永久しおれ点

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しおれ点よりも低水分の土壌に植えられた植物

永久しおれ点 (PWP) あるいは しおれ点 (WP) は、植物がしおれないような最小の土壌水分として定義される。含水率がしおれ点以下になると、植物はしおれて、水蒸気飽和した大気に12時間置いても膨圧を回復できなくなる。しおれ点 (記号では θpwp あるいは θwp と表記される) の物理的な定義は、水頭が −1500 J/kg (-15 bar) の土壌の含水率である。

歴史[編集]

この概念は、1910年代に導入された。Briggs and Shantz (1912) は、しおれ係数を「ある土壌について、水分を低下させた時に、植物がしおれはじめて、土壌に水を追加しない限りは、ほぼ飽和水蒸気圧の大気中でも、しおれが回復しなくなるような水分のパーセント (Taiz and Zeiger, 1991) と定義した。Briggs による、しおれ係数のペドトランスファー関数 (en:pedotransfer function) は、次の式である。

しおれ係数 = 0.01 + 0.12 シルト + 0.57 粘土

Veihmeyer and Hendrickson は[1]、しおれ点は土壌に固有の定数で、環境条件に依存しないことを示した。en:Lorenzo A. Richards は、-15 bar の圧力における土壌の含水率であると提案した。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Veihmeyer, F.J. and Hendrickson, A.H. (1928). “Soil moisture at permanent wilting of plants”. Plant Physiol. 3 (3): 355–357. doi:10.1104/pp.3.3.355. PMC 440017. PMID 16652577. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC440017/. 
  • Taiz, L. and E. Zeiger. 1991. Plant Physiology. The Benjamin/Cummings Publishing Co., Inc. Redwood City, CA.