満洲国参議府

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満洲国参議府(まんしゅうこくさんぎふ)とは、満洲国における皇帝の諮問機関。

概要[編集]

旧憲法下の日本の枢密院に相当する。立法院が正式発足の運びとならなかったため、事実上の立法代行機関としての機能を持つに至った。

参議府は議長1名、副議長1名、参議若干名で組織する合議制の機関で、「参議府会議規定」に基づいて運営された。日本人も副議長・参議に名を連ねた。参議人事は関東軍司令官が推薦する人物が任用された。

国務総理大臣、宮内府大臣、各部大臣又はその代理者が参議府に出席して意見を述べることができたが、彼らに議決権は与えられていなかった。

1945年(康徳12年)8月17日通化省臨江県大栗子での緊急会議で、康徳帝(溥儀)の退位詔書を承認(翌18日公表)。満洲国の幕引きを決する機関となった。

事項[編集]

諮詢事項
  • 法律
  • 帝室令(日本の皇室令に相当)
  • 勅令(執政時代は「教令」)
  • 予算及び国庫の負担になる契約
  • 条約や皇帝の名において行われる対外宣言
  • 重要なる官吏の任免(1937年に削除)
  • その他重要な国務事項
その他事項
  • 重要なる国務に関し意見を上奏(1937年に削除)

参議府を構成した人物[編集]

歴代参議府議長[編集]

  1. 1932年3月9日~1935年5月21日 - 張景恵
  2. 1935年5月21日~1945年8月18日 - 臧式毅

歴代参議府副議長[編集]

  1. 1932年3月9日~1933年3月9日 - 湯玉麟
  2. 1933年3月9日~1934年1月17日 - 張海鵬
  3. 1934年8月2日~1937年7月1日 - 筑紫熊七
  4. 1937年7月7日~1937年12月11日 - 田辺治通
  5. 1937年12月11日~1945年8月18日 - 橋本虎之助

参議一覧[編集]

関連項目[編集]