熱気バサラ

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熱気 バサラ

熱気 バサラ(ねっき バサラ、BASARA NEKKI)は、テレビアニメマクロス7』および、その関連作品に登場する架空の人物。声の出演は林延年(現・神奈延年)、歌唱パートを福山芳樹が担当している。

概要[編集]

『マクロス7』本編および、複数の関連作品における主人公ロックバンドFIRE BOMBER」のメインボーカルリードギターを担当する。21歳(『マクロス7』の舞台となる2045年時点)。逆立った髪と、旅先で拾った[3]丸縁、青いレンズのサングラスをかけた姿が特徴。バービーボーイズいまみちともたかがモデルではないかという指摘もある。[要出典]

自分のと音楽に対する並外れた情熱を有し[4]、その可能性に挑戦する姿勢を常に崩さない。バンドリーダーで元統合軍パイロットのレイ・ラブロックを通じて極秘に提供され、専用にカスタマイズされた可変戦闘機VF-19改(通称ファイアーバルキリー)に搭乗し、戦場に飛び出して決して戦うことなく歌い続け、謎の敵に対しても自分の歌を伝えようとする。その姿は当初人々に異端視されるが、次第に周囲の共感を呼び、敵生命体プロトデビルンもその歌に多大な影響を受けることになる。常人をはるかに超えた「歌エネルギー」の持ち主であり、その正体はプロトカルチャーの時代にプロトデビルンを封印した特殊な力の持ち主と同様の「アニマスピリチア」であるとされる。

キャラクター名は日本の南北朝時代に体制に媚びずに自由に生きていた「バサラ者」から取られており、シリーズ構成富田祐弘が命名した。富田は誰もが持っている潜在的なパワーを炎のように燃やして発散する主人公を描きたい、とテレビアニメ放送中に行われた雑誌のインタビュー記事で語っている[5]

アニメ雑誌アニメージュ』の第17回アニメグランプリの男性キャラクター部門では第2位[6]、翌年の第18回同部門では第4位を獲得した[7]

バサラの歌担当の福山芳樹と声担当の神奈延年は2007年の『マクロス25周年記念ライブ Minmay meets Fire Bomber』での共演を契機にユニット「福神」を結成し、ライブではFIRE BOMBERの曲も歌っている。

経歴[編集]

出自は上記プロフィールにもあるとおり一切不明。7歳のころにはギターを担いでおり、自分の歌で山を動かそうと思い、毎日山に向かって歌っていた[8]。そのころに放浪中のレイと初めて出会い、14歳のころ、レイと再会しバンド活動の誘いを受ける。2038年に出航した第37次超長距離移民船団(通称マクロス7船団)の都市艦シティ7に付属する船団未登録エリア「アクショ」に住み、そこを拠点にライブ活動を行う。なお、アクショ自体が公的には存在しないエリアのため、そこに住むバサラは市民登録をしていない。

2045年3月、バロータ軍のマクロス7船団襲撃(バロータ戦役)に際しVF-19改で戦場に乗り込み歌い始める。同年4月のメジャーデビュー、5月のテレビドラマ「リン・ミンメイ物語」出演を契機に世に知られる存在となる。また、その歌がバロータ兵に施された洗脳の解除、それを率いるプロトデビルンに対し苦痛を与え撤退させるといった効果を示すことが確認されたため、9月には民間協力隊「サウンドフォース」が編成され、バンドメンバーと共に軍の指揮下に組み込まれる。

10月以降、自身と接触し眠りについたプロトデビルンの1体・シビルと邂逅し、歌で目覚めさせようとするが思い通りにならず、11月から12月までの間、自分の歌う意味を探して放浪の旅に出る。旅の果てに、シビルを歌で目覚めさせ、彼女と共に宇宙を飛び回り銀河を巡る体験を経て、自らの歌への想いと在り方を悟る。以降歌うことへの迷いは消え、2046年2月、その歌によりプロトデビルンとの戦争を終結させることになる。

2047年(『マクロス ダイナマイト7』)には再びミレーヌらを置いて放浪の旅に出る。たどり着いた先の惑星ゾラでは、宇宙を回遊してくる謎の存在「銀河クジラ」に歌を聞かせようとする。この作品にはファイアーバルキリーは登場せず、バサラはゾラにある機体を借りて宇宙に出る。

非売品ドラマCD『マクロス ダイナマイト7 Fire Bomber GALAXY FUN NET CD』ではマクロス7へ帰還後のエピソードが描かれる。その後はマクロス7船団に帰ることなく銀河各地を放浪し、時々新曲を送るという活動を続ける[9][10]

2060年、13年ぶりにリリースされたアルバム「Re.FIRE!!」では銀河ネットワークの回線を通してセッションに参加する[9]

人物像[編集]

性格[編集]

歌に情熱を燃やし、不屈の精神を持つと同時に言動は常に自由奔放で、規則や命令に縛られること、他人の意思に従って歌うことを嫌い、自分の「歌いたい時に歌う」という主義の持ち主。ライブでは頻繁に遅刻し、時には事前の契約内容とまったく異なる歌を歌う場合もある[11]一方で、音楽には厳しい態度をとることもある[12]。こうした態度はバサラをよく知らない者には理解されないため諍いを招くこともあり、2045年に加入するミレーヌ・ジーナス以前に加入していたバンドのメンバーは、バサラが原因で辞めている[13]。ミレーヌとも口論が絶えないが、それまでのメンバーと違い歌となると非常に息が合い[14]、ボーカリストとして互いを認め合っている。

暴力による解決を嫌っており、危機的状況にあっても決して自ら暴力を行使しようとせず、自分の歌を聞かせようとする。自身の乗る可変戦闘機に護身用のミサイルを搭載することすら拒むほど武器・兵器に否定的で、攻撃を命令したり歌を軍事目的で利用しようとする軍、および軍関係者にはしばしば反発する。しかしながら『マクロス7』序盤においては、人命を救うためにやむをえずファイアーバルキリーに搭載された護身用のミサイルを撃つ場面があり、そのたびに後で思い悩む姿が描かれる。

ミレーヌやレックスなど、周囲の女性から思いを寄せられる機会が多いが、バサラ自身が女性を異性として意識する場面は見られない[15]

技能[編集]

可変戦闘機の操縦においては、伝説の天才マクシミリアン・ジーナス(マックス)が一目置き[16]、マクロス7船団のトップエースであるガムリン木崎も認めるほどの技量を有し、ただでさえ操縦の難しさで知られるVF-19を、ギター型に改造されたコントロールシステムを用いて平然と操縦し、高速連続反転(QM69)などの高等技術を演奏しながら使用する[17]など、正規の訓練を受けていないにもかかわらず天才的な操縦技術を持ち合わせている。戦闘中は主にバトロイド形態を使用し、ファイター形態は戦闘宙域への移動時などに用いる。また、ガウォーク形態は当初一切使用することなく、『マクロス7』第14話の市街戦において、ミリア・ファリーナ・ジーナスにその形態の存在を指摘されて初めて同形態への変形を行う。変形直後は操縦に失敗し、その場でミリアの簡単な指導を受けることによって扱えるようになる。『マクロス ダイナマイト7』では、普通の可変戦闘機のコクピット内で、歌いながらアコースティックギターを弾きつつ操縦桿やスロットルをギター越しで操作するという離れ業を行う。

また、ライブ会場ではパラシュートを用いたパフォーマンスを行う[18]ほか、素手での格闘では一人で多数を相手に圧倒し[19]、バイクで暴走族チームを翻弄する[20]ハンググライダーを乗りこなす[21]など、歌のみにとどまらず多彩な面で人並み外れた実力を発揮するが、これらの技能をどのような経緯で身に付けたのかについては劇中および関連資料でも一切語られていない。

口癖・決め台詞[編集]

バサラが戦場で歌う際は『マクロス7』第2話以降「俺の歌を聞け」と叫ぶのが通例で、バサラの代表的な決め台詞とされる。この台詞は番組告知用のポスターや、CM[22]次回予告の締めの台詞としても使用されている。その他、「ファイアー」「ボンバー」などといった台詞を頻繁に口にする。

マクロスF』ではヒロインで歌手のシェリル・ノームがバサラへのオマージュ[23]として「私(あたし)の歌を聞け」という決め台詞をライブで歌い始める際に発する。

歌唱曲[編集]

EMILIA with BASARA NEKKI
マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』に登場するエミリア・ジーナス(歌 - 奥土居美可)とのデュエット曲。CDシングル『HEART & SOUL』、アルバム『マクロス ソング・コレクション 2002』に収録。
  • HEART & SOUL (作詞 - K.INOJO / 作曲 - 川野美紀 / 編曲 - 田中裕千)
熱気バサラ
熱気バサラ個人名義の曲。FIRE BOMBER名義の曲のアコースティック・バージョンも「熱気バサラ」または「BASARA NEKKI」名義となっている場合がある。
熱気バサラ・エルマ
マクロス ダイナマイト7』に登場するエルマ・ホイリー(歌 - 阪口あや)とのデュエット曲。本編では使用されておらず、CDアルバム『ZZNKQB ZOLA RADIO FIRE!!』に3曲が収録されている。FIRE BOMBERの曲を基にしているが、いずれもアレンジが異なっている。
  • 夢の道〜ON THE ZOLA ROAD (作詞 - 福山恭子 / 作曲 - 福山芳樹 / 編曲 - 野崎圭一)
  • MY SOUL FOR YOU〜ZOLA DREAMIN' (作詞 - K.INOJO / 作曲 - 福山芳樹 / 編曲 - 蛭子圭一)
  • PLANET DANCE IN ZOLA (作詞 - K.INOJO・アミノテツロー / 作曲 - 須藤英樹 / 編曲 - 河内淳貴・野崎圭一)

搭乗機[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i CDシングル『SEVENTH MOON』ジャケット裏、『FIRE BOMBER 公式プログラム in マクロス7』18頁
  2. ^ 生年は『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロス7』(小学館、1995年、20頁)では2025年とされている。
  3. ^ VHS/LD/DVD『マクロス7 2』映像特典「マクロス7ぷらす 突撃あこーすてぃっくラブハート」
  4. ^ VHS/LD『マクロス7 1』ライナーノート
  5. ^ 『アニメージュ』1995年2月号、徳間書店、23頁。
  6. ^ 『アニメージュ』1995年5月号、44-45頁。『幽☆遊☆白書』の蔵馬に次ぐ。
  7. ^ 『アニメージュ』1996年5月号、32-33頁。『新機動戦記ガンダムW』のデュオ・マックスウェル、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ、『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイに次ぐ。
  8. ^ 『マクロス7』第49話「銀河に響く歌声」バサラの台詞。
  9. ^ a b CDアルバム『Re.Fire!!』ブックレット、flying DOG、2009年。
  10. ^ マクロスエース』に連載されている漫画「マクロス7thコード」では、『マクロス7』の7年後、シティ7に帰還した姿が描かれている。
  11. ^ 『マクロス7』第7話「サマーアクシデント」
  12. ^ 『マクロス7』第9話「エンジェルナイト」ほか。
  13. ^ 『マクロス7』第9話「エンジェルナイト」レイの台詞。
  14. ^ 『マクロス7』第18話「おちていく小悪魔」レイの台詞。
  15. ^ 『マクロス7』シリーズ構成富田祐弘は『アニメージュ』1995年8月号、38頁において、「おそらく無意識に無視してきたんでしょう。まだ種族保存の本能にめざめていないのかもしれません(笑)」と述べている。
  16. ^ 『マクロス7』第10話「ディープバラード」マックスの台詞。
  17. ^ 『マクロス7』第30話「三角関係の公式」ガムリンの台詞。
  18. ^ 『マクロス7』第1話「スピーカーポッド」ほか。
  19. ^ 『マクロス7』第3話「ファイアースクランブル」
  20. ^ 『マクロス7』第5話「スピリットギャル」
  21. ^ 『マクロス7』第49話「銀河に響く歌声」
  22. ^ VHS/LD/DVD『マクロス7 1』に映像特典の一部として収録されている。
  23. ^ DVD/Blu-ray Disc『マクロスF 1』ライナーノート

参考文献[編集]

  • 『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロス7』小学館、1995年。ISBN 978-4091015808
  • 『FIRE BOMBER 公式プログラム in マクロス7』徳間書店、1995年。

関連項目[編集]