センター名、最新献血センターの電話番号が表示されている。この表示は献血を行うごとに毎回書き換えられるようになっている。他、専用リーダーのみで読み出し可能な磁気情報で住所・漢字表記の氏名・生年月日が記録される。

なお、北海道ではこれ以前の1998年から献血カードが導入されていた。暗証番号は設定されてはいなかったものの、カード裏面に様々な情報が記録されることは全く同じであった。当時はその他の地域では献血手帳が用いられていたため、その献血カードは北海道内でしか使用できないものであり、他都府県で献血カードを出した場合は献血手帳が発行されていた。

献血手帳の歴史[編集]

  • 1952年:供血者に「供血感謝のしるし」発行
  • 1954年:「奉仕供血手帳」発行
  • 1961年:「奉仕供血手帳」を「献血手帳」に改称
  • 1962年:「献血手帳」(緑表紙)に加えて「預血手帳」(青表紙)も発行
  • 1964年:預血手帳廃止
  • 1965年:献血手帳、冊子型に様式改正(外皮は現行型の“赤地に金のマージン”に)。預血手帳の要素が入り「供給欄」を記載
  • 1970年:様式改訂。従来型の二つ折りカードに
  • 1980年:書式改訂。輸血の優先権条文を削除
  • 1982年:書式改訂。「供給欄」を削除
  • 2006年10月:制度全面改訂。愛-ca、全国で使用開始[17]

献血メールクラブ[編集]

各都道府県の献血センターにある献血メールクラブに会員登録すると、毎月献血センターからキャンペーンやイベントなどを知らせるメールや、血液が不足したときには献血依頼がメールで届く(献血は強制ではない)。献血依頼は、前回との献血の間隔や年間の献血回数の条件をクリアした人の中から、その時に足りない血液型の会員に、必要な人数しか依頼メールを送らないため、会員でも依頼が来る人と来ない人がいる。

また、インターネット上で自分の血液検査の結果を見ることができる[18](献血者コードと会員登録時に設定したパスワードが必要)。

2011年10月3日からメールクラブの会員は献血カードを黒地に世界地図が描かれたカードか、赤地にけんけつちゃんが描かれたカードに換えることができるようになった。

会員登録には献血者コード(2桁+8桁の番号)が必要となるため、一度献血をして、献血者コードを取得する必要がある。

献血関連の事件[編集]

キャラクター[編集]

各地の献血キャラクター[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ HIV・エイズ(AIDS)・性感染症の検査・相談窓口情報サイト
  2. ^ 献血方法別の採血基準 (PDF) - 日本赤十字社
  3. ^ 献血基準 - 日本赤十字社
  4. ^ 学校は16歳以上の年齢のいる学校で行われ、高校では16歳の生徒がいる関係で200mL献血、それ以外の学校では400mL献血が行われる。
  5. ^ 平成23年4月1日より採血基準が一部改正されます - 日本赤十字社
  6. ^ 一部の献血ルームでは設置場所や広さの制約からか、成分献血を行っていない場所もある(例:札幌大通献血ルーム、東京新宿西口献血ルームなど)
  7. ^ 例外として北海道ブロックではCE(ヨーロッパ評議会)基準に準じて男性について200mL全血で13.0g/dl以上、400mL全血で13.5g/dl以上のHb値を基準としている
  8. ^ 例外として血漿成分献血では、女性で一定の赤血球指数を超える場合、11.5g/dl以上で可能である
  9. ^ お願い! (PDF) 2ページ右下、埼玉県での例 - 埼玉県赤十字血液センター
  10. ^ 「尋常じゃない」若者の献血離れ 将来に不安、献血年齢一部引き下げ - J-CASTニュース2010年1月2日
  11. ^ 人口に占める献血した人の割合
  12. ^ 若年層献血キャンペーン - 埼玉県赤十字血液センター
  13. ^ Q.服薬していると献血はできないのでしょうか。 - 日本赤十字社
  14. ^ セレスタミンなど
  15. ^ 英国滞在歴に関する献血制限について - 日本赤十字社
  16. ^ 1=運転免許証、パスポートなど公的機関によるもので確認できた場合。2=社員証、クレジットカードなどの作成時に公的機関で本人証明がされているもので確認できた場合。3=証明書不携帯
  17. ^ 献血カード (PDF) - 日本赤十字社
  18. ^ 複数回献血クラブ - 日本赤十字社

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]