活水女子短期大学

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活水女子短期大学
大学設置 1950年
創立 1879年
廃止 2005年
学校種別 私立
設置者 学校法人活水学院
本部所在地 長崎県長崎市東山手町1-50
学部 英語科
生活学科
(生活専攻[1]・食物栄養専攻[1]
音楽科[2]
(器楽専攻[2]・声楽専攻[2]
日本文学科[3]
研究科 食物栄養専攻
音楽専攻[4]
英文専攻
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活水女子短期大学(かっすいじょしたんきだいがく、英語: Kwassui Women's Junior College)は、長崎県長崎市東山手町1-50に本部を置いていた日本私立大学である。1950年に設置され、2005年に廃止された。大学の略称は活短。

学生募集は2003年度(平成15年度)まで[5]翌年度より活水女子大学健康生活学部の設置により短期大学は学生募集を停止し、2005年(平成17年)5月30日に正式廃止となった[6]

概要[編集]

大学全体
学校法人活水学院により運営されていた日本私立短期大学1950年(昭和25年)に設置された。当初は3学科を置き、さらに1977年(昭和52年)には学科の増設により最大で4学科を擁するようになった。
建学の精神(校訓・理念・学是)
学是は「キリスト教精神による全人的教育」となっている。
教育および研究
キリスト教精神による全人的教育が特徴となっていたことから、「キリスト教学」といった一般教育科目やチャペルアワーなどがあった。
学風および特色
1879年(明治12年)、エリザベス・ラッセル宣教師により設置された「活水女学校」が起源となっており、その伝統からキリスト教思想に基づいた教育がベースとなっていた。

沿革[編集]

女学校時代

  • 1879年(明治12年)12月 - エリザベス・ラッセル宣教師によって東山手16番地に女学校が創立される(創立時の正式な校名は不明)。
  • 1881年(明治14年)8月 - 校名を「活水女学校」と定める(聖書ヨハネによる福音書第4章14節[7]にちなむ)。
  • 1884年(明治17年)10月 - 蛍雪会を創設。
  • 1887年(明治20年)4月 - 初等科・中等科高等科・音楽科・技芸部を設置。
  • 1892年(明治25年)6月 - 活水同窓会が発足。
  • 1911年(明治44年)
    • 4月1日
      • 中等科と高等科を統合し、大学部に改編。これとは別に専門部を設置する。
      • 初等科を高等女学部に改組。
      • 小学部課程の修業年限を6年とする。
  • 1918年大正7年)7月 - 校章を制定。

女学校・女子専門学校併設時代

  • 1919年(大正8年)
  • 1922年(大正11年)4月 - 専門部に家政科を置く。
  • 1923年(大正12年)12月 - 初代校歌を制定。
  • 1926年(大正15年)10月 - 鉄筋コンクリート造4階建ての女学校新校舎が完成。
  • 1928年(昭和3年)9月 - 創立者エリザベス・ラッセルが死去(92歳)。同年12月に追悼式を執行。
  • 1933年(昭和8年)1月 - 鉄筋コンクリート造4階建ての女子専門学校の新校舎が完成(女学校校舎と接続)。
  • 1942年(昭和17年)4月 - 第二代校歌を制定。初代校歌は創立記念の日の歌とする。
  • 1944年(昭和19年)
    • 2月 - 女学校高等女学部を活水高等女学校に改組する。
    • 4月 - 女学校専門部の家政科と音楽科を女子専門学校に昇格。
  • 1945年(昭和20年)
  • 1947年(昭和22年)4月1日 - 学制改革(六・三制の実施)により、新制中学校が併設され、「活水中学校」と命名。
    • 生徒募集は継続し、高等女学校1・2年修了者を新制中学校2・3年生として収容。
  • 1948年(昭和23年)
    • 1月 - 女子専門学校の保健科を栄養保健科に改称し、栄養士養成施設とする。
    • 4月1日 - 学制改革(六・三・三制の実施)により、高等女学校が廃止され、新制高等学校活水高等学校」が発足。
  • 1949年(昭和24年)7月 - 寄宿舎を新築。

短期大学 単独期

  • 1950年(昭和25年)4月1日 - 学制改革により、「活水女子短期大学」が開学。英文科・家政科・音楽科[8]を設置。
  • 1951年(昭和26年)
    • 3月 - 私立学校法の施行により、活水女学財団法人を「学校法人 活水法人」(現法人名)に改組。
    • 9月 - 竹の久保町(現・宝栄町)の旧・鎮西学院校舎を再建し、活水中学校・高等学校が移転を完了。短期大学との併設を解消。
  • 1955年(昭和30年)4月1日 - 専攻科(音楽専攻・英文専攻・食物専攻)を設置。
  • 1967年(昭和42年)4月1日 - 家政科に家政と食物の2専攻、音楽科に器楽と声楽の2専攻を設置。
  • 1974年(昭和49年)4月 - 鉄筋コンクリート造4階建ての1号館が完成。
  • 1976年(昭和51年)
    • 3月 - 東山手十二番館の建物を長崎市へ寄贈。
    • 11月 - 体育館が完成。
  • 1977年(昭和52年)4月1日 - 日本文学科を新設(在学者数は71[9])。
  • 1979年(昭和54年)12月 - 長崎市民会館にて活水学院創立100周年記念式典を挙行。

大学・短期大学併設期

  • 1981年(昭和56年)
    • 3月18日 - ラッセル記念館、音楽館、2号館が完成。
    • 4月1日 - 四年制大学活水女子大学」が開学。
    • 9月28日 - 国際交流センターが完成。
  • 1983年(昭和58年)3月31日 - 短期大学専攻科を廃止。
  • 1990年(平成2年)3月 - 旧・若草寮を改修し、校舎(3号館)とする。
  • 1991年(平成3年)4月1日 - 家政科(家政専攻・食物専攻)を生活学科(生活専攻・食物栄養専攻)に改称。大学院(文学研究科英文学専攻修士課程)が設置される。
  • 1993年(平成5年)10月2日 - 4号館が完成。
  • 1995年(平成7年)11月10日 - 生活学科食物栄養専攻を修業年限2年の栄養士養成施設に変更する。
  • 1996年(平成8年)
    • 4月1日 - 日本文学科に日本語教員養成副専攻課程を設置。
    • 5月28日 - 音楽科を廃止。
  • 1997年(平成9年)5月30日 - 日本文学科を廃止。
  • 2001年(平成13年)4月1日 - 英文科を英語科に改称。
  • 2003年(平成15年)4月 - 最後の入学式を挙行(翌年から募集を停止)。
  • 2005年(平成17年)
    • 3月 - 短期大学最後の卒業式を挙行。
    • 5月30日 - 正式に廃止[6]

基礎データ[編集]

所在地
長崎県長崎市東山手町1-50(活水女子大学東山手キャンパスに継承されている。)
象徴
キリストの十字架をイメージしたものとなっていた[10]

学科・専攻科[編集]

学科
4学科
  • 英語科
  • 生活学科 - 生活専攻[1]・食物栄養専攻[1]
  • 音楽科[2] - 器楽専攻[2]・声楽専攻[2]
  • 日本文学科[3]
専攻科
3専攻科
  • 食物栄養専攻 - 食物栄養系の短期大学卒業者が上級クラスの栄養職を目指すひとのための専攻課程で大学評価・学位授与機構に認定されていた。
  • 音楽専攻[4]
  • 英文専攻

教育・研究活動[編集]

  • 『活水論文集』ほか[11]

学生生活[編集]

部活動等[編集]

体育系
バレーボールバスケットボールバドミントンテニス弓道ワンダーフォーゲル卓球フラメンコ水泳ほか[10]
文化系
文芸マンドリン美術ユースホステル写真ESS華道茶道放送落語アンサンブルハンドベル演劇音楽ボランティアインターネットYWCAなどの文化系のクラブがあった[10]

学園祭[編集]

  • 活水女子短期大学の学園祭は「蛍雪会」と呼ばれ、1884年より続いていた伝統ある学園祭となっていた[10]

大学関係者と組織[編集]

大学関係者組織[編集]

  • 活水女子短期大学には同窓会組織があり、活水学院が創設された時分に創立された。
  • 父母会が1981年に創設された。

著名な出身者[編集]

キャンパス[編集]

  • 図書館・体育館・学生寮

取得資格・卒業後の進路[編集]

取得資格[編集]

教職課程

その他の資格

  • 栄養士(生活学科食物栄養専攻)
  • 管理栄養士受験資格・栄養学士(専攻科食物栄養専攻)

就職[編集]

編入学・進学実績[編集]

他大学との協定[編集]

欧米

アジア・オセアニア

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 学生募集は2001年度入学生まで。
  2. ^ a b c d e f 募集は1993年度まで。1996年5月28日廃止。
  3. ^ a b 募集は1995年度まで。1997年5月30日廃止。
  4. ^ a b 1956年3月31日廃止。
  5. ^ 英語科と生活学科のみ
  6. ^ a b 平成23年度『全国短期大学高等専門学校一覧』294頁より。
  7. ^ 「 しかし、わたしが与える水を飲む者は、いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがるであろう」
  8. ^ 1955年3月31日廃止となるも、同年修業年限 3 年の音楽科として再設置。
  9. ^ 昭和53年度版『全国学校総覧』54頁より。
  10. ^ a b c d e f g h i 2000年度入学案内小冊子より。
  11. ^ CiNii雑誌-活水女子短期大学関連論文-より
  12. ^ 家政科の時代には保健の免許も授与されていた。
  13. ^ 短期大学開学当初は中学校教諭ほか高等学校教諭免許状(英語・家庭・保健・音楽)の教職課程を併設していた。(『教員養成課程認定大学短期大学一覧』(1955年)69頁より)

関連項目[編集]

関連サイト[編集]