波動方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
波動方程式(はどうほうていしき、Wave equation)は、波(波動)を記述するための微分方程式(最も基本的な二階の双曲型偏微分方程式の一つ)である。まず座標と時間に関しての未知の関数 u を考える。
ここで、x1, x2, ...,xn は、n 次元の座標、t は時間である。この u に関する以下の式;
が波動方程式である。s は、s > 0 の適当な係数であり、波動方程式で扱う波の伝播する速さに相当する。Δ はラプラシアンで、
である。上の波動方程式において、
のように、ラプラシアンΔをミンコフスキー空間に拡張した、ダランベールの演算子(ダランベルシアン)を使うと波動方程式は、
と表現できる。この波動方程式を使って、波(波動)や電磁波を記述することができる。尚、関数 u を座標と時間に関して変数分離すると、ヘルムホルツ方程式、
が得られる。κ2 は、κ2 > 0 の適当な係数である。この方程式を、還元された波動方程式と言うことがある。
[編集] 量子力学での波動方程式
波動力学ではシュレーディンガー方程式や、ディラック方程式などを波動方程式と言う。
時間を含まないシュレーディンガー方程式は、
であり、これは先の還元された波動方程式と同じ形をしている。ここで、Ψ(プサイ)は波動関数、m はある質点(電子などと考えてもよい)の質量、E は固有値、V はポテンシャルである。また、
であり、h はプランク定数である。
また、光子(→電磁波)を考えると光子のエネルギー E は、E = cp であり(c は光速、p は運動量)、E2 = c2p2として、E と p を量子化すると(q を座標とする)、
となり、両辺に光子に関しての波動関数 Φ(ファイ)を置くと、
となる。余計な係数を落とすと、
を得る。これは波動方程式となっている。一方、任意の質点(普通は電子)を出発点とする場合、E = p2/2m を量子化することとなり、これからは時間を含むシュレーディンガー方程式が出てくる。この式では時間の微分が二階ではなく、一階微分になっている。











