止水域

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止水域(しすいいき)とは、人の目では水が流れていると確認できないほどゆっくりした流れのある水域。などがこれにあたる。停滞水域とも呼ぶ。逆に河川渓流などの明らかな流れのある場所を流水域と呼ぶ。酸素濃度が低く、生物は希薄であるという。

普通は陸水に関して使われる言葉である。陸水においては、水は各部分で孤立しているか、ひと繋がりの流れを作る。この、孤立している方が止水である。実際には、流水域にも止水的環境があり、止水域にも流水的な部分がある。

一般に陸水は規模が大きくないので、水中の酸素はその水面からどれだけ取り込まれるかにかかっている面がある。流水域では水面がかき乱されるため酸素が多くとけ込むのに対して、止水域では水面の波立ちが少なく、酸素の溶け込みは盛んでない。また水中の流れも規則的に起こらないことがよくあり、水面から離れるに連れて酸素不足が生じやすい。

たとえば池や湖では、水底に有機物が蓄積して酸素消費量が多いのに、水面からの酸素は底まで到達しにくい。冬季には対流を生じて水底への酸素供給が増えるが、夏期には対流が起きない上に水温が高くて分解が進むために、水底の方から酸素不足を生じやすい。

硫酸還元層を発生させる嫌気性還元バクテリアが好む環境でもあるため、水槽での水性生物の飼育にあたっては、止水域が生じないように気をつける必要がある。一方、水槽の一角に強制的に止水域を生じさせることで、嫌気性還元バクテリアを繁殖させ、窒素を分解させることもある。

また、ガーデニングでは、小さな池や睡蓮鉢の水など、水流の起きない個所を指すこともある。