炭素-窒素結合

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炭素-窒素結合 (たんそ-ちっそけつごう, : carbon-nitrogen bond) は炭素窒素による共有結合で、有機化学生化学でよくみられる結合の 1 つである[1]

窒素は5つの価電子をもつ。単純なアミンの例では3つの電子が結合に使われ、残りの2つは非共有電子対をつくる。よってさらにもう1つの原子と結合でき、たとえばアンモニウム塩では水素と結合し4価の正電荷をもつ原子となる。N原子の塩基性の強さは化合物に依存する。アミドピロールのN原子は非共有電子対が非局在化しているので塩基ではない。

炭素-炭素結合と同じく、炭素-窒素結合はイミンに見られる安定な二重結合、もしくはニトリルに見られる三重結合をつくることができる。結合距離は、単純なアミンでは147.9 pmニトロメタンのようにC-N=結合を含む化合物では147.5 pm、ピリジンの不完全な二重結合では 135.2 pm、ニトリルの三重結合では 115.8 pm となっている[2]

炭素と窒素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.04 であるので、C-N 結合はNのほうへかなり分極しており、高い双極子モーメントを持つ。たとえばシアナミドは 4.27 Dジアゾメタンは 1.5 D、アジ化メチルは 2.17 D、ピリジンは2.19 D である。よってC-N結合を持つ多くの化合物は親水性である。

有機窒素化合物の化学的分類[編集]

分類 結合次数 化学式 構造式 Avg. C–N 結合距離 (Å)[3]
アミン 1 R2C-NH2 第一級アミン メチルアミン
メチルアミン
1.469 (中性アミン)
1.499 (アンモニウム塩)
アジリジン 1 CH2NHCH2 アジリジン マイトマイシン
マイトマイシンC
1.472
アジド 1 R2C-N3 アジド フェニルアジド
フェニルアジド英語版
アニリン 1 Ph-NH2 アニリン アニシジン
o-アニシジン英語版
1.355 (sp2 N)
1.395 (sp3 N)
1.465 (アンモニウム塩)
ピロール 1 ピロール ポルフィリン
ポルフィリン
1.372
アミド 1.2 R-CO-NR2 アミド アセトアミド
アセトアミド
1.325 (第一級)
1.334 (第二級)
1.346 (第三級)
ピリジン 1.5 pyr ピリジン ニコチンアミド
ニコチンアミド
1.337
イミン 2 R2C=NR イミン DBN
DBN
1.279 (C=N 結合)
1.465 (C–N 結合)
ニトリル 3 R-CN ニトリル ベンゾニトリル
ベンゾニトリル
1.136
イソニトリル 3 R-NC イソニトリル TOSMIC
TOSMIC

脚注[編集]

  1. ^ McMurry, John. Organic Chemistry. ISBN 978-0534373689. 
  2. ^ CRC Handbook of Chemistry and Physics 65Th Ed.. CRC press.. 
  3. ^ F. H. Allen, O. Kennard, D. G. Watson, L. Brammer, A. G. Orpen. (1987). Tables of bond Lengths determined by X-Ray and Neutron Diffraction. Part 1. Bond Lengths in Organic Compounds.. J. Chem. Soc. Perkin Trans. II.