法歯学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒトの上顎骨
法歯学(ほうしがく、英語:forensic dentistry、forensic odontologyとも)とは、法医学、科学捜査、社会歯科学の一分野であり、犯罪捜査や裁判などの法の適用過程で必要とされる歯学領域の事項を研究、応用する学問である。歯科法医学、法歯科医学などとも呼ばれる。
主として、個人識別の際に用いられることが多い。歯牙硬組織は、他の組織に比べて残存している場合が多く、その治療痕や状態から識別作業を行う。状態からの場合、摩滅の状態や歯髄腔の状態、特定の職業に特徴的な磨耗症といったことから判別し、他にもDNA検査なども行われる。また、一般の歯科医師でも、日常の診療の過程で多くの処置記録を蓄積・保有しており、その情報は、確実性の高い個人識別情報である。その情報に基づいて識別作業を行うことも多い。
1897年5月4日に約130名の犠牲者を出した、パリの慈善バザー火災での身元判別を契機に法歯学が生まれた。
参考文献 [編集]
- 『法歯学』(鈴木和男著、永末書店、1988年)
関連項目 [編集]
- 法科学/法医学/法医昆虫学
- 歯学/口腔解剖学
- 日本法歯科医学会
- 日本航空123便墜落事故
- シェリダン・レ・ファニュ(アイルランドの小説家。作品集"In a Glass Darkly"所収の"The Room in the Dragon Volant"は法歯学的テーマを題材にしている)
- ドロシー・L・セイヤーズ(イギリスの女流作家。同名の短編集所収の「証拠に歯向かって」 <In the Teeth of the Evidence>は法歯学的テーマを題材にしている)
- 怪盗紳士ルパン(同書所収の「アルセーヌ・リュパンの脱獄」に、法歯学誕生の元になった慈善バザー火災の事が描かれている)