松江哲明

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まつえ てつあき
松江 哲明
松江 哲明
生年月日 1977年
出生地 日本の旗 日本東京都立川市
職業 映画監督
ジャンル 映画オリジナルビデオテレビドラマミュージック・ビデオ
主な作品
映画
童貞。をプロデュース
ライブテープ
テレビ
山田孝之の東京都北区赤羽
山田孝之のカンヌ映画祭
製作・製作総指揮
音楽
 
受賞
東京国際映画祭
観客賞
2012年『フラッシュバックメモリーズ3D』
「日本映画・ある視点」部門 作品賞
2009年ライブテープ
その他の賞
日本映画プロフェッショナル大賞
特別賞
2013年『フラッシュバックメモリーズ3D』
TAMA映画祭
特別賞

2020年音楽
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松江 哲明(まつえ てつあき、男性、1977年 - )は、東京都立川市出身の映画監督[1][2]

来歴・人物[編集]

1977年、在日韓国・朝鮮人の両親のもとに生まれる。当時の姓は柳で、1983年に家族とともに日本国籍を取得、松江姓になった[3][4]

1999年日本映画学校卒業制作として撮られた『あんにょんキムチ』で、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞、NETPAC特別賞などを受賞[5]

その後、2006年に『カレーライスの女たち』、2007年に童貞青年の日常を描いた『童貞。をプロデュース』を発表[1][6]

1カットのみで撮影した2009年ドキュメンタリー映画『ライブテープ』(主演:前野健太)が第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞(2009年)、第10回ニッポン・コネクションドイツフランクフルト・アム・マイン、2010年)「ニッポンデジタルアワード」を受賞[7][5]

高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者・GOMAを描いたドキュメンタリー映画『フラッシュバックメモリーズ 3D英語版』が第25回東京国際映画祭コンペ観客賞を受賞[8][2]。また、同作で第23回日本映画プロフェッショナル大賞特別賞を受賞した[9]

2015年、ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』において、東京ドラマアウォード2015の演出賞を山下敦弘とともに受賞[10]

不祥事[編集]

2017年8月25日、池袋シネマ・ロサにて『童貞。をプロデュース』の10周年記念上映後の舞台挨拶の際、舞台上で出演者から同作への出演、作品内で行われた性行為が強要だったことなどを強く訴えられ、当初予定されていた26日以降の上映が中止となった。松江は同月31日、配給会社SPOTTED PRODUCTIONS社長の直井卓俊と連名で本件に対し事実無根であると声明を発表した[11][12]

しかし2年後の2019年12月5日、性行為の強要を訴えていた出演者を取材したインタビュー記事[13]ガジェット通信から公開されたことにより本件は再度注目を集め、同年12月13日、配給のSPOTTED PRODUCTIONSの公式ウェブサイトにて、同社社長の直井卓俊と共に、二年前の声明とは一転し事実を認める謝罪文が掲載された[14]

ただしその後2023年5月末時点では2019年12月13日の謝罪文[14]はSPOTTED PRODUCTIONSのウェブサイト上から削除され、「事実と異なる内容を発信」したとされた2017年8月31日の声明[12]のみが閲覧できる状態になっている。

2023年6月には、拒絶する出演者を羽交い絞めするなどして撮影されたという性行為の強要その他、当時の状況について語る出演者のインタビュー動画がYouTubeで公開された[15]

フィルモグラフィ[編集]

映画[編集]

テレビ[編集]

オリジナルビデオ[編集]

  • ほんとにあった! 呪いのビデオ8(2001年)演出・構成
  • ほんとにあった! 呪いのビデオ special2(2001年)演出・構成
  • ほんとにあった! 呪いのビデオ9(2002年)演出・構成
  • ほんとにあった! 呪いのビデオ10(2002年)演出・構成
  • ほんとにあった呪いの映像 - 儀式の村 - (2006年)演出・構成 /製作:英知出版

予告[編集]

プロモーションビデオ[編集]

著書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『観ずに死ねるか! 傑作ドキュメンタリー88』, p. 11.
  2. ^ a b ドキュメンタリー監督の松江哲明が結婚を発表、お相手はドイツ人女性”. CINRA (2013年5月9日). 2013年7月11日閲覧。
  3. ^ 帰化しても消えない在日コリアン差別…韓国籍を選んだ女優・韓英恵
  4. ^ 「ヘイトスピーチの被害者をきちんと映し出さなければ」 安田浩一vs.松江哲明【対談】
  5. ^ a b 『フラッシュバックメモリーズ3D』対談 松江哲明(監督)×高根順次(プロデューサー)”. CINRA (2013年1月18日). 2013年7月11日閲覧。
  6. ^ 『観ずに死ねるか! 傑作ドキュメンタリー88』, pp. 226-229.
  7. ^ 『観ずに死ねるか! 傑作ドキュメンタリー88』, pp. 112-113.
  8. ^ 『観ずに死ねるか! 傑作ドキュメンタリー88』, pp. 118-121.
  9. ^ 日本映画プロフェッショナル大賞(2014年6月29日閲覧)
  10. ^ 『天皇の料理番』が4冠獲得 「東京ドラマアウォード2015」”. ORICON STYLE (2015年10月21日). 2015年10月21日閲覧。
  11. ^ 松江哲明監督、10年前作品の“出演強要騒動”を否定 出演者の「犯罪行為」を主張 ORICON NEWS 2017-09-06
  12. ^ a b 直井卓俊, 松江哲明 (2017年8月31日). “8.25(金)「童貞。をプロデュース」 10周年記念上映中止の経緯・ご報告につきまして”. SPOTTED PRODUCTIONS. 2019年12月15日閲覧。
  13. ^ 『童貞。をプロデュース』強要問題の“黙殺された12年”を振り返る 加賀賢三氏インタビュー<2019年12月12日追記あり> | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2019年12月5日). 2020年1月25日閲覧。
  14. ^ a b 加賀賢三さん、そして「童貞。をプロデュース」で不快な思いをされた方へ”. SPOTTED PRODUCTIONS (2019年12月13日). 2019年12月13日閲覧。
  15. ^ 「ドキュメント映画監督から無理矢理の…/「お前がしゃぶれ」舞台挨拶で監督にブチギレ」 - YouTube -- 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜
  16. ^ 山田孝之がカンヌを目指すひと夏の記録、テレ東『山田孝之のカンヌ映画祭』 CINRA.NET、2016年12月8日

参考文献[編集]

  • 尾形誠規 編『観ずに死ねるか! 傑作ドキュメンタリー88』鉄人社、2013年4月6日。ISBN 978-4-904676-72-1 

関連項目[編集]

AV出演被害防止・救済法

外部リンク[編集]