機井洞
機井洞(朝鮮語: 기정동、キジョンドン)は北朝鮮(開城市)にある、板門店や都羅展望台など大韓民国側からから見ることのできる宣伝村である。軍事境界線を中心に設定された幅4キロメートルの無人地帯・DMZ(非武装中立地帯)内に残された、ただ2つの村のうちの1つ[1](もう一つは南の大韓民国側にある大成洞)。機井洞は北では「平和の村」(평화촌)[2]と呼ばれるが、南では「宣伝村」(선전마을)と呼ばれる[3][4]。
朝鮮戦争が勃発した1951年10月、停戦会談が板門店で開かれ、板門店の近くに位置していた大成洞と機井洞は軍事境界線上で数少ない、非武装中立地帯内でありながら民間人統制区域から除外された村となった[5]。これにより、両地域では民間人の居住も可能となった。
現在、北朝鮮側は、機井洞は200世帯ほどが住む模範的な集団農場の村で、保育所・学校・病院を完備しているとしている[6]。村には明るい色で塗られた数階建てのコンクリート製アパートが立ち並んでおり、夜には電気もつく。ただし韓国側は、機井洞は1950年代に南に対するプロパガンダ(北の農村政策は順調に進んでいると宣伝して、南からの亡命を促進する)のために作られたと主張している。韓国側から望遠鏡で機井洞を見ると、建物は窓も内装もないがらんどうであり[7]、電気は夜に一斉について一斉に消えるとされる[8]。
南側の大成洞と北側の機井洞は、1980年代に「国旗掲揚塔競争」を繰り広げたことがある。最初に大成洞が98.4メートルの高さの国旗掲揚塔を建てて重さ130キログラムという巨大な国旗を掲揚した。北朝鮮はすぐさま反応し、機井洞に高さ160メートルの塔を建て、重さ270キログラムの国旗を掲げた[7]。この塔は今も機井洞の象徴であり、アゼルバイジャンのバクーにある高さ162メートルの国旗掲揚塔に次ぐ世界第2位の国旗掲揚塔となっていた(2011年、タジキスタンのドゥシャンベに高さ165メートルの国旗掲揚塔が建ち、機井洞の塔は世界3位となった)。
また機井洞には大きなスピーカーがあり、南に対する宣伝放送を絶えず行っていた場所でもあった[7]。かつては北の素晴らしさをたたえ、南の兵士や農民に境界線を越えて亡命してくるよう促す内容だったが[9]、やがて西側諸国への非難や北の宣伝歌曲を放送するようになり、2004年に止まるまで1日に20時間も大音量での放送を継続していた[9]。
関連項目 [編集]
出典 [編集]
- ^ Kozaryn, Linda D. (1997年4月14日). “Cohen: Economic Failure Plagues North Korea”. DefenseLink. American Forces Press Service (U.S. Department of Defense) 2009年7月5日閲覧。
- ^ Kijungdong, North Korea's Propaganda Village November 12, 2006 http://www.panmunjomtour.com/english/jsa/jsa_16.htm
- ^ Korean Demilitarized Zone - Globalsecurity.org http://www.globalsecurity.org/military/facility/dmz.htm
- ^ (朝鮮語) “북한의 기정동 선전마을”. TourDMZ.com. 2006年10月9日閲覧。
- ^ 「대한민국의 별천지, <대성동 '자유의 마을'> (韓国の別世界、 "大成"自由の村")」 (朝鮮語)、『Tongilnews』、2008年1月28日。
- ^ A Sightseeng Guide to Korea by Pang hwon Ju & Hwang Bong Hyok, Foreign Languages Publishing House, Pyongyang, DPRK. 1991
- ^ a b c Potts, Rolf. Korea's No-Man's-Land. Salon, February 3, 1999
- ^ Silpasornprasit, Susan. "Day trip to the DMZ: A look inside the Korean Demilitarized Zone". IMCOM-Korea Region Public Affairs Office, US Army. http://imcom.korea.army.mil/imakoroweb/sites/local/news/020808_IMCOMK_DMZ.asp Retrieved 30 Jan 2009.
- ^ a b “Kijŏng-dong, North Korea « Daily Propaganda”. Dailypropaganda.com (2011年5月6日). 2012年2月21日閲覧。