欲望の翼

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欲望の翼
タイトル表記
繁体字 阿飛正傳
簡体字 阿飞正传
拼音 Āh Fēi Zhèng Zhuàn
粤語拼音 Aa3 Fei1 zing3zyun6
英題 Days of Being Wild
各種情報
監督 ウォン・カーウァイ
脚本 ウォン・カーウァイ
製作 ローヴァー・タン
製作総指揮 アラン・タン
出演者 レスリー・チャン
マギー・チャン
カリーナ・ラウ
アンディ・ラウ
ジャッキー・チュン
トニー・レオン
音楽 ザビア・クガート
ロス・インディオス・タバハラス
撮影 クリストファー・ドイル
編集 パトリック・タム
美術 ウィリアム・チョン
配給 プレノン・アッシュ
ハーク(デジタルリマスター版)
公開 香港の旗 1990年12月15日
日本の旗 1992年3月28日
日本の旗 2018年2月3日(デジタルリマスター版)
上映時間 97分
製作国 香港の旗 イギリス領香港
言語 広東語
上海語
英語
北京官話
タガログ語
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欲望の翼』(原題:阿飛正傳、英題:Days of Being Wild)は、1990年制作の香港映画

概要[編集]

1960年の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇。ウォン・カーウァイ監督の監督第2作にあたり、前作『いますぐ抱きしめたい』が平均的なアクション映画だったのに対して、本作では、撮影監督のクリストファー・ドイルによるスタイリッシュな映像、マヌエル・プイグ村上春樹などの影響を受けた詩的なモノローグの多用、明快な起承転結を持たない構成、説明を極力省き観客の想像に委ねる話法など、ウォン監督独自の作家性がここで確立されており、初期の代表作とみなされている。

もともと前後篇二部構成の予定だったが予算とスケジュールを前編で使い切ってしまい、本作のみが完成した。ラストシーンで唐突に登場し九龍城砦の一室で身支度をするトニー・レオンは、後編の主人公となる予定だった。結局、続編は製作されず、レオンの役が何者であったかは不明のままだが、のちの『花様年華』と『2046』で演じた役に、名前や設定が一部受け継がれており、この2作が実質的な続編ともいわれる。

レスリー・チャン演じる主人公が口にする、「脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、生涯で1度だけ地上に降りる。それが最後の時」は、テネシー・ウィリアムズ作『地獄のオルフェウス』の一節。

第10回香港電影金像奨で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を、第28回金馬奨で最優秀監督賞を受賞した。

日本では、1991年の第4回東京国際映画祭で、『デイズ・オブ・ビーイング・ワイルド』の邦題で上映された後、1992年に『欲望の翼』の邦題で劇場公開された。2005年以降、日本での上映権が消失していたが、デジタル・リマスター版が2018年2月3日から劇場公開された[1]。さらに4Kレストア版が特集上映「ウォン・カーウァイ ザ・ビギニング」として2023年12月8日より劇場公開され、デジタル・リマスター版ではカットされたマギー・チャンのシーンが復活したオリジナル版での上映となった[2]

ストーリー[編集]

1960年の香港。サッカー競技場の売店の売り子スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ある日ヨディ(レスリー・チャン)という青年に口説かれる。1度は断ったスーだったが、やがてヨディに惹かれ始める。だが、結婚を望むスーに対してヨディにはそのつもりはなく、傷ついたスーはヨディの元を去る。やがてヨディはクラブのダンサーのミミ(カリーナ・ラウ)と付き合い始めるが、ヨディの親友(ジャッキー・チュン)はミミに恋心を抱き、傷ついたスーを慰めた警官(アンディ・ラウ)は彼女に惹かれていく……。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ウォン・カーウァイ監督作「欲望の翼」リマスター版上映は2月に、予告編も到着映画ナタリー 2018年1月16日
  2. ^ ウォン・カーウァイ「いますぐ抱きしめたい」18年ぶりに劇場公開 「欲望の翼」と4Kレストア版で特集上映 映画.com、2023年9月6日

外部リンク[編集]