日本漢字能力検定

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日本漢字能力検定(にほんかんじのうりょくけんてい)は、財団法人日本漢字能力検定協会が実施する漢字技能検定。一般に、漢字検定または漢検と呼ばれる。1975年(昭和50年)開始。1992年(平成4年)から文部省(現・文部科学省)の認定の資格となったこと、漢字検定を単位認定や入学優遇に使用する高校短大大学が増えてきたことにより、最近では広く知られるようになってきた。また、漢字検定を重要視している企業もある。2007年(平成19年)度には、2,716,711人が受検し、近年でも英検よりも受検者数を凌ぐまでになった。ただし、漢字検定の場合、同じ人が同時に複数の級(最大4つ)を受検することが可能であり、また一部のファン(特に1級)の中には1度合格しても毎回受検する人も多いため、実質の人数は受検者数より幾分少ないことは、他の検定と異なる点である。

最近では日本に渡ってきた外国人が、日本語や漢字を学ぶために児童漢検から受けるケースも増えている。

級が上がるほど使用頻度の少ない漢字が出題されるため、準1級や1級のレベルでは、漢字検定(及び雑学)以外での使用例が非常に少ない漢字も出題される。

この他の漢字の技能検定としては、学文社・日本漢字検定協会(財団法人・日本漢字能力検定協会とは別個の団体)が毎年秋(9月または10月)に開催している漢字検定大会がある。また、かつては東京漢字検定協会が実施する「漢字検定試験」があったが今は行われていない。

目次

[編集] 受検級

以下のレベル及び括弧内の字数は、日本漢字能力検定協会が公表している各級の目安である。

なお、以下のとおり、協会の公表では1級と準1級が「大学・一般程度」となっている。しかし、これら2つの級では、出題のほとんどが常用漢字外であり、一般教養のレベルを超えている。よって、どちらかというと「漢字マニアレベル」と言った方が適切であろう。社会人としての漢字の教養は2級を取得すれば十分といえる。なお、検定を受験される場合には日本漢字能力検定協会発行の参考書・問題集や成美堂発行の問題集等があるので、詳細はホームページを参照。

1級

大学・一般程度
常用漢字を含めて、約6000字の漢字 (JIS第二水準を目安とする)の音・訓を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。
常用漢字の音・訓を含めて、約6000字の漢字を読み、その大体が書ける。
  • 熟字訓当て字、対義語、類義語、同音・同訓異字などを理解する。
  • 典拠のある四字熟語を理解する。
  • 国字を書く(「怺える」、「毟る」 など)。
  • 地名・国名等の漢字表記(当て字の一種)を読むこと。
  • 常用漢字体と旧字体との関連を知る。
  • 故事成語・諺を正しく理解する。
ただし、上記の出題範囲のうち、平成19年度の時点では、「地名・国名等の漢字表記(当て字の一種)を読むこと」と「常用漢字体と旧字体との関連を知る」ことに関する問題は実際には出題されていない。一方、動植物名その他の熟字訓の読みを問う問題が出題されている。
一般的には用いない漢字が多いため、一般的な感覚でいう大学・一般程度は不適である。ここで出題される難解な漢字を一般の文書で多用すると「無駄に難解な文書」と敬遠されかねないので、合格者は注意した方が無難である。


準1級

大学・一般程度
常用漢字を中心とし、約3000字の漢字(JIS第一水準を目安とする)の音・訓を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。
常用漢字の音・訓を含めて、約3000字の漢字を読み、その大体が書ける。
  • 熟字訓当て字、対義語、類義語、同音・同訓異字などを理解する。
  • 典拠のある四字熟語を理解する。
  • 国字を読む。
  • 表外漢字を常用漢字に書き換える。
  • 故事成語・諺を正しく理解する。
ただし、上記の出題範囲のうち、平成20年度の時点では、「表外漢字を常用漢字に書き換える」ことに関する問題は実際には出題されていない。

1級同様、一般的には用いない漢字が多いため(通常、新聞・ニュースなどでは「補てん(=補塡・補填)」、「隠ぺい(=隠蔽)」、「漏えい(=漏洩)」などと表記される)、一般的な感覚での大学・一般程度よりは難しい。


2級

高校卒業・大学・一般程度
小学校・中学校・高等学校で学習する常用漢字を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。 人名用漢字も読めるようにする。
すべての常用漢字の読み書きに慣れる。特に高等学校で学習する音・訓を身につけ文章の中で適切に使える。
  • 熟字訓、当て字を理解する。
  • 対義語、類義語、同音・同訓異字などを理解する。
  • 典拠のある四字熟語を理解する。
  • 部首の理解を深め、熟語の構成と意味を把握する。
ただし、上記の出題範囲のうち、人名用漢字の読みの出題は皆無といってよい。


準2級

高校在学程度
小学校・中学校で学習する常用漢字の大体を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。
常用漢字の大体が読める。特に中学校で学習する音 ・訓を身につける。 学年別漢字配当表の漢字およびその他の常用漢字300字程度を身につけ、文章の中で適切に使える。
  • 熟字訓、当て字を理解する。
  • 対義語、類義語、同音・同訓異字などを理解する。
  • 典拠のある四字熟語を理解する。
  • 部首の理解を深め、正しく識別する。


3級

中学校卒業程度
小学校学年別漢字配当表のすべての漢字と、その他の常用漢字600字程度を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。
約1600字の漢字が読める。 学年別漢字配当表の漢字を身につけ、文章の中で適切に使える。
  • 音読みと訓読みを正しく理解する。
  • 熟字訓、当て字を理解する。
  • 対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解する。
  • 熟語の構成、四字熟語を正しく理解する。
  • 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書く。
  • 部首を理解し、漢和辞典の使用に慣れる。


4級

中学校在学程度
小学校学年別漢字配当表のすべての漢字と、その他の常用漢字300字程度を理解し、文章の中で適切に使えるようにする。
約1300字の漢字が読める。 学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き、文章の中で適切に使えるようにする。
  • 音読みと訓読みを正しく理解する。
  • 熟字訓、当て字を理解する。
  • 対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解する。
  • 熟語の構成、四字熟語を理解する。
  • 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書く。
  • 部首を理解し、漢和辞典の使用に慣れる。


5級

小学6年生修了程度
小学校第6学年までの学習漢字を理解し、文章の中で漢字が果たしている役割に対する知識を深め、漢字を文章の中で適切に使えるようにする。
配当漢字が読める。 配当漢字の大体が書ける。
  • 音読みと訓読みを正しく理解する。
  • 対義語、類義語、同音・同訓異字、四字熟語を正しく理解する。
  • 熟語の構成を知る。
  • 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書く
  • 筆順を正しく理解する。
  • 漢字の形を理解する。


6級

小学5年生修了程度
小学校第5学年までの学習漢字を理解し、文章の中で漢字が果 たしている役割を知り、正しく使えるようにする。
配当漢字が読める。 配当漢字の大体が書ける。
  • 音読みと訓読みを正しく理解する。
  • 対義語、類義語の大体がわかる。
  • 同音・同訓異字、三字熟語を正しく理解する。
  • 熟語の構成を知る。
  • 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書く。
  • 筆順、総画を理解する。
  • 主な部首を理解する。


7級

小学4年生修了程度
小学校第4学年までの学習漢字を理解し、文章の中で正しく使えるようにする。
配当漢字が読める。 配当漢字の大体が書ける。
  • 音読みと訓読みを正しく理解する。
  • 対義語の大体がわかる。
  • 同音異字を理解する。
  • 三字熟語を理解する
  • 送り仮名に注意して正しく書く。
  • 点画にも注意する。
  • 脚(あし)、構(かまえ)、繞(にょう)等の部首を理解する。


8級

小学3年生修了程度
小学校第3学年までの学習漢字を理解し、文や文章の中で使えるようにする。
小学校第3学年までの学習漢字を読み、またその大体を書くことができる。
  • 音読みと訓読みを理解する。
  • 対義語の大体がわかる。
  • 送り仮名に注意して書く。
  • 筆順、総画を正しく理解する。
  • 偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)等を理解する。


9級

小学2年生修了程度
小学校第2学年までの学習漢字を理解し、文や文章の中で使えるようにする。
小学校第2学年の学習漢字を読み、またその大体を書くことができる。
  • 点画の長短、接し方や交わり方、筆順および総画を理解する。


10級

小学1年生修了程度
小学校第1学年までの学習漢字を理解し、文や文章の中で使えるようにする。
小学校第1学漢字を読み、またその大体を書くことができる。
  • 点画の長短、接し方や交わり方、筆順および総画を理解する。

[編集] 合格基準

  • 1級、準1級 - 200点満点・80%以上の得点
  • 2級 - 200点満点・80%程度以上の得点(毎回合格点が変わる)
  • 準2級、3級、4級、5級、6級、7級 - 200点満点・70%以上の得点
  • 8級、9級、10級 - 150点満点・80%以上の得点

[編集] その他

  • 1級・準1級受検志願者は、公開会場用願書が必要である。
  • 以前の児童漢検初9級・初10級相当分が、現在は漢字検定9級・10級に編入されている。実際は1級の場合、わずかながらもJIS第3・第4水準も含まれており、第2水準の一部は含まれていない。2級の出題範囲の人名用漢字については、2004年(平成16年)9月27日より693字増えたが、それ以前からの人名用漢字。
  • 個人受検の場合、年3回(6月、10月、2月、いずれも日曜日)ある、公開会場受検を利用することもできる。公開会場(準公開会場を含む)は、日本全国の主要都市・約124ヶ所と海外約13ヶ所に設置される。
  • 団体受検の場合、準会場や団体公開会場を利用する(中学生の受検の場合、受検者の中学校が準会場として指定されている場合が多い)。
  • 団体受検の際、受検者数が100人以上になると成績優秀者に団体内賞が授与される。
  • 2級の場合のみ、合格基準に達していない場合でも合格として扱われる事がある。協会が想定していた合格率・平均点と誤差が生じた際に数点程度基準点より下がる。1級と準1級の場合は、この制度は適用されず、合格基準を1点でも下回っていた場合は不合格となる。
  • 1級・準1級に合格すると、「日本語教育研究所」から「客員研究員」の応募用紙が賞状と一緒に送られてくることがある。これに応募するには、好きな常用漢字を一字選び理由などを400字詰め原稿用紙6枚以内にまとめ、日本語教育研究所に送る。 このとき、新しくもらった賞状に加え、過去3回分の賞状に書かれている左端の番号を記入する必要がある。

詳細は日本漢字能力検定協会を参照

[編集] 漢検CBT

パソコンを使って受検する、漢検CBTというコンピューターテストが実施されている。自己の都合に合わせて受検でき、また結果の通知が早いというメリットがあるものの、コンピューターに不慣れな者には難しく感じるだろう。以下にその概要を解説する。

  • 受検可能な級は2級〜7級。
  • 受検日は月に1回〜毎日。受検会場によって異なる。事前予約制で定員がある。
  • 解答には、漢字の読みの問題はキーボードを(文字変換機能は無効にされている)、漢字の書き取り問題はペンタブレットを用いる。
  • 出題範囲や内容、難易度、合格基準は通常の漢字検定の同級のものと同等とされる。
  • 合格者は、通常の漢字検定と同じ認定が得られる(漢検CBT2級合格者は、漢検2級合格扱いになる)。
  • 詳細は日本漢字能力検定協会のサイトを参照。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク