死亡の塔

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死亡の塔
死亡塔
The Tower Of Death
監督 ウー・シーユェン呉思遠
製作 レイモンド・チョウ
出演者 タン・ロン
ブルース・リー
配給 日本の旗 東映
公開 香港の旗 1981年3月21日
日本の旗 1981年6月20日
上映時間 86分
製作国 香港の旗 香港
言語 広東語
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死亡の塔』(原題:死亡塔、英題:The Tower Of Death)は、1980年製作の香港映画。主演は『死亡遊戯』でブルース・リーのダミー俳優を演じた韓国出身の俳優タン・ロン(唐龍)。

概要[編集]

呉思遠監督を起用、ユエン・ウーピン武術指導、ブルース・リーの後、彼の主演作『燃えよドラゴン』の未公開となっていたフィルムを一部使用してつくられた作品。

日本国内では、ブルース・リー主演を謳って公開されたが、実際は、リーの未公開フィルムは約3分ほどしか使われておらず、代役で水増しした分を含めても前半の約30分ほどで、主役であるはずのリーが殺されてしまう設定になっている。しかもリー本人のアクションシーンは全く見られないため、ブルース・リー作品というには、看板に偽りありの作品に仕上がっている。

ストーリー[編集]

截拳道の使い手ビリー(ブルース・リー)は、友人のチン(ウォン・チェンリー)の葬式に参列するため日本に来るが、葬式中にチンの棺を奪おうと現れた暴漢を追って殺されてしまう。悲報を聞いたビリーの弟・ボビー(タン・ロン)は、兄の仇を討つために日本へ来る。そしてチンが死直前に行ったという「死の宮殿」に向かう。すると、そこには死んだはずのチンが待っていた。

出演[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ビリー・ロー ブルース・リー(李小龍) 津嘉山正種
ボビー・ロー タン・ロン(唐龍) 池田秀一
チン・クー ウォン・チェンリー(黄正利) 仲村秀生
ルイス ロイ・ホラン(路易士) 嶋俊介
高僧 ロイ・チャオ(喬宏) 千葉耕市
ロー兄弟の父親 ホー・リー・ヤン(郝履仁) 北村弘一
韓国人武道家 カサノヴァ・ウォン(卡薩伐)
リー・ハイサン(李海生)
豹柄の男 タイガー・ヤン(楊成五)
片腕の男 ト・ワイ・ウォ(杜偉和)
Gジャンの男 加藤大樹 千田光男
高僧の弟子 ユン・ピョウ(元彪)
エンジェル(ルイスの女手下) ミランダ・オースチン

作品解説[編集]

製作当初『死亡遊戯』の続編として企画されたため、タイトルも続編であることを伺わせる『死亡塔』と発表された。しかし、諸般の事情により、ストーリーの大幅な変更を余儀なくされ、タイトルは『死亡塔』のままでありながら、『死亡遊戯』とは全くつながりのないストーリーになった。ただし英語版では、タイトルを『死亡遊戯Ⅱ』とし、主人公と高僧の役名を『死亡遊戯』出演時と同じにすることで、強引に続編に設定している。

主役である筈のビリー・ロー(ブルース・リー)がストーリー前半で死亡するという展開は、撮影途中に製作側の意向で急遽ストーリーを変えざるを得なかったという事情によるもの。事実、別の登場人物(加藤大樹)がビリー・ローと全く同じシチュエーション(ヘリコプターから墜落)で死亡するスチルが存在している(韓国公開版)。過去作品のテイクの継ぎ接ぎで「ブルース・リー主演」とするには無理が生じると判断したのと、タン・ロンを主役に立てて俳優として本格的に売り出そうという思惑があった。

『燃えよドラゴン』での未使用テイク[1]や『細路祥』、『雷雨』などの幼少から青年期に出演した作品が見られるという点では貴重な作品である[2]

当初、『死亡遊戯』の未使用テイクも使われる予定だったが、結局使われずに終わっている。

バージョン違い[編集]

韓国公開版ではブルース・リーの映像がすべてカットされ、タン・ロン主演作として公開されている。このバージョンでは国際版・香港版とは異なったシーンが多く含まれている。

香港公開版『死亡遊戯』でしか観ることの出来なかったサモハンキンポー武術指導の”温室の決闘”シーンが、冒頭の回想で復活。カサノヴァ・ウォンの迫力あるアクションを見ることができる。

日本公開版について[編集]

本作には、配給会社である東映株式会社が製作した日本版主題歌「アローン・イン・ザ・ナイト」と、日本版挿入歌「フォールン・ヒーローズ」がある(いずれもキース・モリソン作曲)。OPには「アローン・イン・ザ・ナイト」が流れ、「TOWER OF DEATH」と表記される。いたる箇所に日本オリジナル音楽が流れ、エンディング曲は日本オリジナル。『死亡の塔』の名場面の数々が流れる。「アローン・イン・ザ・ナイト」と「フォールン・ヒーローズ」がフルで、続けて流れるため、非常に長いエンディング曲となっている。初回TV放映時もこのバージョンの短縮版。

脚注[編集]

  1. ^ ロイ・チャオとの会話後、画面に向かって歩いて来るシーン、ハンの要塞島であてがわれた自室へ入ってくるシーン、自分の著書を手にするシーン、ホー・リー・ヤンとの長い会話シーンなど。
  2. ^ 特に『燃えよドラゴン』でのブルース・リーの役名は単に”リー(李)”と認識されているが、ここで手にした本には「少林寺 振強拳法與練法 李振強著」と書かれ裏表紙にはリー自身の顔写真があることから、『燃えよドラゴン』でのリーの役名が李振強であることがわかる(これまではスチール写真で確認できたのみ)。

外部リンク[編集]