水素水

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水素水(すいそすい)とは、分子水素を溶解させたと主張される水である。

分子水素は常温常圧では気体であり、溶質としてはヘンリーの法則に従う。溶解度は水素分圧が0.101 MPa (1 atm) で20℃のとき、Bunsen吸収係数0.0182、Ostwald溶解度係数0.0194となる。全圧(水素分圧+水蒸気圧)が0.101 MPaであるとき、水1000 gに溶解する水素分子の量は0.00162 g(1.62ppm)である。

水素水は無味、無臭、無色である。水素分子が水に溶けて水素イオンとなることはないので、水素分子がpHに直接[疑問点 ]影響することはない。

なお、水素原子(活性水素)が溶解する「活性水素水」とは異なる。

医療分野への応用[編集]

日本医科大学の中村成夫は、水素水は

という特徴を持つと主張し、臨床研究がはじめられていると2013年に主張した[1]

また、東北大学医学部と整水器メーカー日本トリムは、血液透析用水に水素水を使用することで透析患者の慢性炎症、酸化ストレスを抑制することを見出したと2010年に主張した[2][3]

活性酸素への作用[編集]

梶山内科クリニックの梶山靜夫らは、ランダム化二重盲検法で、高LDL血症または耐糖能異常の患者30人に1日900mLの水素水を飲ませたところ、LDL値の顕著な減少がみられたと主張し、脂質代謝異常の改善や耐糖能異常の予防に有益であると主張した[4]。梶山靜夫らは自ら水素水の販売促進宣伝を行っている[5]

日本医科大学の太田成男らは、ストレスを与えたラットの脳細胞の増殖がストレスによって抑制された状態を改善したと主張した[6]

山梨大学教育人間科学部とパナソニック電工株式会社の共同研究で、二重盲検法によるランダム化比較試験において、水素を溶存させたとされる水素高溶存電解アルカリ水は、単に浄水を飲んだ場合と比較して活性酸素による生体内酸化ストレス値を40%と有意に低下させると主張した[7][8]

九州大学パナソニック電工の研究グループは水素入りの水がマウスの脳細胞の破壊を抑え、細胞を壊す原因とされる活性酸素も減ったことを確認したと主張し、パーキンソン病などの予防の治療につながるのではないかとコメントした[9]

連鎖販売取引[編集]

2005年、公正取引委員会は「事実より(健康に)良い」と誤認させる可能性があるとして景品表示法違反でミネラル還元水素水生成器などと謳う商品を販売していた3社に対し、景品表示法違反で排除命令を通告した[10]

保存[編集]

水素の溶け込んだ水をペットボトル等のプラスチック容器に封印したとしても、水素の分子は小さいため、プラスチックや、金属でも単層の蒸着膜程度なら通り抜けてしまう。水素水を保存・保管するには、ガラス瓶や金属缶、金属積層フィルムのパックなどが必要になる。

脚注[編集]

  1. ^ 活性酸素と抗酸化物質の化学、中村 成夫、日本医科大学医学会雑誌 Vol.9 (2013) No.3 p. 164-169
  2. ^ http://www.nihon-trim.co.jp/research/index.html
  3. ^ Nakayama M, Nakano H, Hamada H, Itami N, Nakazawa R, Ito S. (2010). "A novel bioactive haemodialysis system using dissolved dihydrogen (H2) produced by water electrolysis: a clinical trial.". Nephrol Dial Transplant 25 (9): 3026–33. PMID 20388631. 
  4. ^ Kajiyama S, Hasegawa G et al. "Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance." Nutr Res. 2008 Mar;28(3), pp137-43. PMID 19083400
  5. ^ http://www.kajiyama-clinic.com/hydrogen/index.html
  6. ^ Nagata K, Nakashima-Kamimura N, et al. "Consumption of molecular hydrogen prevents the stress-induced impairments in hippocampus-dependent learning tasks during chronic physical restraint in mice." Neuropsychopharmacology. 2009 Jan;34(2):Epub 2008 Jun 18, pp501-8. PMID 18563058
  7. ^ 水素を含んだ電解アルカリ水の飲用により、運動による体内ストレスを抑制する効果を検証(2009年7月17日、パナソニック電工株式会社)
  8. ^ パナソニック、電解アルカリ水が運動によるストレスを抑制すると発表(2009年7月17日、家電Watch)
  9. ^ Mami Noda, Yusaku Nakabeppu et al. "Hydrogen in Drinking Water Reduces Dopaminergic Neuronal Loss in the 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine Mouse Model of Parkinson's Disease" PLoS ONE 4(9): e7247. September 30 2009, doi:10.1371/journal.pone.0007247
  10. ^ 効能わからぬ水素水の生成器中日新聞 2014年6月5日