歩行器
歩行器(ほこうき)とは、人の歩行を補助するための機器であり、歩行補助機器(Mobility aids)の一種。安定した姿勢の保持と転倒の防止が見込める[1]が、両手の使用に支障がないことが前提である[2]。
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乳幼児用[編集]
SGマークの付いた歩行器の対象は、7ヵ月 - 15ヵ月、身長748mm、体重9.3kgまでの乳幼児である[3]。だが、本来まだ歩行の不可能な乳幼児に歩行器を与えて歩かせることは、2010年現在推奨されているとは言い難い。歩行器を用いて訓練をしたからと言って早く歩ける様にはならず、それどころか逆に自立歩行が遅くなる可能性や、安全な転び方(パラシュート反射、尻餅)も学べずに大けがをする場合もあり[4]、苦労してのはいはい、伝い歩きなどという正常な成長過程を経ないことによる悪影響も懸念され[5]、アメリカでは販売が禁止されているものである[6]。
だが、純粋に遊び道具としては有用であり、平坦かつ広く、特に転落の危険が無く、また、床面だけでなく上方も含めて危険なものの無いスペースを確保し、歩行器には安全性の高いものを選択し、乳幼児に充分な休息を取らせることを心がけた上であれば、保護者の厳密な管理下のもとで、使用しても良いとされる。
なお、乳幼児用歩行器は、高橋誠、山越憲一らによれば、手掌支持型パラレルウォーカー、前腕支持型パラレルウォーカーなどに分類できる[1]。
リハビリテーション用[編集]
脳血管障害や脊髄損傷など何らかの原因で歩行障害となった場合のリハビリテーションに用いられる。通常、車いす、平行棒訓練についで歩行器によるリハビリが行われ、ついで杖による歩行訓練に移行する[7]。
介護用[編集]
歩行器は杖や松葉杖といった他の歩行補助機器と比較して、より大きな体重を担うことのできる機器であり、重篤云々 また、歩行器は病院など平坦な環境で使用される事が前提のものと、そうでない、一般的な環境で使用され得るものに大別できる。2001年現在、特に規格や定義などは定まっていない[1]。1994年の資料では、価格は3万円台から6万円程度である[8][9]。
介護用の歩行器は主として高齢者の歩行補助に用いられる[要出典]。
- 四脚歩行器
- 4本の脚のあるタイプであり、固定型と交互型に分けられる。固定型のものは、まず歩行器を一歩前に出し、しかる後に片足ずつ歩行器の位置まで足を進める作業を繰り返して前進する[1]。
- ロレーター型
- 典型的には、4本の脚の内、前方の2本がキャスターであるもの。二輪式歩行器とも。バランス障害の程度の低い人や、屋内での使用に向く[1][8][2]。
- 小車輪付き歩行器または歩行車
- 3本または4本の脚、全てにキャスターがついているもの。掌でグリップするものと、前腕支持型に分けられる。自転車の様なブレーキが付いているものも多い[1][8]。
- 手押し車
- いわゆるシルバーカーで、頑丈なショッピングカーと言った趣のもの。やはりブレーキのついているものが多い[1][8]。ただしこれは原則的に体重をかけやすい、または腰掛けやすい形状をした荷物運搬用手押し車に過ぎず、自立歩行の困難な人に対する補助としては使用できない。詳しくは「シルバーカー#注意点」を参照。
* 歩行器の分類は 山越憲一 『健康・福祉工学ガイドブック』 (2001) を参考にした。ただし前述の通り、特に定まった規格はない。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g 『健康・福祉工学ガイドブック』 p.156、p.163
- ^ a b 『目で見る 介護のしかた 全ガイド』 p.188
- ^ 『赤ちゃんグッズ』 p.100
- ^ 『最新 育児の百科』 p.246
- ^ 『新育児百科』
- ^ 『はじめで出会う 育児の百科』 p.390
- ^ 布施泰史、村上収 (2005年). “リハビリテーション支援用歩行器に関する研究 (PDF)”. 宮崎県工業技術センター・宮崎県食品開発センター研究報告. 宮崎県工業技術センター. pp. p.p.43-45. 2010年11月25日閲覧。
- ^ a b c d 『お年寄りの在宅ケア』 p.270
- ^ ただしシルバーカーは除く。
参考文献[編集]
主として乳幼児用[編集]
- Arlene Eisenberg 他著 井上裕美、長谷川充子 監修、訳 『月別の産後一年間子育て事典』 メディカ出版 2004年3月
- オフィスクリオ 『ママも安心! 赤ちゃんグッズのじょうずな選び方』 メイツ出版 2007年10月
- 汐見稔幸 榊原洋一 中川信子 『はじめて出会う育児の百科 0 - 6歳』 小学館 2003年12月
- 東山宗宏 高橋悦二郎 編 『新育児百科』 主婦と生活社 1984年11月 (ページ番号は1991年2月版準拠)
- 松田道雄 『最新 育児の百科』 岩波書店 1967年11月 (出典のページ番号は1997年7月版準拠)
- 五十嵐隆 監修 『新版 育児大全科 - 赤ちゃんとの毎日がもっともっと楽しくなる』 主婦の友社 2010年3月
主として大人用[編集]
- 下正宗 監修 『最新目で見る介護のしかた全ガイド - ヘルパー、家族のための手引書』成美堂出版 2006年7月
- 天本宏、野村歡、山崎摩耶 監修 『おとしよりの在宅ケア』 日本放送出版協会 1995年3月
- 山越憲一 編著 『健康・福祉工学ガイドブック』 工業調査会 2001年7月 (p.156、p.163 歩行器全般について)、(p.579 ロレーター型、歩行車について)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- カナダ保健省 Injury Data Analysis Leads to Baby Walker Ban (被害情報の分析が、乳幼児用歩行器の追放を先導した)
- 財団法人 製品安全協会
- (乳幼児用)歩行器の認定基準及び基準確認方法 (pdf)(2010年11月閲覧)
- 歩行車(ロレータ及びウォーキングテーブル)の認定基準及び基準確認方法 (pdf)(2010年11月閲覧)