水酸化鉄
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水酸化鉄(すいさんかてつ)は鉄の水酸化物である。鉄の酸化数により水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)が存在する。 ただし水酸化鉄(III)は後述の通り慣用的な名称であり、実際の構造は酸化水酸化鉄(III)などであることが判明している。
[編集] 水酸化鉄(II)
水酸化鉄(II)は、Fe(OH)2で表される鉄の水酸化物である。 無色から淡緑色の結晶である。 鉄(II)イオンを含む溶液に酸素が存在しない状態で水酸化ナトリウムを滴下すると生じる。 酸素が存在する状態では容易に酸化されて水酸化鉄(III)へと変化する。
[編集] 水酸化鉄(III)
水酸化鉄(III)は、Fe(OH)3 で表される鉄の水酸化物である。 しかし実際には鉄と水酸化物イオンが1:3の比率で含有しているような化合物は知られていない。
天然に鉄鉱石として、針鉄鉱、赤金鉱、鱗鉄鉱、褐鉄鉱などが水酸化鉄(III)の一種として発見されていたが、これらはいずれも酸化水酸化鉄(III)(FeO(OH))の組成を持つことが判明している。これらの鉱石は多形の関係にある。
針鉄鉱α-FeO(OH)に相当するものは、水酸化鉄(II)を低温で空気酸化した後、得られたアモルファスを熱処理することで生成する。 赤金鉱β-FeO(OH)に相当するものは、塩化鉄(III)を加水分解することで生成する。 鱗鉄鉱γ-FeO(OH)に相当するものは、水酸化鉄(II)を亜硝酸で酸化すると得られる。 これらの酸化水酸化鉄(III)は加熱するといずれも脱水して対応する酸化鉄(III)が生成する。
鉄(III)イオンを含む溶液に水酸化ナトリウムを滴下した場合に生じるゲル状の沈殿の組成は酸化水酸化鉄(III)か、あるいはさらに脱水まで進行した酸化鉄(III)と考えられているが、詳細は明らかにはされていない。
高校化学の示演実験において塩化鉄水溶液を沸騰水中に滴下して水酸化鉄(III)のコロイド溶液を調製することが行なわれる。

