深尾須磨子

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深尾 須磨子(ふかお すまこ、1888年11月18日 - 1974年3月31日)は、日本の詩人作家翻訳家

兵庫県生まれ。京都菊花高等女学校卒。与謝野晶子に師事し、深尾贇之丞[1]と結婚するが夫が死去し、大正14年(1925年)詩集『斑猫』を上梓、フランスに渡り、シドニー=ガブリエル・コレットの知遇を得、のちコレットの邦訳を初めて行う。帰国し1930年詩集『牝鶏の視野』を上梓、再度フランスに渡って生物学を学ぶ。戦前はムッソリーニに心酔し、昭和十六年七月号の『改造』に「ムッソリーニの夜」という一文をよせ、「その足跡はあまりにも超人的であり、神に近いとはいえ、無限に豊かな人間味に至っては実に汲めども尽きぬ泪である」と讃美した。暴露本『進歩的文化人 学者先生戦前戦後言質集』は「ムッソリーニの礼讃詩人」という副題でそのことを指摘している。戦後は平和運動に活躍した。(「新潮日本人名事典」)

小説、児童文学など多彩な活動をしたが、戦争協力を非難され、戦後は左翼的文学者となった。

著書[編集]

  • 真紅の溜息 第一詩集 三徳社 1922
  • 斑猫 新潮社 1925 (現代詩人叢書)
  • 焦躁 新しき村出版部 1925
  • 呪詛 詩集 朝日書房 1925
  • 侯爵の服 改造社 1929
  • 牝鶏の視野 改造社 1930
  • 葡萄の葉と科学 現代文化社 1934
  • マダム・Xと快走艇 千倉書房 1934
  • 丹波の牧歌 書物展望社 1935
  • イヴの笛 抒情調と物語 むらさき出版部 1936
  • ホルモン夫人と虚無僧 短篇集 不尽書院 1937
  • 旅情記 実業之日本社 1940
  • ロオマの泉 散文集 新興亜社 1941
  • 赤道祭 鶴書房 1942
  • 沈まぬ船 詩集 一条書房 1943
  • 永遠の郷愁 詩集 臼井書房 1946
  • 哀しき愛 抒情調と旅情小記 草原書房 1947 (詩と随筆叢書)
  • 愛と友情 臼井書房 1948 (女学生叢書)
  • 君死にたまふことなかれ(与謝野晶子伝)改造社 1949
  • 絹子のゆめ 少女とかいこ 刀江書院 1950 (刀江児童文庫)
  • 洋灯と花 詩集 宝文館 1951
  • 深尾須磨子詩集 三一書房 1952 (日本国民詩集)
  • 詩は魔術である 詩集 1957 (三一新書)
  • パリ横町 詩と文章 平凡社 1959
  • むらさきの旅情 希望と絶望の接点を行く 弘文堂 1965
  • 与謝野晶子 才華不滅 人物往来社 1968
  • 深尾須磨子選集 随想編・創作編・詩編 新樹社 1970
  • 列島おんなのうた 紀伊国屋書店 1972
  • マダム・Xの春 深尾須磨子作品抄 小沢書店 1988.9
  • 文学者の日記 8 長谷川時雨・深尾須磨子 博文館新社 1999.11 (日本近代文学館資料叢書)
復刻
  • イヴの笛 ゆまに書房 2000.11 (近代女性作家精選集)
  • 旅情記 ゆまに書房 2000.12 (女性のみた近代)
  • 葡萄の葉と科学 ゆまに書房 2005.3 (女性のみた近代)
  • 赤道祭・沈まぬ船 ゆまに書房 2005.6 (「帝国」戦争と文学)

翻訳[編集]

  • 紫の恋 コレット 世界社 1928 「黄昏の薔薇」角川書店 1954 のち文庫
  • 犬猫の会話七つ コレツト 世界社 1930 「動物の対話」三笠新書
  • 母の手 レオン・フラピエ 平凡社 1934
  • 沙漠の息子 ルネ・モブラン (富山房百科文庫) 1939 のち角川文庫
  • 神はフランスにゐるか フリードリッヒ・ジーブルグ 高山書院 1941
  • 安南草話 阮進瀾 偕成社 1942
  • スザンヌ物語 ジュール・ルメートル 偕成社 1946
  • 銀の鐘 ルメートル カトリックダイジェスト 1952

伝記など[編集]

  • 深尾須磨子ノート 武田隆子 木犀書房 1966
  • わが青春・深尾須摩子 高野芳子 無限、1976 「詩人深尾須磨子」文芸社 2001.7
  • 深尾須磨子の世界 武田隆子 宝文館出版 1986.5
  • 深尾須磨子のイタリア旅行 末永航 イタリア図書32 2005.4
  • 深尾須磨子 女の近代をうたう 逆井尚子 ドメス出版 2002.10

脚注[編集]

  1. ^ 「丞」の正確な字体は「亟の下に灬」。