権記

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権記』(ごんき)は、平安時代中期に活躍した藤原行成の記した日記である。名の由来は、極官(ごくかん)の権大納言による。『行成卿記』、『権大納言記』とも。執筆時期は藤原道長の全盛期で、特に蔵人頭在任中(一条天皇期)の活動が詳細に記されており、当時の政務運営の様相や権力中枢・宮廷の深奥を把握するための第一級の史料[1]

正暦2年(991年)から寛弘8年(1011年)までのものが伝存し、これに万寿3年(1026年)までの逸文が残っている。自筆本は伝わらない。最も古い写本は、鎌倉時代以前に筆写された伏見宮本(宮内庁書陵部蔵)である。同時期の日記に『小右記』(藤原実資)、『御堂関白記』(藤原道長)がある。

脚注[編集]

  1. ^ 倉本一宏『藤原行成「権記」全現代語訳』の「はじめに」より

参考文献[編集]

  • 黒板伸夫『藤原行成』(吉川弘文館・人物叢書、1994年)
  • 倉本一宏『藤原行成 「権記」全現代語訳』(講談社学術文庫 全3冊、 2011-2012年)
    • 抜粋版『権記 日本の古典』(倉本一宏編、角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス、2021年)
  • 読み下し文は国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」で公開されている。