根と係数の関係

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根と係数の関係(こんとけいすうのかんけい)は、多項式の根と係数との間に成立する関係式を表した不変式論の定理である。

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x についての二次多項式

f(x) = ax^2 + bx + c

が与えられ、x = α, β がその根であるとすると、因数定理によって

f(x) = a(x - \alpha)(x - \beta) = ax^2 -a(\alpha + \beta)x + a \alpha \beta

であるから、各次数の係数を比較して

\begin{cases} 
  \alpha + \beta = - \cfrac{b}{a} \\[7pt]
  \alpha \beta = \;\ \cfrac{c}{a} 
\end{cases}

を得る。二次の場合の根と係数の関係である。同様に、x についての三次多項式

g(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d

の根が α, β, γ とすると、

\begin{cases} 
  \alpha + \beta + \gamma = - \cfrac{b}{a} \\[7pt] 
  \alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha = \;\ \cfrac{c}{a} \\[7pt] 
  \alpha \beta \gamma = - \cfrac{d}{a} 
\end{cases}

が三次の場合として成り立つ。

根と係数の関係[編集]

n 個の文字 α1, α2, ..., αn に関する p基本対称式s p1, α2, ..., αn) あるいは単に sn,p とする。例えば

sn,1 = α1 + α2 + … + αn,
sn,n = α1α2… αn.

一般には、


  s_{n,p} = \sum_{1\leq k_1 < k_2 <\cdots< k_p\le n} \alpha_{k_1}\alpha_{k_2}\cdots\alpha_{k_p}

である。

x に関する n 次式 anxn + an−1xn−1 + … + a1x + a0 の根が α1, α2, ..., αn であるとき、


  s_{n,n-k} = (-1)^{n-k}\cdot\frac{a_k}{a_n}

k = 0, 2, ..., n − 1)が成り立つ。これを多項式の根と係数の関係という。