渇きの海
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『渇きの海』(かわきのうみ、原題"A Fall of Moondust")とはアーサー・C・クラークが1961年に発表した長編SF小説。1963年度ヒューゴー賞ノミネート作品。
あらすじ [編集]
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
近未来、月面に多数の人類が移民している世界。月の「流れる砂の海」では、遊覧船がまるで地球の船舶のように行き来し、観光産業となっていた。
あるとき「砂の海」の地殻変動により、遊覧船が砂に飲み込まれてしまう。遊覧船は砂上を航行する「船」であり、推進装置といえばプロペラスクリューのみ。また一度飲み込まれると、「砂の海」は急激に浮力を失うため、浮上することも不可能。覆いかぶさる砂の重みで船が潰される、または船内の温度上昇が致命的になるのは時間の問題である。しかも救助隊にとって、沈んだ船の位置を突き止めることは非常に困難で、現場まで運搬できる機材の量も限られている。
そんな状況下での船内・船外の人間関係、そして科学技術の粋を尽くした救助作業とその成功が描かれる。
設定 [編集]
- 砂の海
- かつて本格的な月面探査が行われるまでは、月の細かい砂(レゴリス)は重いものを支えられないのではないかといわれていた。中には、レゴリスは特殊な電磁気的条件により水のように流動しているとされる仮説まで出された。『渇きの海』はこの仮説に基づき描かれており、劇中でもそのような描写が見られる。
書誌情報 [編集]
原書"A Fall of Moondust"はヴィクター・ゴランツ社(Victor Gollancz Ltd.)より1961年に刊行された。日本語版はハヤカワ・SF・シリーズから深町真理子訳で『渇きの海』として1965年に刊行され、1977年にハヤカワ文庫SFに収録された。
なおロシア語、セルビア語、トルコ語、フィンランド語、スロバキア語、ブルガリア語にも翻訳されている。
