渡辺文樹
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渡辺文樹(わたなべ ふみき、1953年 - )は、日本の映画監督。福島県いわき市出身。株式会社マルパソプロダクション所属。
磐城高校、福島大学教育学部卒。学生時代から自主映画を製作、大学卒業後も家庭教師をしながら映画を製作する。1987年、『家庭教師』にて監督デビュー。
目次 |
[編集] おもな作品 (未公開作品も含む)
- 下忍(1972年)
- 18歳での初作品。8ミリ。
- しろう(1973年)
- 父母の一日(1974年)
- 憤怒の河(1975年)
- 福島県アマチュア映画長編の部で最優秀賞。
- 欧州残侠(1976年)
- 西陣(1977年)
- 卒業論文代わりに提出した作品。
- N氏の優雅な生活(1977年)
- 麻薬街(1978年)
- 初の16ミリ作品。
- ドキュメント地獄の蟲(1979年)
- 帰らざる橋(1980年)
- 福島市市民映画祭で金賞。
- 福島県庁汚職(1981年)
- 公安により上映差し止めとなった唯一の未公開作品。
- 狙撃者(1982年)
- 8ミリ作品。地元テレビ局で放送。
- 家庭教師(1987年)
- 初の35ミリ作品。かつ記念すべき一般上映作品第一号。
- 島国根性(1990年)
- カンヌ国際映画祭出品。日本映画監督協会新人賞(奨励賞)受賞。なお、この年の同奨励賞受賞者には、北野武がいる。(作品:3-4X10月)
- ザザンボ(1992年)
- 当初は松竹が出資し、同社系列で公開の予定だった。しかし、登場人物が実名だったため「人権侵害の疑いがある」として福島県法務局が調査に乗り出す騒ぎになり公開を拒否される。
- 罵詈雑言<バリゾーゴン>(1996年)
- 各地で「金返せ」コールが起こる発端に。
- 腹腹時計<ハラハラトケー>(1999年)
- 御巣鷹山(2005年)
- 日本航空123便墜落事故の陰謀説(撃墜説)が題材。
- ノモンハン(2008年)
- 天皇伝説(2008年)
- 松川事件(2008年春、東北地方で撮影開始予定)
[編集] 考察
- 渡辺の映画制作会社・マルパソプロダクションの名前は、クリント・イーストウッドの設立した映画制作会社「Malpaso Productions」に由来するものである。
- 監督、脚本、主演、編集から、宣伝や上映までを自ら行う。ただし、天皇制や皇室を批判する作品が多い。
- 出演者はポスター等で募集した一般人のみの起用で俳優を一切使わず、監督自らが映画に出演し一般人に扮する出演者に監督がインタビューを取る手法を用いている(『罵詈雑言』)。
- 全国の公民館などを巡業し、大抵はその日1日のみの上映。興行場所近くの電柱や壁に貼りまくる過激なポスターと、それに殴り書きされる「失神者続出!」「ハンカチ必ず持参」「ゲロ袋用意してます」などの扇情的なキャッチコピーなどの興行スタイルで有名。いわゆる見世物小屋的な手法であり、ファンやマニアの間ではこのポスターの煽り文句や上映手段を含めて1つの作品だと認識されている(ポスターを見てホラー・猟奇映画と思い見に来たが実際は全く別な内容で憤慨した観客らと揉め事を起こす事もある。『警察24時』系のテレビ番組でも名前こそは伏せられていたが騒動の一部始終が取り上げられたことがある)。
- ポスターやチラシは熱烈なファンが持ち帰ることもがあるが、大抵は回収せずに数日間そのまま放置されていることが多い。
- カメラは35mmカメラを使用している。
[編集] 裁判騒動
渡辺の作品『腹腹時計』は天皇制に反対するテロリストが昭和天皇の暗殺を企てるという題材である。そのため、同作品は自治体や上映施設から「公序良俗に反する」という理由で上映拒否をされるということがあった。その際、渡辺は「表現の自由」が侵害されたとして損害賠償を求めることがあった。
[編集] 逮捕歴
渡辺は、これまでに二度警察に逮捕されている。(但しネット上にニュースソースが確認できる範囲。実際はそれ以上)
- 2008年5月14日、旅館の宿泊代を踏み倒したとして詐欺罪の疑いで、宮城県警に逮捕された。調べによると、渡辺は一月下旬、宮城県東松島市の旅館に女性と子ども一人を連れて宿泊し、宿泊代計七万数千円を支払わなかった疑い。渡辺ら三人は三泊する予定で、三日目の夜九時すぎに外出した。後に「友人の家に泊まる」と旅館に電話、不審を感じた従業員が部屋を調べると荷物がなくなっていたという。渡辺は本名で宿泊し、自宅の電話番号も伝えていたという(「詐欺容疑で映画監督渡辺文樹容疑者逮捕」デイリースポーツ)。
- 2008年9月11日、公安警察の監視に気がつかず、自作の映画「天皇伝説」の宣伝ポスターを許可無く張ったとして、一緒に作業をしていた女性とともに警視庁公安部に軽犯罪法違反(張り札行為)の容疑で逮捕された。9月に入り、同様のポスターを都内で約100枚張っていた。ポスターを張ることで市民が逮捕されるのは、異例中の異例である。
- 一方渡辺は、“一件解決して釈放直後に他の嫌疑での別件逮捕を繰り返している”と警察の姿勢を批判している(『創』2008年9・10月合併号「3度にわたる逮捕後、釈放された監督にインタビュー 映画「天皇伝説」をめぐる右翼、公安警察との攻防戦」)。また、映画評論家の柳下毅一郎も『映画秘宝』2008年11月号において、「今回の度重なる別件逮捕は、『天皇伝説』を公開させないための、公安警察による渡辺つぶしである」と述べている。
[編集] 評伝
- 佐野眞一『人を覗にいく』113-137頁(狂気のフィルム行商人――渡辺文樹・映画監督)、ちくま文庫、2002年。
[編集] その他
- 今までに作られた作品は上映での公開のみで、ビデオ化された作品は、『家庭教師』・『島国根性』・『ザザンボ』・『罵詈雑言<バリゾーゴン>』だけである。

