海の歌 (行進曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

海の歌』(うみのうた、Sea Songs)は、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズによるイギリスの3つの海にまつわる歌の編曲。3つの楽曲とは「Princess Royal」、「Admiral Benbow」、「Portsmouth」である。曲は約4分の行進曲としてまとめられている。形式的には三部形式に従っており、最初の部分で「Princess Royal」と「Admiral Benbow」、中間部で「Portsmouth」が扱われた後、最初の2つの歌曲が再現される。

この行進曲は元々1923年軍楽隊のための「イギリス民謡組曲」の第2楽章として編曲されたものであり、組曲の初演は同年7月4日ネラー・ホール英語版で行われた[1]。独立した楽曲としては1924年4月にウェンブリーで開催された大英帝国博覧会英語版において初演された[2]。「イギリス民謡組曲」同様、この作品はヴォーン・ウィリアムズがケラー・ホールの王立軍楽学校英語版を高く評価していたことから生まれたものである[3]1942年には作曲者自身による管弦楽版への編曲も行われている[4]

演奏・録音史[編集]

1950年代BBCテレビで放送されたBilly Bunterシリーズ[注 1]で、中間部の「Portsmouth」が主題歌として使われたことによりイギリス国内で広く知られるようになった[5]1980年代初頭には、東イングランドの放送局だったITV Angliaの放送開始音楽にもなっていた[6][7]。両者は共に、ブージー・アンド・ホークス社の音源ライブラリであった1955年のナット・ニル(Nat Nyll)指揮、ニュー・コンサート・オーケストラ演奏の管弦楽版の録音を使用していた。この版はCDで入手可能である[8]。近年のステレオ録音には、リチャード・ヒコックス指揮のノーザン・シンフォニアレナード・スラトキン指揮のフィルハーモニア管弦楽団ジョージ・ハースト英語版指揮のボーンマス・シンフォニエッタ英語版、ポール・マーフィー(Paul Murphy)指揮のロイヤル・バレエ・シンフォニア英語版の演奏によるものがある。元の軍楽隊による演奏はティモシー・レイニッシュ(Timothy Reynish)指揮、王立ノーザン音楽大学英語版吹奏楽団の演奏が入手可能である[9]

2008年プロムス最終夜では、BBCプロムスの創設者でありヴォーン・ウィリアムズの友人であったヘンリー・ウッドの「イギリスの海の歌による幻想曲英語版」の演奏が恒例となっている箇所において、ヴォーン・ウィリアムズの没後50周年を記念して代わりにこの曲が演奏された[10][11]

脚注[編集]

注釈

  1. ^ 訳注:1908年チャールズ・ハミルトン英語版The Magnet紙に発表した創作上の人物名。原作の他、テレビ、舞台などでも作品が作られた。

出典

  1. ^ Timothy Reynish, notes for British Wind Band Classics, Chandos Records 9697, 1999
  2. ^ Malcolm Walker, notes for The Essential Vaughan Williams, Chandos Records 241-9, 1999
  3. ^ Stephen Banfield, notes for Hickox conducts Vaughan Williams, EMI Classics 5 73986 2, 2000
  4. ^ Philip Lane, notes for British Light Miniatures, Naxos 8.570332 (released 2007)
  5. ^ whirligig-tv.co.uk”. 2008年7月14日閲覧。
  6. ^ Test Card Circle”. 2008年7月14日閲覧。
  7. ^ xtvworld.com”. 2008年7月14日閲覧。
  8. ^ The Great British Light Experience, EMI Classics 5 66677 2
  9. ^ British Wind Band Classics, Chandos Records CHAN9697
  10. ^ Prom 76, BBC Online”. 2008年7月14日閲覧。
  11. ^ BBC Proms 2008 – a festival spirit. The 114th BBC Proms 18 July to 13 September 2008”. 2008年7月14日閲覧。 Under the title The Last Night it is stated, "an orchestral version of Vaughan Williams's Sea Songs (rather than Henry Wood's Fantastia On British Sea-Songs) in celebration of the composer's anniversary in 2008."