森伊蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
森伊蔵

森伊蔵(もりいぞう)は、日本鹿児島県垂水市に本拠を置く酒造メーカー・森伊蔵酒造より発売されている芋焼酎ブランドである。

特徴[編集]

鹿児島産の有機栽培サツマイモを原料とし、手間の掛かる伝統的なかめつぼ仕込みにより生産している。イモ臭さを除去したまろやかな味を特徴としている。「幻の焼酎」として知られる。「魔王」「村尾」と合わせて「3M」と呼ばれる。

フランスの元大統領ジャック・シラクは森伊蔵が大好物であるとされている。当時のトヨタ自動車社長・張富士夫レジオンドヌール勲章を受けた返礼として12本を持参したところ、叙勲式で「これ以上うれしいことはない。よくぞこれだけの本数をそろえていただいた。私のことをアルコール中毒と思わないでくださいね」と語って周囲を笑わせたという[1]

日本航空では、国内線および国際線ファーストクラスで通年提供しており、当該クラスの乗客は無料で味わうことが出来る。なお同様のサービスを提供しているのは世界の航空会社では日本航空のみである[2][3]

森伊蔵の由来[編集]

「森伊蔵」の裏ラベルに「かめ壺焼酎森伊蔵は、初代より受け継いだ技で、契約栽培のさつまいもを昔ながらのかめ壺でじっくりと熟成発酵させた焼酎です。甘味のあるまろやかな味わいは、蔵元として自慢の焼酎です。 五代当主」とある。森伊蔵酒造の4代目の名前が由来である。焼酎の銘柄で、人名をブランド名にするはしりでもあった。かつての銘柄は「錦江」。このラベルもいくつかの変遷を経ている。最初は「契約栽培」ではなく「有機栽培」だった。

販売方法[編集]

公式の店頭販売価格は1.8 リットル入り1本2,225円で、日本全国65店の特約店での販売のほかに毎月15日に電話で申し込みを受け付けて抽選により販売が行われている。かつては垂水市の生産元で直接販売もしていたが、発売日に日本全国から人が集まるようになり、警察が出動するなどの騒ぎになったことから電話受付となった。電話受付になってからも、2時間に100万本を超える電話が殺到してNTT交換機がハングアップする事態を引き起こしたため、1999年からは電話で受け付けた中から抽選で販売するようになっている[4]。この電話による抽選は、確率約0.2 パーセントとされている[5]

また、毎年3月から5月の期間限定で日本航空の国際線F/Cクラスで機内販売が実施される(ヨーロッパアメリカホノルル各路線、原則として1人1本)。

市場に出回った森伊蔵は、オークションやブローカーなどを通じて転売されて1本3万円を超える値段になることもある[5]銀座高級クラブなどでは、1本15万円で出すこともある[5]。1983年頃は知名度に乏しく、量販焼酎並みの価格で売られていた。ただし、その頃も店頭販売はほとんどなく米屋等を介して飲食店等へ販売されていた。

森伊蔵の種類[編集]

  • 森伊蔵 1800ml
  • 森伊蔵 720ml(いわゆる金ラベル)
  • 森伊蔵(日本航空国際線機内販売限定)720ml 国際線(欧米、ホノルル路線)の全クラスで3月から5月までの期間限定で購入できる。1本3,000円。
  • 極上森伊蔵 720ml 熟成3年(かつては「極上の一滴」としていた)
  • 楽酔喜酒 森伊蔵 600ml 長期熟成 - 2006年11月に高島屋山形屋(鹿児島県)、日本航空のシカゴ線で3,000本限定発売された。

終売銘柄[編集]

  • 森伊蔵 (JALUX) 720ml 約1年間JALUXで抽選販売していた。
  • 杜氏森伊蔵 1800ml(いわゆるグリーンラベル)
  • 隆盛翁 720ml
  • あ〜玉杯の同期720ml
  • 同期の桜720ml
  • 錦江 1800ml

偽装事件[編集]

希少な焼酎であることから、インターネットオークションで偽造品が出回る問題が発生したことがある。森伊蔵のラベルを偽造し、他社の焼酎を入れた瓶に貼り付けてオークションに出品したもので、約160本を販売して代金約400万円を騙し取ったとして大阪府の飲食店経営者が逮捕され、詐欺罪により懲役2年6か月の実刑判決を受けている[6]

商標問題[編集]

福岡県大牟田市の会社によって、中国で無断で商標登録申請が行われていたことが、2010年2月に発覚した。問題の会社は、連絡が取れなくなっているという[7]

エピソード[編集]

元プロ野球選手の木村一喜広島楽天)は、広島所属時代の2005年の春季キャンプで、山本浩二監督が愛飲していた焼酎森伊蔵を盗み飲みしたのがバレて、罰としてヘルメットと背中に野村謙二郎が書いた「森伊蔵を飲んだのは私です」の張り紙を張られたことがあった[8]。後日、森伊蔵を製造する森伊蔵酒造から森伊蔵1本をプレゼントされたという。そのお返しに木村が広島グッズをプレゼントしたと言う逸話がある。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 「連載[かごしま焼酎新書]第6部・芋はなやむ-販売・流通のゆがみ/1・贈り物=人気沸騰、偽造品も」南日本新聞2004年9月29日朝刊1面
  2. ^ 森伊蔵とJALファーストクラスのコラボレーション
  3. ^ 日本航空ファーストクラス機内サービス
  4. ^ 「企画[移動編集局]垂水市・下/幻の焼酎「森伊蔵」=電話予約は競争率数十倍」南日本新聞2000年2月8日朝刊12面
  5. ^ a b c 「連載[かごしま焼酎新書]第6部・芋はなやむ-販売・流通のゆがみ/2・希少銘柄=転売され異常な高値」南日本新聞2004年9月30日朝刊3面
  6. ^ 「企画[社説]焼酎産地の信用損ねた=偽銘柄に実刑」南日本新聞2004年10月10日朝刊5面
  7. ^ 「森伊蔵」など人気焼酎、中国で無断商標登録申請 読売新聞 2010年2月20日
  8. ^ 背番号「森伊蔵を飲んだのは私です」(niigata-boro.net daily-r 2005年2月24日の記事)

外部リンク[編集]