梶田達二
梶田達二(かじた たつじ、1936年5月24日-2011年10月8日)は、日本の画家・イラストレーターである。雑誌挿絵、プラモデルのパッケージ(ボックスアート)を中心に航空機、SL、SF、ウルトラマンに代表される怪獣イラスト等幅広い分野で活躍し、現在は帆船を描く海洋画家として知られている。また航空機を油絵で写実的なタッチで表現する。名古屋市生まれ。
2011年10月8日、胃がんのため死去、75歳。
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[編集] 小松崎茂との出会いと挿絵画家への道程
梶田は昭和11年、愛知県名古屋市港区にて誕生。昭和23年、中学生時代に月刊「少年」(光文社)に掲載されていた小松崎茂の絵を見てショックを受け挿絵画家への道を志すようになった。小松崎茂は梶田が生涯にわたり師と仰ぐ存在であった。
それからは雑誌に載っている小松崎の絵を見てはすべて模写するようになり、小松崎の絵を自らの腕に覚えさせていった。そのこだわりはカラーのものはカラーで、ペンのものはペンでと徹底していた。
昭和28年、愛知県立惟信高等学校を卒業。同時に家業である梶田楽器の手伝いをすることになる。梶田楽器は幼児向けの卓上ピアノを製造していた。大正琴発祥の地と知られる名古屋は楽器・玩具メーカーの中心地だった。同業者は最盛期には二十数社もあった。
梶田は日中は楽器の調律を行い、夜は絵を描いて過ごすが、昼休みには好きな飛行機の模型を作っていた。設計図を起こし、木を削って作るソリッドモデルである。そのおかげで三面図さえあればどの角度からでも絵を自由に描けるようになった。とにかく絵ばかりを描いて過ごした青春時代であった。そんなおり親に「東京に出て挿絵画家になりたいと」相談するも怒られ、梶田の夢はなかなかかなえられなかった。
[編集] 挿絵画家、パッケージ、ボックスアートの売れっ子へ
昭和32年ごろより美術文化協会に出品し始める。小松崎の模写だけをしていたわけではない。芸術学院の通信教育を受けたり、デッサンに通ったりもして本格的に絵の勉強をしていったのである。 昭和34年美術文化協会の東京展に出展。東京展に出展したのは裏話がある。親から反対されていた東京行きの口実をつくるためだった。東京に着いた梶田は本来の目的を敢行する。美術館は二の次にして、書き溜めていた作品を数十点持ち出版社回りを行った。
集英社を訪ねたところ「フレンドブック」の編集者の目にとまり偶然にもちょうど「日本の航空史」というまだ描き手が決まっていない書籍の原稿を依頼されることになる。名古屋に帰った梶田は1か月かけて完成させる。この挿絵画家としての初仕事を機会に親を説得し上京。
上京後すぐに秋田書店を訪ねた。昭和36年9月号、月刊「冒険王」の「超音速から脱出せよ!」巻頭口絵を飾る華やかなデビューであった。ジェット戦闘機にトラブルが発生した際にコクピットが離脱する状況を描いたものだった。もともと好きな飛行機を描いたものであったため、新人の初めてのカラー作品とは思えなかったほどの出来栄えだった。通常はカットから挿絵、そしてカラーの口絵とステップアップする。そのプロセスを無視しての大抜擢だった。
それを皮切りに依頼が殺到するようになった。小学館の少年誌の表紙や口絵、挿絵、プラモデルの箱絵(ボックスアート)、森永製菓のエアーラインキャラメル、カバヤ食品のビッグワンガムなどお菓子のパッケージ。コクヨ、トンボ鉛筆、三菱鉛筆のパッケージ等幅広い分野にて多忙を極め、特にショウワノートの口絵、青島文化教材社、オオタキ製作所、今井科学他多数のボックスアートには膨大な数の梶田の作品が採用され、当時の少年の心をつかんだ。その他ブルマァク、宝くじの挿絵等活動領域は多岐にわたる。
飛行機マニアとしての梶田の代表的作品として、昭和60年「世界のアクロバットチーム」(文林堂)に集大成として結実される。十数年の歳月をかけ、150点を描いた力作であった。
[編集] 油絵との出会い
昭和45年頃より、挿絵と平行して海洋絵に興味を持ち始め油絵の世界に入る。帆船を描くようになって新たな衝撃もあった。海洋画家鈴木正輝との出会いである。半ば強引に紹介してもらい、絵具の使い方、筆のことを教授される。これをきっかけに挿絵画家を脱皮した梶田は現在も精力的に帆船等海洋画、SL、航空機を描き第一線で活動している。
しかし梶田の絵を見ると初期のころからあまり変化していないことに気付く。色使い、タッチ。色のコントラスト、つまりは青は青。赤は赤とはっきりとしているところは「冒険王」で描いたころと一緒だ。例えるなら小松崎の絵をより精緻にし細かい部分の厚みを増した風合いと言える。それだけ中学生時代に見た小松崎の絵が影響している。
梶田は主に乗り物を描きたいと思い、今でも乗り物を描き続けている。少年のころのまま何1つ変わることのない画家・イラストレーターである。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 小松崎茂と昭和の絵師たち-立風書房 ISBN 4-651-00702-3
- 旅と鉄道 2001年冬増刊 冬休みスペシャル-鉄道ジャーナル社
- 昭和SF大図鑑-河出書房新社 ISBN 978-4-309-72769-1