機甲兵

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機甲兵(きこうへい)は、アニメ機甲界ガリアン』に登場する架空のロボット

概要[編集]

『機甲界ガリアン』シリーズは、それまでのリアルロボットアニメと違い、惑星「アースト」と呼ばれる地球史でいうところの中世時代の世界観を物語背景にするアニメである。

機甲兵とは、その世界の過去に栄えた文明の遺跡発掘物であるロボット兵器の総称で、その容姿は本作の世界背景同様に中世騎士や、ヨーロッパ神話世界に登場するモンスターを模ったものがほとんどである。本作品はよく、同じファンタジー世界を背景に持つロボットアニメ『聖戦士ダンバイン』と比較される場合も多いが、リアルな中世イメージを反映した世界観やロボットデザインを持つ本作は『ダンバイン』のそれとは違うものと解釈したほうが良い。

先述したように、その中世時代の世界観を持つそのロボットは、それまでのハイテクをイメージするロボットのそれとは違い、伝説上の巨神や魔神を思わせるものがほとんどで、一見するととてもハイテク兵器の象徴であるリアルロボットには見えないデザインが特徴的である。

それら機甲兵が使用する主要武器も、棍棒といった古典的な武器が目立ち、多くの場合、ビーム兵器や火砲は補助兵装に留まっている。主人公の乗るガリアンすら、初期は剣のみが武装であった。そして、その呼称にも各ロボットが主張する戦力の呼称が細分化されており、「人馬兵」「飛甲兵」「機甲猟兵」といった、それまでのリアルロボットとはかけ離れた呼称で設定されている。

主な機体[編集]

鉄巨人 ガリアン[編集]

ガリアン
種別 鉄巨人(パンツァーブレード)
全高 12.48m
重量 26.26t
滑走時最高速度 107km/h
装甲材質 ガリオネット
主な搭乗者 ジョジョ
武装 剣(通称ガリアンソード

ジョジョが白い谷の奥深く見つけた伝説の赤い機甲兵。

主武装の「ガリアンソード」は複数の楔形の刃をワイヤーで連結した武器であり、普段は前腕甲部に収納されている。両腕に計2本持っていると思われるが、劇中では1本しか抜いていない。この刃は素材のバイオニウムの性質により、静微粒子(後述)を帯びると節々が互いに接着硬化して一振りの長剣となる。また、伸びたままでもムチのように使用でき、絡み付かせて引くと、ワイヤーソーのように切断できる。

両足の土踏まずには「ダッシュホイール」と呼ばれる車輪が装備され、これを回転させることで地表を高速走行することができる。また、変形して飛装型(ビッグファルコン)となることにより飛行することも可能となる。

当初武装は剣しかなく、飛装型では戦闘力が事実上なかった隙を突かれ、第8話にて大きなダメージを受け、その修理の際に重装改へと改造される(第10話)。

なお、『デュアルマガジン』で詳説された裏設定であるが、ガリアンを含むあらゆる機甲兵は「静微粒子」と呼ばれる物質の生み出す反重力で全身の各関節を動作させている。これは永久機関であり、エネルギー切れが起こることは基本的にないという。

デザインは大河原邦男。大河原は本作に参加予定ではなかったが、高橋監督から「主役メカを描ける人がいない」とのオファーを受けたとのこと。大河原デザインとしては、高橋アニメで初の「顔のある主役ロボ」である。

ガリアン重装改(アザルトガリアン)[編集]

ガリアン重装改
種別 鉄巨人(パンツァーブレード)
全高 12.48m
重量 27.94t
滑走時最高速度 97km/h
装甲材質 ガリオネット
主な搭乗者 ジョジョ
武装
二連重装砲
飛装砲

改装後は二体に分離する機能が追加され、上半身(と腰部)が飛装改(パンツァーファルコン)、脚部が、盾と砲とが合体した砲台とのドッキングで自走改(ストライクヴィーグル)として走行可能となった(なお自走改のコクピットは左足にあり、ガリアン時に人を乗せることも出来る)。飛装改は可動する小型のビーム砲一門(飛装砲)を肩部にオフセット装備、自走改はガリアンが抱えて使用することもできる大型の二連重装砲と盾(重装砲と合体して)を備える。

飛装改には着陸脚が無いため、最終回では胴体着陸をしてそのまま放棄されていた。

鉄巨人(鉄の紋章)[編集]

OVA機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

邪神兵の起動に呼応して光の中から現れた伝説の機甲兵。テレビシリーズとは異なり変形はしない。武装は剣のみだが、剣自体には打ち砕かれても再生する能力がある。さらに他の機甲兵の攻撃を受け付けない頑丈な装甲を持ち、圧倒的な強さを誇る。

こちらは大河原のガリアンのデザインを基にして、出渕裕がデザインしている。

ガレージキットなどでは鉄巨神とする表記も見られる。

機甲猟兵 スカーツ[編集]

スカーツ
種別 機甲猟兵(パンツァーハンター)
全高 12.60m
重量 30.92t
装甲材質 バイオニウム
主な搭乗者 ドン・スラーゼン
スミオン
武装

ドン・スラーゼンの乗機。二人乗り(もう一人の乗員はスラーゼンの側近であるスミオン。主にレーダー担当)。偵察および襲撃用の背中の鉄鷲機(バックインバネス)が分離、飛行可能だが、スカーツ自体には飛行能力は無い。初登場時はバックインバネスがジョジョの危機を救う印象的なものだった。機体カラーは茶。怪力を誇り、両足の装甲内にあるを二本組み合わせ、長槍として振るう。鉄鷲機には瞬光弾も装備。

機甲猟兵 ザウエル[編集]

ザウエル
種別 機甲猟兵(パンツァーハンター)
全高 11.60m
重量 21.09t
滑走時最高速度 105km/h
装甲材質 バイオニウム
主な搭乗者 ジルムセン・ランベル
武装 回転剣(ドリルブレード)

古代アースト文明において、対ガリアン用機甲兵として開発された機体。ジルムセン・ランベルの乗機。長剣(「回転剣」)と大きな盾(剣の鞘を兼ねる)を持ち、ランベルの卓越した操縦技術に加えて、回転剣と盾とを駆使した戦法で機甲界有数の強さを誇る。機体カラーは青。ガリアン以外に唯一、「ダッシュホイール」と呼ばれるローラーダッシュ機構を有する機体でもある。

機甲猟兵[編集]

OVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

指揮官が使用する機甲兵。作中には2種類(頭部や装甲の一部、カラーリングが異なる)が登場し、テレビシリーズのザウエル同様の回転剣を武器とする。

人馬兵 プロマキス[編集]

プロマキス
種別 人馬兵(パンツァートランプラー)
全高 11.60m
重量 49.88t
最高走行速度 166km/h
装甲材質 バイオニウム
武装 馬上槍
戦斧
腹部ビーム砲

機甲兵では最も数が多く、マーダル軍の象徴的な機体。ケンタウロス型で、四つ足で走り回り、二本の腕に武器と盾を携行する。頭部パーツと武器にバリエーションがある。武器は馬上槍(ランス)、戦斧、など。腹部にビーム兵器を装備している。物語の冒頭で膕(ひかがみ)から火(おそらく排気炎)を吐きながら、馬のように竿立つ姿は物語のテイストを象徴している。塗装は灰色地に濃紺。

指揮用人馬兵プロマキス・ジー[編集]

プロマキス・ジー
種別 パンツァートランプルリーダー
全高 11.64m
重量 49.96t
最高走行速度 172km/h
装甲材質 バイオニウム
武装 馬上槍
戦斧
腹部ビーム砲

指揮官用人馬兵。一般兵用とは頭部と盾の形状に違いがある。しかし、スラーゼン隊の人馬兵プロマキス・ヴィーと違って、塗装が一般機と酷似している為、画面上で見分けるのは極めて困難である。

巡航遊撃人馬兵 プロマキス・ヴィー[編集]

プロマキス・ヴィー
種別 巡航遊撃人馬兵(パンツァートランプルクルーザー)
全高 11.60m
重量 43.75t
最高走行速度 169km/h
装甲材質 バイオニウム
主な搭乗者 ヒルムカ 他
武装 馬上槍
戦斧
腹部ビーム砲

スラーゼン配下の赤の機甲兵団使用の人馬兵。識別のため[要出典]赤系統を配し、また盾の形状も異なる。戦力の少ない“白い谷”で、唯一、複数存在した人馬兵・プロマキスの巡航攻撃タイプで、航続距離が1.9倍に増した分、機甲構造の変更、重量軽減等がなされている[1]

ヒルムカがスラーゼン配下から半ば強奪する形で搭乗し、ジョジョの危機を救った時もある。劇中内の描写から自爆装置の標準装備が判明している。

人馬兵[編集]

OVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

マーダルの軍勢の主戦力となっている機甲兵。本作では槍と腹部のビーム砲で武装する一般兵用のもの以外に、マーダルとジョルディ専用の人馬兵が登場する。

マーダル専用機は一般用に比べ大きい上に黒く、その異様な外見は見る者に恐怖を与える。武装は長剣。

ジョルディ専用機は一般用と比べ、装甲の形状が異なる赤い機体。武装は曲刀。

飛甲兵 ウィンガル[編集]

ウィンガル
種別 飛甲兵(パンツァーガスト)
全高 11.20m
翼幅 14.17m
重量 18.83t
最高飛行速度 マッハ1
装甲材質 バイオニウム
武装 ビーム砲付き片手斧(トマホーク)

名前の通り、ガリアンを除き、唯一飛行能力を持つ機甲兵。折り畳み式の翼を備え、展長して飛行可能。柄の先端がビーム砲口になった片手(トマホーク)を振るう。希少な存在であるため、主にマーダル親衛隊にしか配備されていない。飛行能力を生かした長距離偵察や哨戒に多用されただけでなく、機動性を活かした奇襲作戦にも使用されたこともある。カラーリングは濃淡二色の緑色。

ウィンガル・ジー[編集]

ウィンガル・ジー
種別 パンツァーガストリーダー
全高 11.96m
重量 18.90t
最高飛行速度 マッハ1.1
装甲材質 バイオニウム
主な搭乗者 ハイ・シャルタット
ローダン将軍 他
武装 ビーム砲付き片手斧(トマホーク)×2

若干の性能向上が見られる指揮官用飛甲兵。一般用と比べて頭部の形状が異なる。ハイ・シャルタット専用機は銀一色のメタリックカラー(ただし、目だけは赤のまま)で、ウィンガルと同じ手斧を二挺振るう(ダブルトマホーク)。ザバ将軍機やローダン将軍機もジーだが、腕甲の塗装が赤いこと以外は一般機と同じなので、隊長機という識別以外には見た目で区別が付かない。

飛甲兵改 ツウィンガル[編集]

ツウィンガル
種別 飛甲兵改(パンツァーガストキャリアー)
最高飛行速度 マッハ0.93

2機のウィンガルを腕部分でつなぎ客室を設けたもの。飛行時は二列のワンボックスカーのような座席の配置だが、着陸時は椅子が回転し、人間が垂直に並んだようになる。一応それぞれの機体が一振りずつ、足にウィンガルと同型の片手斧を携行しているのが確認されている。主に要人の輸送用で戦闘には不向き。親衛隊所属機らしく、劇中では主にマーダル専用の高速連絡機として使用されていた。

飛甲兵[編集]

OVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

ハイ・シャルタットが搭乗する作中唯一、飛行能力を備えた機甲兵。背部の翼を展開し、羽ばたかせることによって飛行する。テレビシリーズのハイ用ウィンガル・ジー同様に全身が銀一色(TV版と違い、頭部も甲冑風になっている)だが、武器はトマホークではなく曲刀を使用する。

重射兵 モノコット[編集]

モノコット
種別 重射兵(パンツァーバリスタ)
全高 10.52m
重量 19.13t
装甲材質 バイオニウム
武装 瞬光弾ポッド×2
長柄戦斧

人馬兵に次いで数が多い機甲兵。両肩に瞬光弾(マグネシウムアロー。発掘兵器で最も多く見られる砲)ポッドを備えた長距離援護型。射撃体勢では足の駐鋤で機体を固定して反動を緩和。腰部の回転と発射装置の俯仰で照準するが、曲射(間接照準射撃)には現代の火砲と同じく弾着観測班が必要となる(射角の変更などは射手がハンドルで操作する)。

カラーリングは緑地に赤。一般的には集団で戦線に投入され、曲射による瞬光弾の一斉射撃で、文字通りの弾雨を降らせる砲兵戦術が多用された。

本機はマーダル軍では最前線で敵と対峙せず、後方配置が基本。これは移動時は背中にあり、射撃時に前を向く瞬光弾ポッドは弾丸の性質上極めて危険で、被弾による誘爆で容易く撃破されてしまうためである。緊急時には瞬光弾ポッドを投棄して頭部の照準器をバイザーで保護。装備している長柄戦斧で闘う事もできるが、劇中ではガリアン他の機甲猟兵には白兵戦では歯が立たず、討ち取られている。

なお、劇中では印象深い数多の活躍場面があり、シールズすら景品としてレジンキット化されたにもかかわらず、オフィシャルキットの発売が行なわれなかった不遇の機体である。

重弩兵[編集]

OVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

テレビシリーズにおける重射兵に相当する機甲兵。左肩から巨大な金属製の円柱を弓で打ち出す。

重装兵[編集]

OVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場。

重弩兵から円柱の発射装置を省いたような外観の機甲兵。槍やモーニングスターを武器とする。

水機兵 アゾルバ[編集]

アゾルバ
種別 水機兵(パンツァースケール)
全高 12.41m
重量 25.76t
巡航速度 47.9km/h
装甲材質 バイオニウム
武装 水機銃
魚雷

半魚人を思わせる鰭と鱗状の装甲を持つ水中戦用。瞬光弾を放つ水機銃(機甲兵サイズの水中銃状の武器)と魚雷を装備。色は臙脂色ベース。主に警備用としてマーダル城前面の大河に潜んでいるが、マーダル遠征中には宿営中の河で、待ち伏せていた時もあった。

アゾルバ・ジー[編集]

アゾルバ・ジー
種別 パンツァースケールリーダー
全高 12.41m
重量 26.08t
巡航速度 49.3km/h
装甲材質 バイオニウム
主な搭乗者 ハイ・シャルタット
武装 矛(ハルバード)
魚雷

指揮官用水機兵。水機銃の代わりにを装備。劇中ではハイが乗った青の一機のみが登場。アゾルバと違い水中用以外の飛び道具がないので、ハイは飛行して撤退するガリアンへ矛を投擲したが、命中しなかった。

カバヤのガリアンガムに付属する食玩キットが発売されたものの、タカラのSACシリーズとしては、先に箱絵が描かれていたにもかかわらず未発売だった。後にLD-BOXの購入特典として、そのキットが付属した。

重歩哨機 シールズ[編集]

シールズ
種別 重歩哨機(パンツァージャニター)
全高 13.19m
重量 33.07t
主な搭乗者 ジョルディ、チュルル
武装 棍棒(ヘビィクラブ)
ビーム砲

機甲兵のメカニズムを参考にして造られた人型機械。模造品で機甲兵より性能は低いが、絶対数の限られる発掘兵器の不足を補うため開発されたもので、主に要地警備に使用される。第1話ではアズベスが語る「マーダルがその不可思議なる力を持って、アーストに興した工業」の象徴的なシンボルとして、画面には本機の製作模様がインサートされていた。

頭部の探照灯付き円形ターレットと腰部から上が180度回転する機構のため、前後が無い。武器はフレキシブルアームで自在に動くビーム砲(低出力だが、同じシールズなら破壊する威力がある)と、両腕に内蔵されている棍棒(ヘビイクラブ)。棍棒は先端が鋭く、杭(スパイク)としても使用可能。機体は真っ黒に塗られている。

地味な機体だが見せ場は多く、無重力の谷ではガリアンとの一騎討ちを展開したり、マーダル城内ではジョジョとチュルルが本機を奪い、追撃して来たシールズ二機を串刺しにして撃破している。余談だが、ジョジョがガリアン以外に操縦した唯一の機体であり、ある意味「主人公機」である。

劇中登場した機甲兵はタカラからほぼ全種プラモ化されたが、本機についてはプラモデルにはならず、ガリアンのプラモシリーズに付属しているポイントを20個分集めることで非売品レジンキットが全員プレゼントされることでフォローされた。

脚注[編集]

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  1. ^ 機甲界ガリアン公式サイト http://www.galient.net/mechanic/09.html より。